出会って1週間で付き合った彼氏と、別れたお話

彼とはアプリで知り合った。ファーストインプレッションはいい意味で(?)もっさりしてる人で、僕の好み。

確か14時くらいに顔合わせして、近くのカフェに入って18時まで話しこみ、そのまま近くのカレー屋で夕飯まで食べた。初対面でこんなに長時間いられるくらい居心地が良かった。こんな人と付き合うのが幸せなんだろうな、とその時点でおぼろげに考えたくらいに。

彼は優しかった。正確には、僕の中の「優しい」の感覚が彼と似ていた。徳を積むとか、自然を想うとかそのたぐいの話が通じるのが良かった。
彼は斜めからものを見ていた。僕もそうなので気が合った。

付き合いはじめて3ヶ月が経ち、最初の初々しい関係がこなれた感じに変化した。相手の癖とか何に喜んだり怒ったり、悲しんだりするのかがなんとなくわかったと思う。

ある日、少し遠くに出かけた。

自然に囲まれた土地をあてもなく二人で歩く。僕の好きなデートプランだ。確かに幸せだった。幸福感を得ていた。遠出の帰り際、不動産屋の前で物件をみた。二人で住むならこんな間取りがいいね〜なんて話していた。

そのとき、ずっと一緒にいるのは違うなと思った。そこから、全て分からなくなってしまった。

彼のどこが好きなのだろう?優しいし気が合う彼に何の不満があるのか。
何に幸せを感じるのだろう?一緒にいてあんなに楽しかったのに。

倦怠期というやつなのかもしれない。出会ってから3ヶ月の間に、大事な絆のようなものを作れなかったのだと思う。かっこよくいえば、自分と彼とをつなぎ止めるものをこの期間で作れなかった、雑にいえば愛を育めなかった。僕に迷いが生じてから1ヶ月、ずっと考えていた。でも答えは変わらなかった。

とても優しい彼に別れを告げるのが嫌だった。それで彼が傷つくのが目に見えていたから。でも迷いながら付き合い続ける方がもっと辛かったから、言った。

そのときも、彼は優しかった。色々言ったけれど、「あなたには幸せになってほしい」と無責任なことを言ってしまった。今、彼を不幸せにしているのは自分なのに。

嘘をつかなくてよくなった自分の心は少し軽くなりましたが、どこかまだモヤモヤする、そんな恋愛でした。終わり。

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