夏に自家用車でエアコンをつけて走ることの狂気性
佐藤大朗(ひろお)です。会社を休んで三国志を研究してます。
斎藤幸平『人新世の「資本論」』を読みました。
環境に釣り合った経済活動を、というのがトレンドのようです。かつて公害問題で、四日市ぜんそくとか騒いでいましたが、かなりザツにまとめると、その論調の再燃(に見える)です。
ちなみに、三重県の四日市市は、先年、歩いて通過したとき、ものすごく空気が悪くて、くしゃみと鼻水が止まらなかったです。四日市市を過ぎたら、呼吸器系の異常が、ケロッと治りました。「これが、教科書で習う、四日市の大気汚染か」と、納得したものです。
四日市は、今でも空気きたないんですね。 #あぶらすまし
さて、『人新世の「資本論」』に関し、思い出があります。
かつて自動車会社の上司と、真夏の昼、社内会議のため、ほかの工場に自動車で出張に行ったんです(日常の風景)。いざ打ち合わせが終わって、駐車場にもどると、車内が灼熱地獄でした。
うわっ!あつ!!って騒いだら、
「日光が照り返すコンクリートの上に、四方八方を鉄板に囲まれた箱のなかで、ガソリンを爆発させながら走っているんだ。正気の沙汰とは思えないよな。暑いに決まっている」と。
自動車会社のなかで、長年、実際に車づくりに携わっているひとも、2010年代初頭に、こんなことを思ってたんですね。
べつのひとは、
「ハイブリッドカーは、環境に優しいというのは、ただの広告戦略。なるほど、走っている最中は、二酸化炭素の排出が少ないかも知れないが、製造過程までトータルすると、かえって環境に悪いんだよ」
じっさいに、ハイブリッドカーの生産にたずさわっているひとが、ふつうに冷静に、こう言ってたんです。べつに、2020年代になって、欧米の学者に指摘されなくても、現場レベルで、「なんじゃこりゃ?」という違和感はあったんです。環境負荷が、不必要に高いなあ(苦笑)って。
まあ、燃料をがんがん燃やしていく自動車産業はメシノタネなので、自動車会社のおじさんたち(そこそこ偉い)は、黙々と働いて、もう引退していきましたが…。
環境保護は2020年代のトレンド
潮流からすると、「競争礼賛、株主利益の最大化、市場は絶対に間違えない」というのが、2019年ぐらいから、ヨーロッパやアメリカで低調になってきたようです。
日本でも同じようなことをいう本はありましたが、
なぜか、「高度経済成長の恩恵をうけ、バブル経済という貴重な?経験をし、十分に老後の蓄えのある豊かな老人」ばかりが、「資本主義は、いかがなものか」と言ってることが多いので、世代間対立を煽るだけの論題になっている感がありました。
「オレたちは、勝ち抜け。あとはヨシナに」と、にやにや笑いながら、「成長だけが、すべてじゃない」って言ってもね…って。
ともあれ、2020年代前半、世界の流行は、「環境をだいじに」そっちだそうです。へえ。日本でも、若い(現役の)世代がこれを言って、本が流行ったというのが、ひとつの変化だなと思います。
だいたい日本では、海外文化の礼賛&輸入から始まるので、こっからどのように、おいしく調理していくかですね。
もう、真夏の真っ昼間に、むりに自動車で出張する必要はないし(オンラインで済ませる)、ハイブリッド自動車はクリーン!という広告宣伝に乗っかる必要もなくなった。
そういう指摘が、職場のグチとしてでなく、公然と言えるのならば、個人的には、歓迎かも?という気がします。
もっとも、へんな管理指標がたくさん作られ、管理じたいが自己目的化して、どんどん本来の有効性から逸れていく…というのが、いつものことなんですけど。SDGsなんて、迷走の萌芽です。ていうか、日本企業のなかでは、もう迷走してるか。笑いごとじゃないっす。
「壊して直して、わかってるのに、それが私の性格だから」って歌っておけば、無罪放免!というわけじゃない。
直すなら壊すな。ていうか、壊したくなるようならば、そんな余計なものを持つな、作るな。という流行りには、あやかりたい。
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