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【書評?】蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷 恩田陸著 幻冬舎文庫

はじめに

これはあくまで書評? であり、書評ではありません。書評が書けるほど深く読み込めていないので、書評という名の感想文だと思って読んでいただけると助かります。

あらすじ

近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵、かつて天才少女と呼ばれながらも突然の母の死以来、表舞台から消え去ってしまった栄伝亜夜、楽器店勤務のサラリーマン高島明石、そして完璧な技術力と音楽性の優勝候補マサル。
ピアノコンクールを舞台に繰り広げられる、青春と闘いの物語。

感想

一言。面白いです。

と、それだけでは書評? とクエスチョンマークをつけても許されないと思うので、もう少し長く書いていこうと思います。

私は音楽を諦めた人間なので、この作品に登場する人物たちに嫉妬し、憧れ、共感しました。勿論、現役の音大生とかそういう人たちの方が共感はするんだろうけれど、それでも音楽家を目指していた人間にとって、この作品はフィクションですがリアルでもありました。

この作品に登場する人物たちはそれぞれに違った才能を持っていて、特に私がいいなと思ったのは高島明石の生き方でした。彼は28歳と最年長で、家庭もあり、仕事もしながらのコンクール参戦。これは並大抵のことではありません。

生活者の音楽というものがどこまで通用するのか、それは見ものです。

正直、好みは分かれるとは思いますが、演奏に関しての描写などは細かく書かれており、それをくどいと感じる人も居るかもしれません。私は、細かく書かれていることにより、音が鳴る小説だったと思っています。

それもまあ、私が単純に曲を知っていたからという理由もあるのかもしれませんが。登場人物たちの音楽を聴いてみたいと思う小説でしたし、音の鳴る小説って難しいよな、すごいなと思いながら読んでいました。

天才や音楽、本が好きな人でまだ読んでいない人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

おまけ

読み終わったあとに映画も見てみたので映画の感想をおまけで。

映画はごくシンプル。長編小説を約2時間で表現するのだから多少のダイジェスト感は否めないです。あと、個人的には原作での亜夜が好きだったので、映画の亜夜はあまり好きになれなかったです。

原作の方が、天然の天才感があるというか、弾けなくなったという部分だけが強調され過ぎていて少し解釈が違うなと感じました。あとは、個人的に亜夜役の俳優さんが苦手というのもあったのかもしれません。あくまで個人的な意見なので悪しからず。

全体的には演奏シーンがもう少しあってもいいのかな思いました。特に一次と三次に関してはほぼ触れられていませんし二次も春と修羅のみでしたし。まあ、それをしていたら、2時間には収まらないので仕方がないとは思いますが。本選も映画と原作では大きく違いが見られ、好みではありませんでした。

映画としては楽しめたかな。エンターテインメントとしては。という感じですが、もし私が原作を読む前に映画を観ていたら、原作は読まなかったかもしれません。なので、どっちもまだという場合は原作からをお勧めします。

終わりに

今回は直木賞と本屋大賞W受賞作の蜜蜂と遠雷を書評? してみましたがいかがでしたでしょうか。あくまで、これは個人的な感想なので、全ての人に当てはまるわけではないと思いますが、面白い作品ですので小説、映画共に読んだり観たりしてみてはいかがでしょうか。

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