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子供たちが教えてくれた「何か」

「ねぇ、山登り行かない?」
「え?」
「この間友達と行ったんだけど気持ちがリラックスしてよかったから」
「いい気分転換になるんじゃない?」
「うーん・・・そうかな。まあ最近運動してないし行ってみようか」

こうして僕は妻に誘われて近くの山へ向かいました。

僕は今まで登山などしたことはなく
正直興味もありませんでした。

ただ、なんとなくですが登山に行くと

・自然に触れられて心が癒される
・いい運動になる

などの効果があると思っていたので
今の自分にとっては行っても損はないかなという感じでした。

ところがどっこい。
いざ行ってみると新たな発見があったのです。
それも素晴らしい発見が。


登山当日。
登山口で車を降り山頂を目指し歩き始めました。
やはり日頃から運動をしていなかったのと
登山自体経験がなかったため歩き始めてまもなく息切れしだしました。

「結構キツいな・・・大丈夫か?」
「うん、私は大丈夫」

歩き出して半分ほど行ったところでしょうか。
山頂のほうから元気な子供たちの声が聞こえてきました。

「子供は無邪気でいいな」
「私たちも昔はあんなだったんでしょうね」

間もなく子供たちの姿が見えてきました。
そしてすれ違おうとした瞬間

「こんにちは~!」
「こんにちは~!!」

「あ・・・こんにちは」

予想していなかったことで驚きで声が詰まりました。
子供たちが見ず知らずの中年夫婦に声をかけてくれたんです。

「すごいね・・・」
「まだあんな子いたんだ」

おそらく声を掛けてくれた子供たちは
あいさつすることで僕たちが気分よくなるだろうとか
考えてはいなかったと思います。

親の躾(しつけ)か
何も考えずに自然に出たのだと思います。

僕はこのとき

挨拶してくれてうれしい

という感情と同時に

最近見ず知らずの人どころか近所の人とも挨拶していないな

というちょっとした後悔が出てきました。

「今の僕らにはこういうのが必要なのかもな」

具体的に何が?と言われてもうまく説明できません。
ただ、子供たちが挨拶したときに持っていた気持ちというか
姿勢というか、そういうものを忘れてしまっていると感じました。

歩き出して30分ほどで無事山頂へ。

「めっちゃ景色いいな」
「でしょ?なんか心が落ち着くよね」

12月に入ったので紅葉も終盤といった感じでしたが
360度見渡せる景色は絶景でした。

個人的に色々考えることはありましたが
心の中が綺麗に洗われたような気がします。


「今日は登山行ってよかったよ。ありがとう」
「それならよかった」
「でも早速ふくらはぎが痛い・・・」
「もう痛いの?若い証拠じゃない(笑)」
「そういうことにしとこう」

子供たちに教えてもらった「何か」。
足の痛みと引き換えに大切な何かに気づかせてもらった一日でした。


それではまた。


おわりだよ

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