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礼節ある人は出世が早い

今日のおすすめの一冊は、クリスティーン・ボラス氏の『「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』(東洋経済新報社)です。その中から、「礼儀正しくふるまうこと」という題でブログを書きました。

本書の中に「礼節ある人は出世が早い」という素敵な文章がありました。

礼節ある人は出世が早い。 仕事で優れた業績をあげる可能性が高い。 本当だろうか、と疑う人もいるだろうが、間違いなくそうだと断言できる。 いくつかの例を紹介しよう。 
《仕事が得やすい》 まず言えるのは、礼節ある人には「声がかかりやすい」ということである。 何かを一緒にやろうと誘われる機会が多い。 考えてみてほしい。 あなたが仕事中、同僚に何かを手伝ってもらう必要が生じたとき、声をかけるのはどういう人だろうか。 いつも親切で愛想の良い人だろうか。 それとも、より有能だが、態度が大きくて無礼な人だろうか。 
職場での人間関係について1万人以上を対象に行われたアンケート調査ではこういう結果が出た。 協力を頼む同僚を選ぶ時は、自らに「この人と働くと楽しいだろうか」と問いかける人の方が、「この人は、手伝ってもらう仕事に詳しいだろうか」と問いかける人よりも多い。
つまり、他人に優しく接している人、気分の良い接し方をしている人の方が、声がかかりやすいということだ。 人に何かを頼まれる機会が多ければ、能力を証明する機会も多くなるし、良い評判も広まりやすくなる。 そしてますます、選ばれる機会が増えていく。
《幅広い人脈が築ける》 礼節ある人はそうではない人よりも、たやすく大きな人的ネットワークを築くことができる。 ネットワークが大きくなればそこに有能な人が含まれている可能性も高まるだろう。 ソーシャルメディアなども発達した現代では、自ら積極的に動き回って大規模な人的ネットワークを築こうとする人も多い。 ただし、熱心なだけではネットワークはなかなか広がらない。 それに加えて、その人に礼節がなければ周囲に人は集まってこないだろう。
コンピュータのネットワークでの人間関係においても、礼節が重要な意味を持つと感じている人は多い。 礼節ある人は、発想、情報、人をつなぐ役割を果たすことができる。 またネットワークの恩恵、利益を誰より多く享受するのも礼節ある人自身である。 反対に、無礼な人には、ネットワークからの利益がもたらされることは少ない。
《出世の可能性が高まる》 礼節ある態度の利点はそれだけではない。 もしあなたが企業の中でリーダーの地位まで上りつめたいと願うのなら、周囲の人たちにその地位にふさわしい人だと思ってもらう必要がある。 私がサリー大学とロス・アンデス大学とともに実施した調査では、一般に礼節ある(他人の尊厳を認め、誰に対しても敬意ある礼儀正しい接し方をする)人ほど「リーダーにふさわしい」とみなされやすいという結果が得られている。
また企業内での業績も約13パーセント、礼節ある人の方が高いというデータもある。 自分が礼節ある人間であるという証拠を見せると、周囲の人に有能なリーダーと思われやすくなるということもわかっている。 世界各地の合計2万人の会社員を対象に実施した調査でも、「敬意ある態度で人に接する」ということが、リーダーが皆の忠誠心を勝ち得る上で何より重要だとわかった。
同種の69の調査結果をまとめて分析した研究者によれば、今、望ましいとされるリーダー像は昔とは違ってきているという。 今、望ましいとされるリーダーは、「気配り」「優しさ」「思いやり」など従来「女性的」とされてきた資質を持った人らしい。 礼節ある態度とはたとえば、人に感謝する、人の話をよく聞く、わからないことは謙虚に人に尋ねる、他人の良さを認める、成果を独り占めせずに分かち合う、笑顔を絶やさない、といったことを指す。 こうした態度は業績の向上にも役立つ。 反対に、無礼な態度は、仕事で成果をあげる上で足枷になってしまう。
最近、政治の世界でシビリティ(Civility)という表現が良く使われ、トランプ政権以来、この言葉は頻繁に利用されるようになりました。 簡単に言えば、政敵に対しても礼儀、尊敬および丁寧な言動を意味しますが、米国でのシビリティの観念は歴史的に古いといいます。 顕著な政治的紛争が続いている状況下で、心理学者は、米国がシビリティ.クライセス(Civility Crisis: 礼儀の危機)に直面していると指摘している。(By ABC News)

「CIVILITY(シビリティ)とは礼節とか礼儀正しさのことです。 礼節は礼節を生み、無礼は無礼を呼びます。日本の武道では、負けた相手に敬意を表すのが作法となっています。だから、勝ってもガッツポーズなど、もってのほかです。「勝っておごらず、負けてくさらず」ですね。

本の題名の通り、「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略だと思います。

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