成功するまで続けられるかどうか
今日のおすすめの一冊は、田口一成氏の『9割の社会問題はビジネスで解決できる』(PHP)です。ブログも同名の「9割の社会問題はビジネスで解決できる」として書きました。
本書の中に「成功するまで続けられるかどうか」という心に響く文章があったのでシェアしました。
毎週何件もボーダレスグループで起業したいというエントリーが寄せられますが、ビジネスモデルの良し悪しは見ていません。それは、あとでどうにでもなるからです。 僕たちが社会起業家に見ているのは、本気で人生をかけてその社会問題を解決する覚悟があるかどうか。
それは個人的な「夢」ではなく、社会のためにから始まった「志」かどうかです。 みんな「社会のためにやりたい」と同じ言葉を使いますが、それが個人的な範囲の個人的な夢であれば、努力の仕方もそれ相応にしかなりません。 一方、社会のために自分は何ができるか、から始まる人はそこにかける意気込みも努力の仕方も違ってきます。
個人的な夢ではなく、みんなが応援したいと思う「みんなの夢=志」 になります。その志は、みんなで切磋琢磨し高め合う環境を求めています。そういう志を持った人にとってボーダレスグループは最適な環境だと思います。
その志が表れてくるのが「ソーシャルコンセプト」です。ソーシャルコンセプトについて簡単に言うと、「誰のどんな社会問題を解決して、どのような社会を実現したいのか」ということです。
ソーシャルビジネスは、社会変革を起こすための手段であって、ビジネスそのものが目的ではありません。事業が成功するかどうかは、起業家本人がつくりたい社会像が明確か、そして本気でその理想の社会を実現したいと思っているか、にかかっています。 ですから、大切なのは志であって、その時点で持ち込まれるビジネスプランの精度は問題ではありません。
志がしっかりしていて、そこに行動が伴っていれば、たとえ本人のビジネス経験が浅くてもいい。 ビジネス知見の豊富なスタートアップスタジオ、バックアップスタジオ、そしてグループ社長たちみんなでサポートしていけばいいのです。
事業が成功するために一番大切なことは、成功するまで続けられるかどうかです。続けていれば、事業はいつか必ず成功します。 事業の立ち上げ期は、とにかく予定通りにはいかないものです。まったく芽が出ない時期がしばらく続きます。起業家の心はくじけそうになります。そこであきらめてしまうか、それでも粘り強く続けられるか、そこが分かれ道です。
だからこそ、自分が儲かればいいと始めたビジネスは、厳しい局面でやめてしまう。儲かると思ったから始めたのに、儲からないならやる必要はありません。起業の成功確率が低い原因はここにもあります。
一方、この社会問題をなんとしても解決するんだ、という志で始めたものは、どんなに苦しい局面でもなんとか続けようとする。それが真の社会起業家の姿であり、社会問題解決の ためのソーシャルビジネス特有の強さでもあります。
ソーシャルビジネスだけでなく、多くのビジネスでもそれは同じです。ただ単に、儲かればいいとか、規模を拡大したいという、個人の欲望を満足させるような気持だけでビジネスを立ち上げた人はたいてい失敗します。利己の心しかないからです。
しかし、その起業の目的が、なんとしかして、誰かを助けたいとか、お客様の不便を解決したいという利他の心がそこにあるなら、そこには強い「志」が発生します。これもある面でいうなら、立派な社会問題の解決です。まさに、世のため人のため、という心です。
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