コロナ

やっと帰ってきた旅人が髭を剃り、頭を刈って風呂に入り、ユニクロのニットを着る。そしてあてがわれた小さな部屋でどこか知らない街を想う。母親の記憶は過去のものではない。そういえば世界はそもそもこうだったのだ。変わったのは僕自身。あなたは何も変わっていない。いつだったか遠くに投げた歌がある。耳の良い音楽家は、その跳ね返ってきた音で世界の形を知る。祈りとは、目を閉じること。

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