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誰でもメディアを持てる時代

今日のおすすめの一冊は、ちきりん氏の『ゆるく考えよう』(文庫ぎんが堂)です。その中から『自分の「何か」を伝える』という題でブログを書きました。

明治大学教授、齋藤孝氏は「アウトプット」についてこう語っています。

インターネットが普及する以前は、個人が世の中に情報発信をするのは難しいことでした。情報発信できたのは、「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」などのマスメディアと、そのメディアから認められた一部の文化人、知識人、有識者だけでした。
インターネットの時代は、誰でもメディアを持つことが可能です。ホームページ、ブログ、SNS、YouTubeなどを通じて、全世界の人間が情報発信できるようになっています。市井(しせい)の人が、これほど多くのメディア(アウトプットの手段)を手にしたのは、人類史上初めてのことです。
「学んだ知識を役立てることができない」「本を読んでもすぐに忘れてしまう」「情報に振り回される」など、インプットした知識を使いこなすことができないとしたら、その原因のひとつは、「アウトプットの回路ができていない」ことです。インプットとアウトプットは、ふたつでひとつのセットです。情報をインプットしたら、実践につなげる。「読む、書く(描く)、話す」ことによって、情報は血肉に変わります。
頭の中に価値のある知識、知恵、ノウハウが入っていても、それを実際に活用しなければ、持っていないのと同じです。私は「本によって人生を切り開いた」と言い切れるほど、読書が好きです。読書の最大の面白さは、仕入れた知識をアプトプットすることにあります。アウトプットの必要性がないインプットは記憶に残りにくいため、アウトプットを想定してインプットするのが基本です。
「せっかくインプットしたのだから、いつかアウトプットしよう」ではなく、「アウトプットしなければいけない」という強制力を働かせる。「アウトプットする必要があるから、インプットしよう」と考えたほうが、学習の精度は上がります。学習のサイクルはアウトプットが起点です。「必要は発明の母」という諺(ことわざ)があるように、不足や不自由さを克服したいという必要性を感じるからこそ、発明は生まれます。勉強も発明と同じであり、「必要は勉強の母」です。(知的生産力/CCCメディアハウス)

現代は、有史以来、一般人が初めて世界に向けて発信するツールを手に入れた時代です。しかし、今は、まだ「自分のことを発信するのは怖い」とか「時間がとられて面倒」、「そんなことに気を使いたくない」、「何の役に立つかわからない」等々で、発信しない人は多くいます。ですが、Z世代(1997年以前に生まれた世代)では、SNSとモバイルは空気のように当たり前になっています。

これからは、発信なくしては会社も個人も、誰にも認知されない時代です。それは、その会社はどういう会社なのか、その人はどんな人なのか、あそこのお店の営業時間は、等々、「検索」という行動があたりまえになってしまったからです。何か商品を買うとき、検索しても何もひっかからなかったらその商品を買う人はいません。誰かに講師を頼もうと思っても、その人の連絡先やプロフィールがなければ、どこに頼んでいいかわかりません。

だからこそ、ますます「自分を発信する」ことが大事になってきます。名刺をいくら配っても、検索ではひっかからないですから。

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