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淘汰されるところ、伸びるところ

今日のおすすめの一冊は、山本康正氏の『2025年を制覇する破壊的企業』(SB新書)です。ブログも同名の「2025年を制覇する破壊的企業」で書きました。

本書の中で「中間業者は淘汰される」という文章をシェアしたいと思います。

各種代理店業や自動車ディーラー、ライセンスベンダーや営業会社などは、一部サポートサービスが残る程度で、未来の世界では必要とされなくなる可能性があります。伝統的な企業では、この中間業者が非常に多い、さらに言えば、それなりに力もあるため、無くそうと思ってもできない。ある大手損保会社ではオンラインサービスへの移行ができていないとの現状もあります。
自動車業界も同じです。企業の規模が大きければ大きいほど、ディーラーに限らず、大きな修理工場のような機能を抱えている場合もあるでしょう。これらのアセット(資産、経営資源)が、新たなサービスを展開する際の足かせとなることがあります。現に、これらの中間業者が存在しないテスラが、業界を淘汰し始めていることが何よりの証しです。
また、資本があることはもう強みではありません。企業がビジネスを進めていく上で必要な要素が8つあります。顧客、ブランド、流通チャンネル、業界の知見、ロジスティックス、サプライチェーン、ITインフラ、そしてお金です。以前であれば、お金やロジスティクス、サプライチェーン、ITインフラといった要素は、大資本の企業しか持つことができない要素であったため、同要素に依存するビジネスにおいては、ベンチャーが大企業に勝つことは難しい状況でした。
しかし今では、顧客とブランド以外の要素は、アウトソーシングできるようになりました。つまり力の象徴であった大企業、大資本という要素は、絶対的な強みではなくなったのです。そしてこのような時代の変化を理解している優秀な人材は、特に大企業を選ぶメリットがありませんから、ベンチャーを選ぶようにもなっています。
逆にベンチャーであれば、新しい開発手法や尖ったブランディングなど、メリットが多いと感じるのも理由でしょう。普通チャンネルであれば、アマゾンやフェイスブックが使えます。業界の知見においても、マシーンラーニングやディープラーニングといった人工知能で学習した知見が、簡単に手に入るようになりました。
ロジスティクス、サプライチェーン、ITインフラも同じです。いま世の中にあるベストなサービスやインフラを、ベンチャーに限らず中小企業などでも、お金さえ払えば利用できます。クラウドがいい例です。大企業がアマゾンのクラウドを利用する場合と、従業員10名の中小企業が同じく利用する場合。使用量、金額の差はあるでしょうが、使用するクラウドは基本的には同じです。
以前は大企業の強みであった規模や資本が、足かせになっている時代でもあると言えます。たとえばいわゆる大企業では、どれだけの人が働いているでしょうか。業種に限らず、数万人、中には数十万という規模のグローバル企業も少なくありません。それだけ多くの従業員が働く企業であれば、オフィスや顧客とのタッチポイントとなる事業所も、全国各地にあることでしょう。
その結果、何かあった際に素早く動こうと思っても、動けない状況になってしまっている。何万人規模の従業員をすぐに解雇することなど、不可能です。例えるならば、大企業のビジネスは、タンクローリー、トラックを運転しているようなものです。一方、ベンチャーはロケットのようです。乗っている人数は少ないけれど、とにかく早い、ピボットも正確に行える。小さいことが逆に有利に働くのが、不確実性の高い現代ならではの特徴です。プログラミングの開発手法がウオーターフォールからアジャイルに変わったのも、まさに今の時代を象徴していると言えます。

ピボットとはバスケットボールなどで、軸足を中心にした回転のことを言いますが、ビジネスでは、急な方向転換や路線変更のことを言います。また、ウオーターフォールとはシステム開発で、上から下へという流れのことを言い、各工程でOKが出たら次の工程へ進むというように進めるため、変化に弱いと言われています。アジャイルとは、「素早い」とか「俊敏」という意味で、短期でやる開発のことで、トライアンドエラーを恐れずに進むやり方をいいます。

次々と、新しい考え方や手法そして、先端企業が出現している今、我々も常に勉強し、あらたな知識や情報を手に入れる必要があります。変化が好きな人には、メチャクチャ面白い時代になってきました。

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