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自分の話をしない

きょうのおすすめの一冊は、中村淳彦(あつひこ)氏の『悪魔の傾聴』(飛鳥新社)です。その中から「悪魔の傾聴とは」という題でブログを書きました。

本書の中に「自分の話をしない」という興味深い文章がありました。

悪魔の傾聴において「自分の話をしない」ことは最重要項目です。この愚かな行為に走らないために、いまは念入りにメンタル調整をしているところです。「自分の話をすることを回避するため」だけの準備といっても、過言ではありません。

欲望の断捨離心のセンタリングを実践すれば、会話において自分の話をすることは、おおよそ回避できます。そして人の欲望が見えてきて、誰かを安易に尊敬することもなくなったのではないでしょうか。ここまでくれば、準備はほぼ完了となります。

悪魔の傾聴を実践するとわかりますが、相手に集中し、ずっと緊張することになります。正直、すごく疲れます。一方、人は話したい生き物なので、話し手はあなたが聞いてくれることによって心が楽になり、楽しい充実した時間となります。話し手と聞き手では、同じ時間を共有しても、負担がまるで違うのです。

ちなみに筆者は、相手が友人知人のオフモードと、悪魔の傾聴を使うオンモードは分けて生活しています。すでに良好な人間関係がある友人知人には、悪魔の傾聴を使うことはありません。

しかし、気をつけているオンモードのときでも気が緩んでいると、不意に自分の話をしてしまったりします。それくらい「自分の話」を封印するのは難しいのです。

「欲望の断捨離」とは、聞き手側の欲望だ。それはたとえば「相手に信頼されたい」「相手から気に入られたい」「あわよくば、友達になりたい」というような欲望だ。自分が信頼に値する人物ということを長々と説明することによって、相手と不要な雑談がはじまり、最悪だとひたすら自分の話をしている、なんてことになってしまうからだ。

「心のセンタリング」とは、どんなときでも中立のポジションでいるということ。たとえば権利を主張する労働運動に偏ってしまうと、経営者やマネジメント層は敵となってディス・コミュニケーションが起こる。

これらはあくまでインタビューの際の心得だが、友人とのオフモードの会話でも、傾聴の姿勢は大事だ。自分だけがしゃべって大半の時間が終わってしまった、という事態だけは避けたい。もし、その状態が続くようなら、早晩友達は離れていくからだ。

傾聴の姿勢の実践のため、「自分だけ話をしない」という心得を胸に刻みたい。

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