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誰かを応援する

今日のおすすめの一冊は、伊藤裕氏の『ほっこり』(クロスメディア・パブリッシング)です。その中から『「ほっこり」しよう!』という題でブログを書きました。

本書の中に「誰かを応援する」という興味深い文章がありました。

人のためになる......というと、なにか聖人君主のような立派な人を思い浮かべるかもしれませんが、決してたいそうなことではなく、小さなことでいいのです。 たとえば、好きなスターやスポーツ選手など、「推し」を応援するといったことでもいいのです。 

実際にあったことですが、認知症になって老人保健施設に入所したおばあさんが、 施設でJリーグの試合を見ておもしろくなり、やがて好きな選手ができて応援するようになったところ、みるみる元気になり、コミュニケーションもできるようになったそうです。

「わたしが応援してあげている」という気持ちの背景には、自分が「外の世界」 に対して、何かはたらきかけをしている、わたしが応援していることで、もしかして、あの人はがんばれるかもしれない......そんな気持ちが、自分のポジティブな役割を見出すことにつながり、元気がわいてくるのでしょう。 

元気にプレーする、推しの選手の活躍の姿に、実際にはかなわない自分の躍動する姿を重ねているのかもしれません。その前向きな気持ちが、おばあさんに再び、生きる強さをもたらしました。 

「ほっこり感」は、自分の小さく、凝り固まった世界が大きくふくらむ気持ちだと、お話ししてきました。 他の人を応援することで、その人を包んでいるような気持ちになります。応援する人も含めて「自分」になります。それが、「つながる感覚」です。こうして、自分の 世界が大きくなって「ほっこり」します。

犬や猫などのペットを飼ったり、植物を育てたりすることも、「ほっこり」の気持ちが高まるという。これも「誰かを応援する」と同じで、「関わったり」「つながったりする」感覚だ。

外の世界と関りあいの少ない環境だと、どんどん孤独になってくる。しかし、そこに少しでも「つながる感覚」を持つことにより、自分は一人ではない、と世界が広がり、「ほっこり」する。「誰かを応援する」という気持ちを忘れない人でありたい。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


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