最大瞬間にエネルギーチャージ
あなたには
惚れ込んでしまうほどの
親友はいますか?
僕にとっての友達とは
気負わず
何でも言い合える人かどうかです。
僕には一緒にいて
心地よい人たちはいますが、
友達と言える人がいません。
ましてや
惚れ込んでしまうほどの親友なんて…
とも思いますが、
親友は少しだけいます。
*
幼稚園時代に
「友達100人できるかな?」
という歌を知ったおかげで、
友達はたくさん作らないといけない
という思い込みができ、
そのための努力もしましたが、
結局、疲れるだけでした。
かなり大人になって
気づいたことですが、
僕に
たくさんの友達は
必要ありませんでした。
一日中一人でいても
特に苦になりませんから、
どうやら僕は
そういう性格のようです。
もっともバーテンダーとして
生きていた15年間の間に
のべ何万人という、
徹底的にたくさんの人たちと出逢い、
交流を重ねたことで
人と接することに
満足してしまったという
側面はあると思いますが…
* * *
僕の惚れ込んでいる
親友のひとりは、
淡路島で
塩を作っています。
出逢いは大分、
自然農法で有名な農業者の
主催する百姓塾でのことでした。
そこで同室になり、
意気投合した僕たちはその後、
遠距離にも関わらず
つきあいは今でも続いています。
*
毎年の冬、
僕は味噌作りを
お客さんに教えています。
しかし今年は
僕がガンになったことがわかり、
入院のため味噌作り教室をすることが
できませんでしたが、
お客さんたちの希望により、
僕が材料だけを
提供することになりました。
塩の注文をするために
淡路の友達に電話をかけたとき、
僕は少し迷ったのですが、
彼に僕がガンになった話をしました。
彼はしばらく絶句するぐらい、
とても心配してくれました。
「遠く離れているし、
もう逢えないかもしれない」
という想いもあったので、
僕は今回電話で
彼の声を聞けて本当によかったと
満足でした。
*
驚いたのは
次の日のこと。
昼過ぎに家のチャイムが鳴ったので
玄関に出てみると、
何とその淡路の友達が
立っているではありませんか!
「お塩、
届けに来ました~」
おどけて言う彼。
次は僕の方が
絶句する番です。
淡路島と
僕が住んでいる長野県八ヶ岳のふもとまでは
500キロも離れているのに、
「少し迷ったけど、
ひと目逢いたかったから」
と言って
わざわざ車を飛ばして
きてくれました。
僕の目はすぐに涙で溢れ、
声にならない声で
「ありがとう」と言うのが
精一杯でした。
その時の僕は
とても体調が悪かったので、
彼を家にあげることもままならず、
また彼も僕の体調を気にして
すぐ帰っていきました。
握手をして、
固いハグをしたあとに…
* * *
僕は本来、
彼のように
かっこいい大人になりたかった
はずだ。
かっこいい大人になりたいと
若い時に思っていたのだけれど、
なれていたんだろうか?
いや、
今は全然かっこよくないじゃないか。
いま、
僕は再びかっこいい大人になろうと
決意しています。
命が燃え尽きるまで、
僕にはもう少し時間があるから。
惚れ込むほどの親友が
いてくれてよかった。
ボロボロになったとしても
最期まで生きる勇気が湧いてきたから。
親友とは、
逢うだけで
エネルギーチャージが
できてしまう
不思議な人間関係
なのかもしれません。
惚れ込むほどの親友は、
すぐに作れるわけではないけれど、
もしそんな親友がいる人は、
その人を大切にしてあげてくださいね。
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