文系学問の研究にかかるお金/ぼくが月々かけているお金
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文系学問の研究にかかるお金/ぼくが月々かけているお金

佐藤ひろお|三国志研究中

こんにちは。佐藤大朗(ひろお)です。会社を休んで、三国志の研究をしています。自分で出す本の仕上げ、校正が忙しくて、あんまりnoteを書けていませんでした。出す本はこれです。
[完訳]資治通鑑 晋紀 第一冊
https://3guozhi.thebase.in/items/33138706

さて。猫月驢年さんから、質問をいただきました。
https://note.com/mauerfranz
「文系学問のお金、どれくらいかかるのでしょうか?生活費はなんとなくわかりますが、研究で使うのは学費、学会、書籍雑誌、図書館でコピーとか…?件数とか桁数はあまりイメージがつかないです。機会があればぜひ発信して頂ければと思います!」

ご質問ありがとうございます。最初に、実際の数字を答えます。
「研究テーマによりけり」みたいな、へんてこな詠嘆で、お茶をにごすつもりはないです。
大事なことは、この記事の後半に展開していますが、だいたい書籍代や資料代に、平均すると毎月、3~5万円ぐらい使ってます。

新しい分野に興味がわいてきたとか、是非とも手に入れておきたい出版物があるといったときは、単月で10万円を超えることがありますが、ぼくにとってはレアケースですし、ちょっと反省します(笑)

ぎゃくに、作業が軌道にのり、没頭していると、1万円ぐらいに収まったりすることがあるかも…。
自分でアウトプットしていると、インプットがおろそかになり、クレジットカードの請求金額が安くなります。その安さを見てから、「今月は、アウトプットばかりしてたんだな」と振り返ります。アウトプットが一辺倒では、やがて「枯れる」ことになりますから、翌月はたくさん出費し、平均へと回帰します。

固定費と変動費に分類する

回答者としてのマナー?として、最初に数字を答えました。
ですが、本題はここからです!!

お金は、色を塗り分けて管理するものです。家計簿をつける必要はないと思いますが(めんどうくさいだけ)、ぼくはこんな考え方をしてます。

質問のなかにあった「学費」は、固定的に出ていくお金です。
日々、どれだけ研究をしようが、研究をサボろうが、年間で出ていくお金はそれほど流動しません。これは、ストック(貯金)から、ポンと払って終わりにします。
ポンと払えないなら、入学できません。簡単な算数です。貯金が足りないのなら、親?に借りるなど、金策するのでしょう。このnoteは、金策の紹介をする場所ではないので、この話題はおしまいです(笑)
払ったあとは、気を揉んでもお金が返ってくるわけじゃないので、スッキリ忘れるのが、精神衛生上、いいはずです。研究のジャマです。

行きたい大学、大学院の入学金や、授業料などは、ネットで見れば分かります。奨学金の制度などもありますが、ぼくは使っていないので、詳しくないです。
学費は、うえに示したお金(3~5万円)には、含んでいません。月ごとに配分(按分)しても、意味がありませんしね。たとえば、年間100万円だから、月ごとに8.3万円で…といった計算は無意味です。
計算をするなら、「なぜ計算をするのか」「計算結果をつかって、どんなアクションを取るのか」が必要となります。まとめて出て行くお金は、ポンと吐き出して、それでさよならです。

経理の言葉では、「固定費」と「変動費」といいます。
(ぼくの本職は経理なので、その考え方を流用してます)
学費は、日々の研究をどれだけがんばろうが、出て行くお金が変わらないので、固定費として捉えるのが適切でしょう。

*より本質的に検討するべきは、「入学するか否か」「どこに入学するか」という、研究生活のトータルの戦略でしょう。お金の話から逸れてしまうので、この記事では触れません。

質問にある「学会費」も、固定費です。
ですが、これも考えなくていいです。「学会費」は、年間で数千円のところが多いでしょう。年間1万円というのは、ぼくが知らないだけかも知れませんが、文系学問では珍しいと思います。
複数の学会に属しても、年間で数万円です。
金額が小さいから、考えなくていいです。考えたところで、胸が痛むだけで、メリットがありません。というのが、ぼくの考えです。

経理の知恵として、全体の5%未満の数字は、果敢に無視をする。
すると、頭が整理されて、思考がクリアになります。

書籍代・資料代を分類する

これまでに、固定費(学費)について話しました。つぎは変動費です。日々の研究をすればするほど、出費が大きくなるお金です。

文系学問をするひとは、書籍代、それに準ずる資料代・コピー代が、おもな出費の用途でしょう。これを把握・管理をするとき、落とし穴があると、ぼくは考えています。
学問をしたいひとは、読書好きが多いのではないでしょうか。すると、書籍代などを、最低でも、2つに分類する必要があります。

・消費(娯楽・趣味)としての書籍代
・研究の原価としての書籍代・資料代

うえの質問をいただいたとき、分類(勘定科目を分けること)が必要だなと思いました。出費したものを、なんでもかんでも、「研究費」として計上していくと、意味が分からなくなります。

やっかいなのは、購入した段階では、分類が不明な本です。
・漠然と興味があるけど、すぐに研究に使えるかは不明
・研究を通じて知りあったひとが、ぽろっと口に出していた本

けっこう侮れないのが、娯楽・趣味として読んでいた本から、研究にむけた「問題関心」とか、「視座」と呼ぶべきものが生まれること。ヒントを得られることがあります。
むしろ価値を生むのは、こういう出費かも知れません。ですから、上の2つの分類のあいだに、どっちつかずの勘定科目を設けてもよいのかも。

ぼくの場合、ものすごくザックリいうと、こんな感じ。
・純粋な消費(娯楽・趣味)と割り切った出費 … 10%
・興味があるけど、研究に繋がるか不明な出費 … 70%
・絶対に必要なもの、研究の原価としての出費 … 20%

研究の原価としての出費は、じつはこれより少なくて、10%とか、下手をしたら、5%かも知れません。それは、
・必要なものは、だいたい買い終わってしまった
・図書館や、研究の先輩から借りている

買いそろえるまで、百万円以上使っているかも知れませんが、10年以上かけて、徐々に買いました。年あたりのダメージは軽微です。当初は、研究するつもりもなかったので、「純粋な消費」のつもりで買い、それがたまたま、転用できているだけです。
このことから、分類のあいだで移動が起こるということが分かりましたし、自分の内面を掘り下げるためには、「純粋な消費」としての書籍購入も、よくよく見直してみるとよいかも…という知見を得られました(笑)

研究の資料を「借りる」ことも、侮れません。用途が明確ですから、頼む方法があるし、使い終わったら返すことができます。
経理として発言すれば、直接の原価には、お金をかけないことが、純然たる正義です。そのための「戦略」も、また一大テーマとなるでしょう。今回の記事では書ききれません。

以上をまとめると、こんな感じです。
・学費などの固定費は、月々の出費として捉えていない
・書籍や資料代は、月3~5万円だが、その半分以上は、「興味があるけど、研究に直接つながるか不明なもの」にあてている
・研究の直接の原価は、減らすための努力と工夫を怠らない

お金を使っている、といえば使っていますが、月ごとに数万円単位のケタ数に収まっている話です。地味なお話ですし、独学するハードルの低さを示しているのではないでしょうか。
参考にしていただけましたら、幸いです。

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佐藤ひろお|三国志研究中
会社を休職して三国志を研究しています。1982年愛知県生まれ、大阪大学文学部卒。新卒で一般企業に就職、転職1回。社会人約15年、おもに経理職を経験。2022年度より、早稲田大学 文学研究科の修士課程。文系学問と相性の悪い「お金」との付き合い方を発信します。