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自分を特別視してしまうことに、必要以上に罪悪感は持たなくていい

コロンビア大学ビジネススクール教授のシーナ・アイエンガー氏が書いた
選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義
第3講 強制された選択
Ⅰ. みんなと同じように、わたしも人と変わってる
の要約になります。

この章のタイトルが内容を言い得ていると思います (笑

それでは、この章のエッセンスだけ抜き出して、お伝えしていきます!

A 平均以上効果

平均以上効果とは、自分を平均以上の人間だと思い込んでしまう、という自分の意識に働くバイアスみたいなものです。

例として、根拠もないのに、自分が人よりも勤勉であると思ったり、利口な投資家であると思ってしまう、といったものが挙げられます。
(9割の人が自分は全体的に上位10%に入ると考えてしまっているとも、本書には書かれています。)

この効果は、ある小説に出てくる架空の町の名前を取って、別名、レイク・ウォビゴン効果とも言うそうです。


②また、「私達は日頃から、個性的でいたい、個性的な自分を分かってもらいたい」
と痛切に願う、という意識が人にはあるそうです。

一応、このことを示す実験(点の数の推測)を一番下に載せておきました。

このような意識を持ってしまう理由として、人は日頃から、他と違う人=優れた人、であるというメッセージを社会から受け取っているからだそうです。
(例として、高校生の卒業生総代の答辞等が挙げられます)

「周りの人に同調し、人と同じような選択をすることは、人格上の欠陥であり、怠惰であり、向上心に欠けている」
と自分を見なしてしまうとも、筆者は言っています。

個人的な意見としては、こういった考えを持ってしまうのは、他と差別化することによって生き残ってきた生物としての本能のような気がしています。
(あくまでも、個人的な意見です)

B なぜ、自分が特別だと思うのか

それは、自分自身に対する親密感があるからだ、と筆者は書いています。
自分が何を考え、何を感じ、何をしているのかを隅から隅まで把握しているからこそ、自分自身は特別だと思ってしまう。

自分を知りすぎているからこそ、他の人と違いが際立って見えてしまい、故に自分を特別視してしまう、といったところでしょうか。
(本書には書いてないのですが、もし自分のことをよく知ったうえで、自分は周りの人とあんまり変わらないなと思ってしまう人はどうなるのだろうと、私は思ってしまいました)

そして、周りの人はみんな同じように見え、似たような行動をしていると思ってしまう。

これらのことを、筆者は
羊の群れの中のひとりぼっち、ではなく
羊の皮を着た個人である
と言っています。

C ちょうどよい特別

実際に、私達が求めているのは「真の独自性」と言える程の極端なものではない。
あまりにも奇抜過ぎるファッションをすることになったり、分類をされた時に極々少数のグループに入ってしまった時は、大抵の人はそのことを不快に感じる。
大抵の人は、その他大勢と区別されるほどには特殊でいて、定義可能な集団、つまり「ちょうどよい特別」でありたいと思うのだ、と筆者は書いています。
(本書では例として、「ネクタイの柄を選ぶ実験」が挙げられています)

今回の内容は以上になります。

こういった知識を持っておくと、「自分を過大視してしまうことは、人の意識のメカニズムとしてある意味、仕方ない、自然なことだ」と、どこかで思うことができ、必要以上に自分を責めたり罪悪感を抱くことを少なくすることができると思います。

詳しく知りたい部分や間違っている所があれば、コメントしてください。
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こんな本も出版されてますね。


以下は、Aを裏付ける実験内容になります。

①無意識の知覚について調べるという名目で、小さな点をたくさん散りばめた数種類の画像を数秒ずつコンピュータ上で見せ、点の数を推測させる。
②その後、実験者に「この実験をすると、大多数の人(75~80%)が画面上の点の数を実際より多く答え、実際よりも少なめに答える人は少数(20~25%)である」と伝えた。
③実験者を解答の内容に関わらず、ランダムに半分ずつのグループに分ける。
一方のグルーぷには回答した数が実際の数より少なめだったと伝え、
他方のグループには実際の数よりも少なめだったと伝えた。
(ちなみに、回答者には過小評価と過大評価が何を意味するのかを、全く教えなかった)

結果、多数派と言われた人達は、自尊心をひどく傷つけられたと回答した。







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