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10月10日は湯澤記念日(VS甲府)

「10連勝」と君が言ったから10月10日は湯澤記念日

若干文学的な導入となりましたが、10連勝です。こんなの初めてです。クラブ新記録だから当然なんですが。失礼、浮かれすぎました。

今節、我らがアビスパ福岡はどのように戦ったのでしょうか。

変化。(前半)

甲府は3ー6ー1、福岡はすっかりおなじみとなった4ー4ー2で試合開始を迎えます。ただし、甲府は前回対戦と同じように、攻撃時には3バックの中央が一列前に上がりアンカーに位置取り、2シャドーが外に開き4ー3ー3の形を作り、福岡の2枚の中盤に対し3枚で当たることで数的優位を作ろうとします。


また、ドリブルが得意で突破に優れる左のシャドーの泉澤をサイドに張らせて大外からの侵入を試みるなど、福岡が採用する4バックの外側を狙い、対面のエミルに守備に回らせるよう強いてきました。

今回、可変システムを使用しているかどうかはカメラアングルの関係で中々確認できませんでしたが、CBの山本が中盤に位置するのが何回か確認できたのと、試合後のインタビューで他ならぬ伊藤監督が「オフェンス時は4ー3ー3」と仰っていたので、間違いないと確信しました(笑)。


対して4ー4ー2でスタートした福岡はこれまでとは明らかにプレス位置が変わっていました。前節までは相手ボールの時、相手陣内でセンターライン5〜10mぐらいの位置まで来た際にプレスを開始していましたが、今節は甲府のDFラインがボールを保持したときには、場所に関わらずすぐにプレスを開始していました。


これは、3バックがボールを持った時には両WBがSB化することからやや高い位置を取るため、コースを限定すれば速いプレスでボールを奪取できる可能性が高くなるとスカウティングしたのではないかと思います。もう一つの理由としては、石津、増山の守備に移行した際の位置取りが改善されたことも挙げられます。実際にこの試合でも何度か相手のパスを引っかけるなどの貢献を見せていました。

待望の先制点。(後半序盤)


後半も互いに前半と同じシステムでスタートします。後半序盤は高い位置でボールを保持されることが増えたことから、サイドを中心に攻め込まれる局面が増加します。しかし、ここをしのいだ後は、ボールを前線に素早く送ることで相手を押し込み、徐々に主導権を取り戻します。
相手陣内でCKを連続で得た後に、スローインとなり、徐々にゴールに近づこうとした際に、前がポジションから飛び出して石津からボールを受け、相手の陣形を崩し、石津にリターン、そこから遠野にボールが渡った後に石津が深い位置で再度ボールを受け、余裕がある状況でクロスを上げ、見事フアンマが先制点を決めました。地味ですが、前の戦術眼が光る得点でした。

山岸の投入。そして追加点。(後半中盤)


移籍してすぐの山岸がフアンマと交代した直後、決定機を迎えたのは後半の中盤を迎えた頃でした。惜しくもゴールとはなりませんでしたが、ここではその位置取りにふれておきたいと思います。石津のパスも見事でしたが、山岸は2枚のCBの間、中間ポジションを取ることで互いに干渉しにくい状況を作ったことでこの好機を作ったといえます。決まればもう完璧、といえるプレーでした。


その後、給水タイムを挟んだ後の甲府スローインからの数プレイでボールを奪取した前はボールを増山に預け、左手サイドを駆け上がります。その後ボールは山岸を経由し、再び前に戻り、グラウンダーのクロスが上げられます。そのボールを受けた増山が遠野に渡し、体勢を崩しながらも石津にパス、左足を振り抜いた石津がゴラッソを決めました。この見事なシュートも称賛されるべきですが、相手の空いたスペースを察知し、三人目の動きで起点となった前も、また注目してほしいところです。

進化の萌芽。(後半終盤)


終盤は、何度かサイドを突破されたり、CK、FKなどで危ない場面を作られた福岡ですが、村上の好守により失点の危機を脱することができました。


最後になりますが、終盤のメンバーチェンジについてふれておきたいと思います。これは、84分に行ったものですが、開幕戦以来となる4-1-4-1のシステムを取っていました。

これは、中盤の枚数を甲府と同数にしたい、ということと、長谷部監督が目指しているサッカーの布石ではないかと思います。まだ、方向性的なものはもう少し長い時間を見てみないとわかりませんが、以前のエントリで言及したように、リバプールのようなストーミングを指向するのではないか、と考えています。

総評


今回のポイントは、

・ダイレクトプレーの質の向上

です。

ダイレクトプレーとは、手数をかけずにシンプルにゴールに向かうプレーを指しますが、これまでの福岡は、一旦ゴールに向いた矢印を自陣側に戻してしまうことが多く、それで相手に守りやすい体勢を整える猶予を与えてしまうことにつながっていました。しかし、今節では、得点につながったプレー以外にも相手ゴールに向かうプレーが多く、甲府の守備のベクトルを自陣側に向けさせることに成功していました。こうしたプレーが増えれば、さらに得点への精度が増していくことが期待できると思われます。

最後に


クラブ初の10連勝。喜びにひたっていたいですが、またすぐに次の試合が来ます。万全の状態とは言い難いかもしれませんが、少しでもポジティブな状況になれるよう、我々サポーターも、そうした雰囲気作りをしていきたいですね。

そのひとつとして、クラファン、いかがでしょうか。

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