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仙台89ers:2022-23シーズン 第12節(12/17,18 Home Game vs横浜BC at ゼビオアリーナ仙台)プレビュー

◯これまでの仙台

前節のレビューはこちら。

新潟戦大阪戦とこのところ低調な闘いに終始してしまっていた仙台89ers。そんな中でも連戦は続き、前節は東1位の強豪千葉Jが相手とあっては、Home Gameであっても厳しい闘いとなりそうなところ、一体どうなってしまうのかという不安は無かったといえば嘘になります。一方で、曲がりなりにもプロリーグの選手たちですから、少しでもメンタルを切り替えて矜持や意地を見せてほしいし、あわよくば大物喰いをしてみてほしいという期待もあるという、なんとも複雑な感覚の中での前節のGame観戦でした。

果たして結果としては実力差通りとも言える点差での敗北にはなってしまいましたが、ディフェンス面ではPGの小林を欠きながらも開幕当初のインテンシティにかなり近づいてきた感があり、自分たちのストロングとするものは何か、というところに短いインターバルの中で再確認できていたでしょうか。

オフェンス面でも不調さを引きずらずにインサイドアウトサイドともにバランスよく得点することができ、FG%は40%超、3P%も30%をしっかり超えることができていました。ただポゼッションした時のターンオーバーやバイオレーション、オフェンスファウルなどが非常に多いという今季ずっと付きまとう課題はまだまだ修正が必要。このGameではFG試投数で千葉Jを実に15本下回っており、ポイントアフターターンオーバーも仙台5千葉J22と大きな開きがあり、結局この分が点差となって現れてしまいました。

この細部での雑さ拙さについては、藤田HCが大阪戦の後で「信頼」というワードを口にしていましたが、日頃の練習やGameを通じてもっともっと互いの信頼度やケミストリーを高めて雑な部分を少なくし、チーム全体として闘っていければ勝利も自ずと近いてくるのではという気はしています。気がするだけ。

◯横浜ビーコルセアーズ

前節対戦の千葉Jとともに2011年にbjリーグへ参入。仙台キャプテンのバーレルがプロのキャリアをスタートさせたクラブ。bjリーグ参入2年目にはリーグ制覇を果たすなどするも、経営は厳しいものがあったらしくその後はやや低迷。しかしBリーグ発足時には当初厳しいかと思われたB1を横浜市の絶大なるバックアップやスポンサーの獲得などを得て滑り込みで参入が決定。Bリーグ参入後は中~下位からなかなか抜け出せず、残留プレイオフにしばしば顔を出すほどですがしぶとくB1に残り続けています。

しかし昨シーズン、特別指定選手として河村勇輝を獲得したことで状況は一変。この若きスター選手がチームを引っ張る形でチーム力は格段に向上、今期は中地区で現在白星先行の2位の位置にまでつけています。これはさすがに当初の予想を上回る成績。

メンバーはその河村がもちろん中心で、PGながらスコアではチームTOP、そしてアシスト数はリーグでもTOP。その非凡な才能をいかんなく発揮しています。各クラブもわかっていてもそのスピードやスキルを止めきれないあたり、千葉Jの富樫をも上回るかもしれません。

また昨季仙台に所属しオールラウンドな活躍でB1昇格に導く立役者の一人だったオリバーが移籍していて、今季もその明るい性格で横浜BCのムードメーカーかつオールラウンダーとしての活躍を見せています。昨オフにはフィアンセとめでたく結婚、異国の地で公私ともに順調といったところでしょうか。

そのほか、インサイドでは昨季広島でのインサイドの番人だったジャクソン、昨季の攻撃の中心だったアウダ、最近めきめきと成長を見せるキング開、日本人スコアラーの森川などがわきを固める布陣。

前節はコロナの陽性者が出てしまったり、アウダが負傷だったり河村がコンディション不良で欠場などロースター8人での闘いを余儀なくされ、三河に競り負けてしまいました。今節陽性者が戻ってこれるのか、河村のコンディションがどうなのか、というところです。

◯今節の展望

今季躍進を果たしているクラブの一つで、なんといっても河村の非凡な能力に引っ張られているところは多分にありそう。アシストで回りの得点をお膳立てすることはもちろん、自らもインサイドに切り込んだり3Pを決めたりと多彩なオフェンススキルで対峙する相手を翻弄しています。

前節コンディション不良で欠場していた河村が今節は戻ってくるとして、仙台としてはこのオフェンスの起点である河村をどう止めるかが最大のポイントでしょう。とはいえこれまで横浜BCと対戦してきた各クラブも同じことを思っていたでしょうがしてやられたクラブも多数。前節同じくスキルフルなPG富樫にあまり目立った仕事をさせなかったディフェンスを仙台は遂行したいところです。またかって知ったるオリバーも乗ってしまうと止められないので、ここも要注意ですし、ジャクソンのインサイドでの支配力も強力で脅威と言わざるを得ません。

オフェンス面ではシュート精度はやや持ち直してきたところはありますが、やはりオフェンス組み立て時のターンオーバーやいらないバイオレーションは少なくしないといけません。こちらはなんとか修正できているといいのですが。そして今節は特別指定加入の渡部のベンチ入りももしかしたらあるかもですが、もしその時はそのオフェンスセンスでもって新しい風を仙台に吹き込んでほしいものです。

前節は敗れたとはいえ、それまでの低調だった闘いぶりからは何とか脱却、今節以降の闘いに希望が持てるものでした。インテンシティ高いディフェンスという自分たちのストロングを連戦の中でもまずは徹底し、相手のスキをしっかりついたオフェンスで勝機を見出してほしいところです。そのためにはいつも書いていますが日本人選手の奮起・活躍がどうしても不可欠。ヒーローとなる選手の出現に期待しましょう。

それではまた。


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