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最も効果の高い説得術

今日のおすすめの一冊は、メンタリストDaiGo氏の『超影響力』(祥伝社)です。同名の「超影響力」という題でブログを書きました。

本書に心理学的に最も効果の高い説得術の1つとして「BYAF法」が紹介されていました。

「BYAF法」とは、「But You Are Free」の略で、日本語にすると「~ですが、あなたの自由です」となります。アメリカの西イリノイ大学が、説得術に関する研究から質が高い42件をまとめ、およそ2万2000人のデータのメタ分析をした結果、説得の効果を高める魔法の言葉として見いだしたのが、この「BYAF法」です。
たとえば、こんなふうに使います。◆レストランでメニューを決めるとき…。《本日のオススメは、魚料理みたいだね。どれにしようか?》 ◆恋人をデートに誘うとき…。《明日、〇〇に行かない?もちろん、自由に決めてくれていいけど》
西イリノイ大学の研究では、相手に説得したい内容を伝えたあと、最後の1行にBut You Are Free(~ですが、あなたの自由です)」のニュアンスを加えるだけで、話し手の望む「イエス」が返ってくる確率が2倍になったと報告されています。ポイントは、「最後に決めるのはあなたです」と相手の意思を尊重しつつ、こちらの要望も問いかけに含ませているところです。
人には、自己選択の自由を尊重されると提示された選択肢を試してみたくなる性質が備わっています。「〇〇をしてくれたらうれしいですけど、でも✕✕もあります。どうぞ、あなたの自由に」と言われると、「〇〇」を実行する、しないにかかわらず、少なくとも一度は「〇〇をする自分」を想像してしまうのです。
こうして相手に想像させることが、その後の自己選択に大きな影響を与えます。そして、本人が「自分で決めた」と信じていると、決定事項について「重要なことだ」と認識します。「BYAF法」が強い説得効果を発揮するのは、相手の想像力を呼び起こし、無意識に働きかけ、本人に「自分で決めた」という感覚を強く残すからです。
「人にものを教えることはできない。自ら気づく手助けができるだけだ」これは天文学の父と呼ばれるガリレオ・ガリレイが教え子たちに残した言葉ですが、人を動かすのがうまい人は、すなわち無意識を動かすのがうまい人なのです。 

「人を変えることはできない、変えることのできるのは自分だけ」、というのが心理学の基本セオリーです。「あれをしろ、これをしろ」という常時指図されたら、たいていの人はうんざりします。そして、しまいには反発してしまいます。なぜなら、自分の自主性がなくなるからです。

ただ我々は、相手に気づきを与えることはできます。そして、決定はあくまでも相手にゆだねるわけです。それが、結果的に相手に強要しない大人の説得術となります。

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