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【書評?】お探し物は図書室まで

お探し物は図書室まで 青山美智子著 ポプラ社

はじめに

これはあくまで書評?であり、書評の体を成していないかもしれません。個人の読書感想文として読んでいただければ幸いです。

あらすじ

お探し物は、本ですか?人生ですか?
悩める人々が立ち寄ったコミュニティハウスの小さな図書室。不愛想だけれど聞き上手な司書さゆりさんが、思いもよらない選書と可愛い付録で人々の人生を変化させていく。明日への勇気を貰える一作。

感想

最初合わないのかな?と思って、一章だけ読んでしばらく放置していた一冊を、時間を置いたし読めるかなと思って手に取ったところ、二章からは一気読み。何故あの時読めなかったのかはわからないけれど、今思うことは読んでよかったということだ。

人生の様々なことで悩んでいる人々が偶然立ち寄った小さな図書室。そこにいるのは大きな体を白い服で包んだ司書のさゆりさん。決して口数が多いわけでもなく、愛想がいいわけでもないのに、誰も不快にさせないそのキャラクターはとても魅力的で、本当にいたらいいのにと思わせてくれる。

選書というのにはセンスがいる。私には選書に関するセンスはないけれど、さゆりさんはその人に合った本を少し話を聞いただけで導き出してくれる。

自分の仕事に自信を持てず転職を考える婦人服販売員の女性、雑貨屋を開きたいという夢を持ちながらも踏み出せない家具メーカー社員、出産を機に雑誌編集者から資料部に異動になった女性、イラストレーターになりたかったニート、定年退職を迎えて何の趣味もなく過ごしていた男性。

この5人を通して、自分自身も明日への活力を貰った気がする。私が特に印象に残ったのは、イラストレーターになりたかったニート浩弥の章だ。

夢を追いかけるのには勇気がいる。この章には浩弥の友人で作家を目指している水道局員も出てくる。なんだか、この章には本当に勇気をもらった。私はいつか、自分の本を出したいと思っている。その想いがこの章には重なったのだと思う。

「いつか」が「明日」になる。(P118)

この言葉にすごく勇気づけられた。難しい言葉ではないけれど、だからこそ響く。そんな言葉がたくさんちりばめられた一冊。

終わりに

本当に本当に、勇気づけられる一冊でした。これからはこの本が私のお守りがわりになるのかもしれないな、と思いました。まだ読んでいないという方、ぜひ読んでみてください。


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