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ピッチと一挨一拶

今日のおすすめの一冊は、『Pitch 世界を変える提案のメソッド』(インプレス)です。その中から「ピッチとは何か?」という題名で書いてみました。

ピッチというのは、言ってみればプレゼンの進化系というか、もっと強烈なものだと思っていますが、これは大昔から「誰かを瞬間で説得するとき」や、「大きく事態を変化させようとするとき」に必要なものでした。

アップルの社長を探していたスティーブジョブズは、当時ペプシコーラの社長を務めていたジョン・スカリー氏に目を付けました。相手はジョブズ氏よりも16才も年上。18か月の交渉の末、こういって口説いたのです。「残りの一生を砂糖水を売って過ごしたいのか、それとも世界を変えるチャンスを手にしたいのか」と。その一言で、スカリー氏は当時、苦境にあえいでいたアップルに転身しました。

「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持ちなさい」という、第16代アメリカ大統領であったリンカーンの有名な言葉があります。ある支援者の一人が、「この男を使ったらどうか?」と閣僚に推薦してきました。しかし、リンカーンは彼と会ったが、採用しませんでした。後で、なぜ彼を採用しないのか、と支援者から詰問されたとき答えたのが、「顔が悪すぎる。40歳を過ぎたら自分の顔に…」というこの言葉です。人間、40歳も過ぎれば、その人の品性や知性や、考え方がそっくり顔に表れます。ピッチとはちょっと違いますが、その一言でうなってしまうような名言です。

ピッチとはちょっと違いますが、本質的なところで少し似ていると思うのが、「挨拶」です。挨拶とは、元々は禅の言葉です。「一挨一拶」(いちあい いっさつ)といいます。「挨」は近づき迫ることであり、「拶」は切り込んでいくことです。本来は、問答によって、厳しく迫り、切り込んで、相手の力量をはかる真剣勝負のことをいいます。だから、フニャフニャした形ばかりの礼は、挨拶とは言わないのです。

ピッチも真剣勝負です。スタートアップした人が資金を出してもらえないと、どんなにいいアイデアであっても、努力をしたとしても、途中で計画はすべて頓挫(とんざ)してしまうからです。だからこそ相手を動かそうと、真剣になります。

ピッチと少し関係ない話を書いてしまいましたが、今こそ、人を説得したり、気持ちを変えてもらう技術が必要なときはありません。これはオンラインでもオフラインでも同じです。

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https://ameblo.jp/hiroo117/entry-12618481251.html

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