現代アート小説 キタタミ #3「キタタミ編」
キタタミ
「イシガミさんが金沢の石畳を歩いているとき、木のかたまりと石畳が頭の中でぶつかって、キタタミが生まれたのさ」、ネコが言った。
「ひょえ~」、男の子は言った。「ねえ、そのとき、どんな音がしたの?」
「パチンって,はじける音が響いたのさ」、ネコは言った。「そう、その一瞬、頭と宇宙がつながったのさ」
「ひょえ~」、男の子は、空を見上げた。
ネコは、スギのキタタミの上で丸まっていた。やっぱり、スギのキタタミが一番やわらかい。くっきりとした年輪を見ていると、ガリガリと