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自らが教える時に最もよく学ぶ

今日のおすすめの一冊は、西村克己氏の「1分間ドラッカー」(SB Creative)です。その中から「人は優れているほど多くの間違いをおかす」という題でブログを書きました。

本書の中に「自らが教える時に最もよく学ぶ」という素敵な文章がありました。

《知識労働者は自らが教える時に最もよく学ぶ。》(プロフェッショナルの条件)
ドラッカーは、情報化時代の組織は「学ぶ組織」であると同時に「教える組織」にならなければならない、という。 生産性向上のためには、過去に学んだ知識や技能だけを頼りにするのではなく、絶えざる継続学習によって、新たに入れ替えたり、さらにうまく、よりよく行えるように磨き、訓練し続けることが必要になるのだが、学ぶ上で最も効果的な方法の一つが、教えることである。
たとえば営業マンが、営業マンの大会で自分の成功の秘訣を語る。 そうすることで、自分の経験を客観化、体系化し、磨くことができる。 外科医は地域の医者の集まりで自分の仕事について語り、看護師は新人の看護師に仕事を教えることで、さらなる成果をあげていくことができる。
日本でも、たとえば企業内研修の講師役を務めた人の多くは、こんな感想を持つ。 「人に教えることは、人から教えられることにもなります。だから、講師をやってよかったし、いい勉強になりました」と。 後輩を指導することで、講師は基本に戻って知識を確実なものとしたり、それだけでなく、後輩の相談に乗ることで、たくさんのことに気づき、それが成長につながっていく、という。
昔の徒弟社会では、師匠は「隠す人」だった。 弟子はそれを盗むしかなかった。 現代では、「語る人」が伸びる人である。

《人は教えることによって、もっともよく学ぶ》 と言ったのは、セネカ ルキウス・アンナエウス・セネカ(紀元前1年頃 ~ 65年 4月)で、ローマ帝国の政治家、哲学者、詩人です。 古来より、人に自分の技術や成功体験を包み隠さず教える人は、自らがもっとも学ぶ人となり、人から尊敬され感謝される魅力あふれる人となります。

逆に、自分の知った知識をケチケチして出し惜しみする人は、自分の成長も止まるし、ケチくさい魅力のない人となります。

戦後の話ですが、ある貧しい母子家庭がありました。 無学な母親は、娘が学校から帰ってくると、夜、針仕事をしながら、今日学んだことを必ず聞いたといいます。 「お母さんは貧乏で勉強ができなかったから、学校であったことを教えてね」と。 すると、娘は母親に教えるために、必死になって勉強し、小学校を卒業する頃には、学校で一番となり、ついには最高学府でもトップになったといいます。

「人は、自らが教える時に最もよく学ぶ」という言葉を胸に刻みたいと思います。

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