今日のおすすめの一冊は、山元正博氏の『発酵はすごい!』(ポプラ社)です。今日は同名の題「発酵はすごい!」でブログを書きました。
本書の中にこんな興味深い話がありました。
私が麹の力で特にすごいな、と驚嘆しているのは、農薬の成分や放射能をデトックスする力を持っている点です。放射能に関しては、麹単体というだけでなく、発酵食品が力を発揮するということが、過去にも言われています。長崎に原爆が落ちた時、秋月辰一郎さんという医師が、被ばくした人に梅干し入りのおにぎりとかぼちゃの味噌汁を作り、職員や入院患者に毎日与えたら、そこの職員には何十年も原爆症がでなかった、これは有名な話です。
また私醸造試験場の方から聞いた話ですが、広島でも原爆が落ちた時、お酒屋さんたちが、「どうやら俺たちは放射能を浴びているから死ぬらしい、もはやこれまでだ」と蔵中のお酒を集めて皆でガンガン飲みました。そうしたらその人たちには原爆症がでなかったそうです。私も醸造試験場に入った時に、最初に「もし被ばくしたら、死ぬほど酒を飲みなさい」と言われました。チェルノブイリの事故の際にも似たような話があるんですよ。
マウスで驚くような実験結果もあります。広島大学の名誉教授、渡邊敦光先生が「Ⓐ普通のエサ」「Ⓑ食塩入りのエサ」「Ⓒ味噌入りのエサ」をマウスに与え、そのあと放射線を照射するという実験を行いました。結果「Ⓒ味噌入りのエサ」を与えたマウスが、最も小腸の細胞の再生率が高かったのです。
農薬と麹の関連に関しては、すでに私たちの実験で結果が出ています。我々のパートナー鹿児島大学の林国興教授との研究では、フタル酸エステルが原因となり、男性の女性化現象、睾丸が小さくなるということを確認しました。フタル酸というのは、よく「環境ホルモン」などと呼ばれている化学物質ですね。農薬=フタル酸エステル、というわけではないのですが、研究の結果、除草剤をもとにして、稲がフタル酸エステルを作ることがわかっています。
また、畑や田んぼの土が無農薬だとしても、マルチ栽培で使うビニールにもフタル酸エステルは含まれています。これでは完全に避けるのは不可能に近い。ところが、実は我々の作る麹は、フタル酸を分解するのです。その結果が出ています。無農薬の野菜やお米を選ぶことは良いことですが、それでも農薬を一ミクロンも身体に入れないというのは現代では不可能です。
それならそこで、さらに麹を食べることで、身体に害をなす成分をデトックスしていく。それが賢い健康管理だと思うのです。食べるだけで放射能と農薬をデトックスできる。それだけでも驚きで嬉しい働きなのですが、麹はまだまだポテンシャルを秘めています。
1000年以上続いている日本古来の麹の力。和食の調味料(味噌・醤油・酢・みりん)にも、日本酒にも焼酎にも甘酒にも、漬物にも、麹が使われています。身近にある日本古来の食品を見直し、麹の力を再確認したいと思います。
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