仙台89ers:2022-23シーズン 第12節(12/17,18 Home Game vs横浜BC at ゼビオアリーナ仙台)雑感
今節のプレビューはこちら。
◯試合前トピック
・小寺さん、イメチェン
眼窩骨折の治療も終えてエントリーに復帰している小寺ですが、千葉J戦からの中2日の短い間に大きくイメージチェンジ。
カーリーなヘアスタイルでお馴染みだった小寺ですが、この日披露したのはトーマスと同じコーンロースタイル。Game中は顔面を保護する「バットマン」マスク着用と相まって迫力が増した感じがしますね!
◯Game1(12/17 15:05 TO)仙台72横浜市BC53
Game1のスターターはこちら。
前節と同じメンバー。すっかりコンディションも戻ったであろう田中が前節千葉Jの富樫に勝るとも劣らないスピードとスキルを持つ河村への対策もあるのでしょう、今節もスターター入り。
横浜BCの方は、森川などがコロナ陽性によりエントリーなし、負傷していたアウダもベンチ入りはしながらもおそらくDNPで実質8名での闘いを強いられていますが、主力の河村、ジャクソン、オリバーが健在なあたりは手強さには変わりなさそう。
1Qは立ち上がりから双方オフェンスでリズムを作れず余りシュートが決まってこず3分悔過で3-4のロースコアな展開。トーマスの連続ポイントでリードを拡げますが、横浜BCも河村のさすがのスキルで差を詰めてきて均衡した展開は続きますが、横浜BCの3Pのタッチがよくないところで少し助かっているところはありそう。そのままどちらも決め手を欠いて15-15のイーブンで終了。
2Qは1Q終了間際にコートインした小寺がそのまま頭から入ってビッグラインアップを形成、ゾーンディフェンスを敷く仙台を横浜BCが攻めあぐねる中、小寺のさすがのアシストから2本連続ゴールを決めるなどいい形が出始めます。しかし仙台もそこから乗っていくわけでもなく、僅差の展開は継続しますが、ロースコアな展開は仙台の展開といえば展開でしょうか。前半は仙台が一歩前に出る形で31-26と5点リードで終了です。
前節のプレイぶりはチームとしての不調から少し持ち直してきた感があったわけですが、今Gameも持ち味のディフェンスはよく効いていて、横浜BCの得点を前半で26点ととどめているあたりはだいぶ復調してきているとみていいでしょうか。しかし、シュートのアテンプト自体は横浜BCが多いながらもアウトサイドシュートの精度が上がってこないところで助かっている部分もあるかもしれません。オフェンスのほうはインサイドアウトサイドバランスよくシュートが決まっているので、もう少し精度が上がれば一気に突き放すこともできそうな気配はあるのですが・・・。
後半に入ると横浜BCが河村のスコアリングなどでペースアップし差を縮めにかかりますが、仙台ディフェンスもよく我慢が出来ていて、逆転を許すことはないまでも1~2ポゼッションの僅差の展開が続きます。前半よりはトランジションが多い展開にはなりますが、双方要所でシュートが決まってこずに大きなランを作ることはなく、1点差を縮められて47-43と4点をリードしていますがまだまだどちらに転ぶかわからない展開が続きます。
4Qになるとここまでプレイタイムがなかった片岡がオンコート。この片岡の投入が大当たり。立ち上がりからお互いシュートをあまり決めきれない重たい展開かと思われた中、横浜BCに1点差に詰められたところから「ソルジャー」片岡のショータイムが始まります。ブースが外したシュートを見逃さずタップで押し込んでみせると、横浜BCのディフェンスをかき回すランニングからの3P、トランジションからのファストブレイクに持ち込み華麗なダブルクラッチで決めきるなどで一気に仙台へ流れを呼び込みます。OTO直前にはブースも3Pを沈めると今Game最大の12点差とリードを拡げることに成功。
OTO後も仙台の手は緩まず、ブースの3P、今Game珠玉の働き片岡の3Pなどで着実にリードを拡げて、最終的には72-53と19点のリードかつ今季最小失点での快勝となりました。
気になった選手:片岡
今季ここまであまりプレイタイムは多くなかったものの、常にベンチからコート上の選手たちを鼓舞し続けていた「ソルジャー」片岡でしたが、今Gameでオンファイヤー。4Qからコートに立つと、ほしいところでの3P、技アリのファストブレイクからのダブルクラッチなどおよそ9分間の出場で11得点の荒稼ぎ。それまで僅差となっていたGameから一気に仙台へ流れを引き寄せる大活躍でした。
その技アリダブルクラッチはこれ。
たとえ普段のプレイタイムが少なくとも準備を怠らず、一たびコートに上がれば決定的な仕事をしてみせる、まさにベテランの妙味を見せつけてくれました。そして片岡がファイヤーすると会場も普段以上に雰囲気がアガるんですよね。今後の活躍にも期待大です。
◯Game2(12/18 14:05 TO)仙台61横浜BC88
Game2のスターターはこちら。
Game1と同じメンバー。Game1での快勝の勢いをGame2へと繋げたいところ。
・・・でしたが、このGame2で起きた事象があまりにも衝撃が大きく、映像を見返そうと思うもやっぱり見返す気になれません。なので現地で見ていた時の感想で前半、後半と綴ります。
前半立ち上がりはGame1の流れそのままに、横浜BCのオフェンスをよくディフェンスできていました。しかし、Game1と比べるとアウトサイドのシュート精度が少し良くない。横浜BCはGame1からオフェンスの組み立てを変えてきていて、Game1ではあまりなかった川村-ジャクソンのピックアンドロールからインサイドに収斂させてウイングで待つオリバーに捌き、オリバーが外から決めてくる、という形が目立ちます。
潮目が変わったのは2QOTO後。同点で迎えたOTO明けは仙台のポゼッションでしたが、スローインミスからオリバーのスティールであっさりと逆転を許すと、その直後のポゼッションでシュートを決めきれない仙台をよそに、立ち上がりから何度も作られた形でオリバーに3Pを捩じ込まれるなどで差をグッと拡げられてしまいました。
後半もやはりシュート精度が上がらず追撃しきれずにいたところで、あのシーンがやってきます。
なんとか差を詰めようと渡辺がスティールからでしたでしょうか、スピードを活かしてファストブレイクに行ったところ、ディフェンスについていたキング開と交錯する形でリング下へもんどりうって倒れ込みます。首尾よくファウルドローンでFTゲット・・・と思っていたら、渡辺がまったく起き上がれません。会場も騒然としていましたが、タンカが運び込まれたりするうちに静まり返ってしまいました。最後は左足を全く動かせない形で車椅子に乗って渡辺は退場・・・。昨季に続く相当大きな負傷に見舞われたと思われる予想だにせぬ事態が起きてしまいました。
その後は半ば放心状態で観戦していたのですが、司令塔を欠く中必死に立ち向かう残された選手たちの気丈さには胸を熱くするばかりでした。しかし想いとは裏腹にやはりオフェンスについてはもはや組み立てが上手くいかず、渡辺が離脱した後からGame終了まではわずか15得点と追い上げもままなりません。ディフェンス面でもGame序盤から繰り返される河村-ジャクソンのピックアンドロールを止める術もなくし、最終的にはGame1での快勝の得点差を取り返される61-88という大差での敗北となってしまいました。
気になった選手:渡辺
Game翌日にクラブからリリースされた渡辺の診断結果は以下。
いやもう言葉になりません。アキレス腱断裂などではなかったものの、あの太くて丈夫な脛の骨が折れてしまっていたとは・・・。結果的には昨季の骨折より重傷となってしまい、渡辺にとってはまた大きな試練が課せられてしまいました。今季は残念ながらプレイする姿を見ることは難しそうですが、しっかり治してまたコートを駆け回る姿が見られることをファン・ブースター皆が信じています。そのためにもクラブ、選手、スタッフ、ファン・ブースターがさらに一枚岩となって強い仙台を作っていかなければ・・・。
◯最後に
渡辺の大けがという事態に直面し、気持ちとしては動揺を隠しきれなかったはずなのに、気丈にGameに臨み闘い続ける姿を見せる選手たちのプロとしての矜持は、すっかり観戦どころではなくなった我々の胸をも大きく揺さぶるものでした。小林も怪我で離脱中で本職PGがいなくなるという非常事態ではありますが、このクラブは、このチームは、この選手たちは、このファン・ブースターたちはきっと大丈夫。この苦難も一つになって乗り越えられるはず。
しかし現実に立ち返るとやはり本職PGがいないというのは厳しい台所事情なわけですが、小林復帰までの間はやはり岡田に期待したい。岡田はここまでやや伸び悩み気味で時折そのオフェンススキルの片鱗は見せるものの、B1の強度にまだまだアジャストしきれていないのは明白。しかしこの本職PGがいないという非常事態は岡田が一皮剥けるチャンスかもしれません。昨季も渡邊のケガを受けて神里(現熊本)がプレイタイムを増やしたことで大きく成長したのも記憶に新しいですし、岡田も必然的にプレイタイムが増えるはずなので、覚醒し本領発揮となればチームとしてもとても心強いことでしょう。
ケガ人発生や選手不足を嘆いてもシーズンは進みます。次節は12/24,25のちょうどクリスマスイブとクリスマスにAwayでSR渋谷との対戦。渋谷は前節対戦相手の群馬がコロナ陽性者多数発生に伴いGameは中止となっており休養は十分。現在リーグでも上位の得点力を誇るSR渋谷に今の手負いの仙台が対峙するのはいささか厳しい状況ではありますが、しっかり組み立て直して勝利を目指してほしいところ。PGを欠く中でどういう組み立てにしてくるかセオさんの手腕にも注目していきましょう。
それではまた。
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