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デジタルESGの導入・・・環境分野の課題解決へ

最近の30度を超える気温を見ていると、やはり気候変動が進んでいることを実感する。今年は何度まで上がるのか。国にばかり頼るのではなく、消費者一人ひとりのレベルでも変えていかないとまずい状況に、思うばかりである。

■独BASFによるCO2排出量の可視化
ドイツはやはり環境意識が高いか。
化学世界大手の独BASFにおいてはデジタル技術を使って、CO2排出量の可視化を行っているようである。どのくらいのCO2を排出しているのかを見える化することがまずは第一歩であり、そこから排出量が多いところをどう減らすのかというロジカルな思考での対応が可能になるということであろう。これまでの脱炭素系の書籍にも、まずは見える化、そして対策というところは共通して書かれていた。デジタルを最初のステップである見える化に活用するということであろう。

化学世界大手の独BASFが自社製品の製造過程から出る二酸化炭素(CO2)を可視化する。原材料や使用電力に関するデータを分析するシステムを開発。顧客は4万5000点の化学品がそれぞれどの程度CO2を排出しているか一目で分かる。BASFはデータを活用してより低炭素の製品を提案し、商談のあり方を変える。今後は自動車メーカーなどとも連携して活用を幅広く促す。デジタル技術を使って環境問題を解決しようとする動きが世界で広がる。
ドイツの日用品大手ヘンケル。同社はBASFと共同で、洗剤ブランド「ラブネイチャー」の原材料を化石由来から、より低炭素のバイオマスに置き換える取り組みを進めている。環境対応への消費者の視線が厳しくなり、サプライチェーン(供給網)におけるCO2排出量の把握が大きな課題となっている。
そこでBASFが開発したのが「SCOTT(スコット)」と呼ぶ解析システムだ。化学品を製造するのに必要な原材料やプラントから出るCO2、設備の電力使用量などをシステム全体から抽出して合算。製造プロセスの解析なども含む独自のアルゴリズムを使って、4万5000点の品目ごとにCO2排出量を導き出す。

2022/06/23 日経新聞朝刊

■デジタルESG
この独BASFでの取り組みがまさにデジタルESGということのようである。デジタルでESG(環境・社会・企業統治)の課題を解決する「デジタルESG」と呼ばれる技術の導入が増えている、という記事が合わせて日経に出ていた。驚くのはクレジットカード決済データからCO2排出を測定する技術という点か。何を買ったのかということまでを決済データから取得して実現することなのか。
ただクレジットカード決済データからCO2の排出量を推定できるのであれば、先日政府が発表したような節電でポイントも重要だが、決済データからCO2排出量を削減、それをカードのポイントで還元、その原資は国としつつも国はCO2の排出枠を、このような国民レベルでの排出量削減によって、獲得するということができないものか。

デジタルでESG(環境・社会・企業統治)の課題を解決する「デジタルESG」と呼ばれる技術の導入が増えている。中でもBASFのように環境分野で取り組みが先行している。米マスターカードはスウェーデンのドコノミーとクレジットカードの決済データからCO2の排出を測定する技術を開発した。投資家からも非財務情報として環境対応への取り組みを開示するよう求められていることも背景にある。世界経済フォーラム(WEF)はデジタル技術の活用で、50年までにエネルギーやモビリティーなどの分野で20%のCO2排出を抑えられると予測する。
英ユニリーバは米オービタルインサイトと連携し、パーム油の原材料を産出する農園を人工衛星を使ってモニタリングし、違法な栽培がないか監視するなど先端技術の活用もみられる。
野村総合研究所の権藤亜希子シニアアソシエイトは「人工知能(AI)で将来的なCO2排出を予測するような技術も増えてくる」と語る。合研究所の権藤亜希子シニアアソシエイトは「人工知能(AI)で将来的なCO2排出を予測するような技術も増えてくる」と語る。

2022/06/23 日経新聞朝刊

■石炭需要、世界で再拡大 アジア・欧州で高騰
この記事が本当にショッキングに思う。エネルギー供給不安から、エネルギー先進国である欧州でも石炭回帰が急速に進んでいるという事実。

石炭の需要が世界で再び増えている。ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギーの供給不安を受け、欧州で石炭回帰が急速に進む。クリーンエネルギーへの転換が遅れるアジアの新興国でも需要が伸び続ける。需給逼迫で価格が上昇し、国際エネルギー機関(IEA)は2022年に石炭への投資が前年比約10%増えるとの見通しを示した。

2022/06/23 日経新聞朝刊

危機になると国というレベルで動いていると、国民が不安にならないようにすることが優先されてしまう。結果として、このような国民思いの行動、結果として石炭を購入してでもということになってしまうか。
やはり地道でも国民の意識、地球に暮らす一人ひとりの意識を増やす努力が必要なのではないか。

■見える化を国民レベルまで持っていかないと限界か
たまたま出張に行き、ホテルに泊まり、朝食を食べた。朝食後にはコーヒーのテイクアウトがあって嬉しかったが、プラスチックの蓋がついてくる。ホテルの部屋に戻るまでにこぼしてしまうリスクや掃除代が、プラスチックの蓋よりも高いから、プラスチックの蓋を提供するのであろう。この石油資源から作られた、CO2排出をするプラスチックの蓋が高ければ、そもそもこのように置かないのではないか。

デジタル化は行動改善の一つになるとても重要なキーと思う。これが企業レベルでなく、国民レベルまでいかに早く落とすか。これが重要なキーである気がする。

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