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運の使い方

今日のおすすめの一冊は、萩本欽一氏の『ダメなときほど運はたまる』(廣済堂新書)です。その中から「運は言葉で変化する」という題でブログを書きました。

本書の中に「運の使い方」という心に響く文章がありました。

学校を卒業するとか結婚するとか、子供になにかめでたいことがあったとき、親が過分な祝いをすると子供に不運がきます。ただでさえ僕の家族は、僕が一人ででっかい運をず~つと使ってるわけでしょ。才能もないのにテレビ番組が当っちゃったのは、生まれた子どもの運も僕が使ってたからじゃないの?

でも僕はまだまだつくりたい番組がいっぱいあったから、もっと運がほしかった。だから子どもたちにはいつもこう言ってました。「うちは俺が運を使って働いてるんだから、君たちには運はついてこないよ。だからいい大学に行ったりしないで、ごく平凡に暮らしておくれ」

素直ですよ、うちの子供たち。みんな僕の言うこと聞いて、すごく平凡な大人になってます。長男なんか大学に入って卒業もしましたけど、学生時代にアルバイトをしていたお弁当屋さんにそのまま就職しましたからね。すごくふつうで、なんにも運を使ってないでしょ?

この前、次男が結婚したんです。もちろんこういうときも僕はなんにもしない。ところが、お嫁さんのお父さんがとてもいい人でね、新婚の二人が住むおうちを買ってくれるって言うの。うちの奥さんはごくふつうの人だからあわてちゃって、僕にこう言いました。

「あなたはたくさんお金を持ってるんだから、本当はあなたがマンションでも買ってあげるべきじゃないの?」「えっ、そんなことしたら新婚の夫婦に不運がくるよ。なんで親が子供の運を奪うようなことをしなくっちゃいけないんだよ」

奥さんはさらにこう言ってきましたね。「信じられない!それ、世間的に見ておかしいでしょ!なんでこういうときにお金を出さないの?ケチだと思われるわよ!」うちはいつもこういう会話になっちゃう。奥さんに運の話をしても通じないんです。

「向こうのお父さんが出してくれるお金は、一生懸命働いてつくったお金だと思うから、不運はついてこない気がする。でも俺のように『なんでそ~なるの!』って飛び跳ねただけでもらったお金で買ったマンションに住んだら、息子たちにひどいことが起こるよ」と奥さんに説明したかったけど、こういう話をすると決まって「あんたの話はわけがわかんなくて頭が痛くなってくる」と言われるだけだから、そのときは援助しない理由をこう説明したの。

「向こうのお父さんは、息子たちの門出にやさしさで援助してくれた。俺はいつか息子たちが困ったときにお金を出す用意をしている。ケチで出さないんじゃなく、そのときの順番を待ってるんだから」

これでも奥さんには通じませんでしたね。「わかんない!あなたにはお嫁さんのお父さんのようなやさしさがぜんぜんないのね。用意があるなら今出してよ!」ふつうでしょ、うちの奥さん。家族のなかで一人飛びぬけて大きな運を使う人がいると、ほかの家族に不運がきます。

大金持ちや、スターの子供がグレてしまったり、お金を浪費し貧乏になってしまったりする話はよく聞く。これは、一部の資産家だけの話ではない。一般の家庭でも、甘やかし、しつけもせず、ぬるま湯のような環境で子供を育てると、同じ状態になる。

欽ちゃんは、こういう。

なにかちょっとでもつらいこと、苦労することがやってきたとき、確実に運はたまっていきます。ところがたいていの人は、その運をつまらないことで使っちゃう。たとえば、仕事場で上司に注意されたら、その瞬間にちょっとたまってるのね。でもそのとき上司に腹を立てて、「くそっ、今日は飲んで帰るぞ」なんてことをすると、注意されたときにたまった運は消えちゃいます。しかも、のんでるあいだ同僚にぐちぐち言ってたりすると、運はよりマイナスになるんです

「勢い、使い尽くすべからず」という禅語がある。人間は調子に乗りやすいものだが、実は絶好調の時に、不運の種がまかれているという。勢いとは、運のことであり、ツイていることだが、調子がいいときこそ、言動や行動を慎み、謙虚でなければならない。

「ダメなときほど運はたまる」

ダメなときにも、グチや不満を言わず、運を大切にして生きたい。

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