自分に「ポジティブな暗示」をかける
今日のおすすめの一冊は、内藤誼人(よしひと)氏の『いちいち気にしない心が手に入る本』(王様文庫)です。その中から『「ワクワクしてきたぞ」とあえて口に出す』という題でブログを書きました。
本書の中に『自分に「ポジティブな暗示」をかける』 という本日のブログにも通じる文章がありました。
自分に向かってする「言葉かけ」のことを「セルフトーク」というと書きましたが、これには、「動機づけセルフトーク」「手続き的セルフトーク」 の2つがあります。 そして、心理学的に見て、よりポジティブな効果が期待できるのは、「動機づけセルフトーク」のほうです。
「動機づけセルフトーク」とは、 「できる!」「よくやった!」「この調子でいこう!」 など、勇気づけられるような言葉を自分にかけるというもの。 学校の先生が生徒をホメるときの言葉かけと同じですね。
一方、「手続き的セルフトーク」は、「操作的セルフトーク」ともいわれます。 たとえば、これから人に会うとします。そのときに、「きちんとヒゲをそったか」 「身だしなみはおかしくないか」 「口臭にも気をつけているか」 など、自分の行動に対して点呼するような言葉をかけるのが「手続き的セルフ トーク」です。
この2つのセルフトークのうち、やる気を高めるときには、「動機づけセルフ トーク」のほうがよいことは、英国バンガー大学のジェームズ・ハーディによっ て確認されています。 ハーディは、ゲーリック・フットボール(アイルランド発祥の手足を使うサッ カー)の選手の協力を得て、フリーキックを2回してもらいました。
その半数には、動機づけセルフトークのやり方を教え、キックする前に「よー し、いくぞ!」といった声かけをさせました。 残りの半数には、手続き的セルフトークのやり方を教えて、「目標よーし、角 度よーし、踏み込みよーし」といったセルフトークをさせました。
すると、フリーキックに成功する回数が多かったのは、動機づけセルフトーク をしたほうでした。 確認作業を行なうようなセルフトークも、効果がありそうな気がしないでもないのですが、実は「動機づけセルフトーク」のほうがよいのです。
自分に対して何か言葉をかけるときには、自分を意欲的にさせるような言葉を 選ぶこと。セリフは何でもいいと思いますが、「お前は最高だ!」「きっと、うまくやれる!」「お前ほど、カッコいい人間はいない!」 といった気分が盛り上がる“威勢のいいセリフ”を自分なりに決めておくとい いでしょう。
「気分が盛り上がる言葉」の反対は「気分が盛り下がる言葉」です。それが、人の悪口や、批判、非難、グチや泣き言、不平不満、文句などです。そして、それらはすべて「否定的」な言葉です。
特に昨今はSNSで簡単に発信できてしまいますから、ちょっとしたグチや泣き言も発信してしまいます。そしてほとんどの人が、始末の悪いことに本人はネガティブな発信をしていると気づいていないことです。自分では「ただの意見」であり、「皆を代弁して怒ってやっている」とか「正義感にかられて正しいことを言っている」といったぐあいです。
人に発信するということは、「自分にもネガティブな暗示をかけている」と同じことです。どんなときも、人にも自分にもポジティブな暗示をかける人でありたいです。
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