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仙台89ers:2021-22シーズン 第97回天皇杯第3次ラウンド(10/30 Central Game vs広島 at 岸和田市総合体育館)雑感(バスケットLive観戦)

〇はじめに

今シーズンの天皇杯バスケも昨季に引き続きコロナ禍により開催方式が若干変更され、各都道府県代表が出場するはずだった第1次ラウンドは開催されず、第2次ラウンドからB3クラブと各地区代表が参加で大会がスタート、仙台をはじめとするB2クラブとB1クラブの大半はこの第3次ラウンドから参戦。仙台はB1広島との対戦となりました。

実は天皇杯バスケにB2クラブが参加するのは今大会が初めて。Bリーグが発足後、B3クラブですら都道府県予選からとはいえ参加していたのに、日程の関係もあったのでしょうけれどB2クラブについてはお呼びもかからない状況でありましたので、B2クラブのファン・ブースターも若干もやっとしていたところがあるのではないでしょうか?(もっともリーグ戦に集中できるという利点はありましたけれどw)

さて、この第3次ラウンドは全国4か所(北海道、東京、大阪、佐賀)でのセントラル開催で、次のラウンドへ進むためにはトーナメントツリーを土日月(東京会場だけ日月火)の3日間で3連勝しなければいけないというなかなかにハードな日程。第3次ラウンドに出場するB1クラブに至ってはリーグ戦の平日開催が同じ週にあったという状況で、この辺の日程はどうにかならないものでしょうか・・・。選手たちケガしちゃいますよ?7日あれば98チーム参加のトーナメントツリーは消化可能なんですけどねえ・・・。

○広島ドラゴンフライズ

忘れもしない2019‐20シーズン、昇格をめぐって仙台は広島などとプレイオフを戦うはずでした。しかしながら2020年初頭に端を発したコロナ禍によりレギュラーシーズンが途中打ち切りでプレイオフは開催されず、打ち切り時点での「総合成績」にて最終順位を決定するという最低、もとい裁定により仙台は東地区1位だったにもかかわらず総合では3位だったため昇格は能わず涙をのみ、信州と広島がB1へ昇格したのでした。

そんな広島も昨季はやはりB1ではかなり苦労した模様で(9勝しかできなかった)、今季は将来の新B1参入基準も見据えた大幅なテコ入れを慣行。川崎から日本代表選手の辻、北海道から昨季B1得点王のメイヨ、渋谷からパワー系センターのジャクソンを獲得しました。すごい。

また長く広島に所属しているシューター朝山も健在、エチェニケや帰化枠のケネディなどインサイドも盤石の構えで、非常にバランスのいい布陣になっているように思います。実際のところB1第5節終了時点で西地区を7勝2敗の3位につける絶好調ぶりです。このままの調子を維持できれば今季B1の台風の目になる可能性もありそうですね。

○第3次ラウンド1回戦(10/30 17:00 TO)広島80仙台76

そんな広島を相手に胸に多少のわだかまりはありつつも、仙台は1つ下のカテゴリーを戦うチームです。B1の広島には胸を借りる立場でこそあれ、失うものは何もありません。しかし自分たちの持てる力を存分に発揮すれば勝機も訪れるかもしれません。

ただこの天皇杯ではB2リーグ前節で若干足を痛めた渡辺がコンディション調整のため非帯同、ロースター10人で最大3試合を戦うことになってしまいました。渡辺も出場できず悔しい思いはありましょうが、無理をしてリーグ戦をふいにしては元も子もないので致し方ありませんね。また田中、荒尾にとっては広島は古巣。ぜひとも奮起し意地を見せてほしいところです。

試合開始から双方なかなかディフェンシブな立ち上がり。仙台は相手エースの辻には澤邊あるいは田中がマークして、あまり自由にさせることもなく、いいディフェンスができています。オフェンスのほうは今日はオリバーのロングレンジのタッチが良く、ディープめなところから3Pがよく決まります。実に頼もしい。バーレル、メインセも相変わらずインサイドで体を張っていて、相手にも引けを取っていませんね。1Qで15失点はいい感じですので、この後もジャクソンやエチェニケのインサイドの圧に負けたくないところ。

2Qもバーレル、メインセなどのリムアタックで相手ファウルをうまく誘えていてFTもらえているのだけれど、その割にはFT決定率があまりよくないのは少し気がかり。そしてこの試合は愛媛戦の時のように合わせのパスにミスが散見、ターンオーバーも少し多めなのはまだまだ課題ですね。あとはなんだかボールハンドリングが今一つで、せっかく攻めにいってるところでポロポロファンブルしてチャンスを失ってしまっていたのが実にもったいない・・・。

全体的には仙台ペースで試合は進んでいましたが、さすがに広島も黙ってはいませんで、エース辻がファウルをもらいながら3Pをねじ込みボーナススローも難なく決めるという4Pプレイで流れを持っていかれかけました。しかしこの日も仙台は神里や寒竹の3Pが要所で決まるのがいい感じで流れを広島には完全には渡さず、前半は6点のリードを保ったまま終了。

ただ上でも書いた通り、細かいミスは結構あって、1Qと比べるとミスからのトランジションで失点が増えたのは気になります。後半は引き続きディフェンスのインテンシティは高く保って、オフェンス面での無用なミスを減らしていきたいところ。

後半、広島が攻守にギアを上げてきます。なりふり構わず仙台に対してゾーンディフェンスまで繰り出してくるではないですか。ゾーン攻略が不得手な仙台、やはりそこで少しオフェンスの手が停滞します。ディフェンスでリズムをつかんだ広島は今度はオフェンスのギアも上げてきます。ジャクソンのインサイドムーブが効いてなかなか止められず、辻やメイヨにも3Pのあたりが出始め、少しまずい展開に・・・。

この日仙台に先だって試合があった青森や山形もB1クラブを相手に前半はリードをとる上々の展開だったのにもかかわらず後半で一気に走られそのまま敗退してしまっておりましたし、後半にギュギュっと強度が上がってくるのがやはりB1で戦うチームとB2で戦うチームの差なのでしょうか?

とか思っていたら仙台もなんのなんの踏ん張れていて、広島に2ポゼッションのリードは巧みに保たれるものの、それ以上は離されず食らいつけていけてるのでまだまだ勝機は残っていそう。3Qの最後は澤邊がブザービーター3Pを決め、広島にリードはひっくり返されたものの3点差にとどめることができました。ただこの点差はミスの数の差な感じがしています。

さて後半ギアの上がった広島を追撃するのはなかなか厳しいかと3Qを見ながら思っていましたが、澤邊のブザビで息を吹き返した仙台にもまだ上がるギアが残っていました。この試合はオリバーの個人技が実に冴え、早い段階で追いつくことに成功、一時はリードをとるも広島もすぐに取り返す、リーグ戦前節GAME2のごとくのシーソーゲームの様相になっていました。

しかし、要所でミスが出てしまったのは仙台のほうでした。それは仙台につきまとういつもの課題とはいえ、本当にもったいない。こういったクロスゲームでは集中力を見せて幾度もチームを救ってきたバーレルもこの日は終盤の大事なFTを決めきれなかったのは少し残念。そして最後はこの日の仙台を象徴するように2点を追う残り10秒のところでターンオーバー(エチェニケのスティールも上手かった)からのダメ押しファストブレイクを喫して4点差に広げられ万事休す、奮戦むなしく天皇杯の敗退が決定・・・。

気になった選手:メインセ
この試合はエチェニケ、ジャクソンという広島のインサイドと果敢に渡り合っていましたが、向こうのほうが2人とも幅があるので、交錯してコートに倒れこむこともしばしば。でもそのたびに何事もなかったかのように試合に戻る頑丈さはすごいですね。でも大したことなかったようですがバーレルも途中で少し痛めた様子を見せていたりもしましたし、メインセも頑丈とはいえなんとかケガだけはせずにシーズンが進んでほしいな、と思います。

○最後に

正味な話、勝てた試合だったよなあ、というのが素直な感想です。しかし細かなミスの数だけ点差になって表れてしまったような気がする本当にもったいない試合でした。

ただ全体的にみると、仙台のディフェンスは十分に機能していましたし、オフェンスも随所にいいプレイがあったのも確か。プレシーズンでの宇都宮戦は宇都宮がまだ仕上がっていないところがあって、少し値引いてみないといけないかな、とは思っていただけに、B1クラブに通用するディフェンスには自信をもっていいのではないでしょうか。

オフェンスではやはりターンオーバーを減らしていく必要がありますね(この試合仙台16、広島9)。パスの呼吸が合わなかったり、ボールをぽろっとこぼしたり、うかつなオフェンスファウルをしてしまったり、スローインで5秒とられたり、などそういった細かいミスをなくしていければな、と思います。あとFTももう少し精度よく決めていきたいですね。

そして試合終了後のこのシーン。みんなでハドルを組んでバーレルが何かを語りかけています。それを聞くみんなの表情も上を向き実に凛々しく、頼もしい。こういう時にしっかりチームをまとめてくれるバーレルが仙台に来てくれて本当に良かった。このシーンを見ていたら、仙台89ersはもっともっと強くなれる、そう思えました。

あと現地で黄援しておられた皆さん、さすがにあまりおられないかなと思っていましたが、結構黄色い方がいらしてクラップも画面越しによく聞こえておりまして、とても心強かったですよ。お疲れ様でした!

それではまた。

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