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身体の柔軟性が健康のコツ

今日のおすすめの一冊は、渡部昇一氏の『60歳からの人生を楽しむ技術』(祥伝社黄金文庫)です。その中から「人生は、たくさん覚えているほど豊かになる」という題でブログを書きました。

本書の中に「身体の柔軟性が健康のコツ」という興味深い文章がありました。

現在、私は自分の身体で一つだけ自慢できることがあります。それは、非常に身体が柔らかいことで、相撲で言う「股割(またわり)」ができます。腰を下ろして脚を約 一八〇度開き、上体を前に倒すと、床にペタッと臍(へそ)が着きます。 

これは真向法(まっこうほう)という柔軟体操の成果ですが、今、私が健康を維持していられるのは、この真向法のおかげが大きいと思っています。 

私が真向法を知ったのは、今から三〇年ほど前のこと。余暇開発センター (現在は消滅)で行なわれた講習会に参加した時でした。当時、私は四十代後 半で、自分では体力の衰えなど感じていませんでした。ところが「脚を開いて上体を前に倒してみてください」と言われて、やってみたら、全然ダメなのです。

上体を倒すどころか、脚さえ九〇度より少し開く程度、一八〇度なんて、と んでもありません。自分の身体が柔らかいとは思っていませんでしたが、こんなに硬かったのかと愕然としました。

 少し気合を入れてやり始めたのは六〇歳を過ぎてからです。きっかけになったのは、当時、東大の土木工学の樋口芳朗教授が、偶然にも「真向法は杭を打つ要領だよ」と教えてくれたことでした。

試しにとばかり、杭打ちのように小刻みに動かしてみると、少しずつ深く曲がるようになるのが実感できました。以来、風呂上がりなどに毎日やって二〇年近く、今では完全に脚が一八〇度 近く開き、臍から顎まで床に着けられます。 

真向法は昭和八年頃、福井県の長井津という人が創案しました。この方は明治二十二年にお寺の五男に生まれたのですが、四二歳の時、脳溢血で倒れ、半身不随になってしまいました。 そして、闘病生活中に読んだ仏典の礼拝方法にヒントを得て「身体を柔軟にする方法」を考案したのです。

これを続けること三年、長井氏はセルフ・リハ ビリテーションに成功し、健康体を取り戻したそうです。 

真向法には、四つの動作しかありませんので、概略を示しておきます。
1.床にお尻をつけて座り、膝を曲げて股を開く。股間で両足の裏を合わせる。そのまま上体の前屈と起き上がりを繰り返す。 
2.両足を真っ直ぐ伸ばして座り、上体の前屈と起き上がりを繰り返す。
3.脚を左右にできるだけ開き、上体の前屈と起き上がりを繰り返す。
4.正座して両膝を付け、上体を後ろに倒す。

 基本動作はこれだけです。動作を行なう時は腹式呼吸で、ゆっくり息を吐くようにします。また、身体を曲げる時は息を吐きながら行なうようにします。風呂上がりに毎日やれば、半年もしないうちに身体が柔らかく なったのを実感し、ギックリ腰の恐怖からも解放されるでしょう。 

加齢と共に身体が硬くなるのを、仕方のないことだと諦めてはいけません。 六〇歳を過ぎてからでも、コツコツ訓練すれば柔軟になれます。 記憶力を鍛えることができるのと同じで、身体も動かし続ければ、これまで以上に動くようになります。

真向法の目的はアンチエイジングだという。真向法は股関節を中心に周辺の筋肉をストレッチし、股関節や骨盤を積極的に動かすことにより、身体の新陳代謝を高めるという。

身体の柔軟性を高め、健康生活を手に入れたい。

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