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諸君、狂いたまえ

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『超訳 吉田松陰語録 運命を動かせ』(角川文庫)です。その中から「志を貫いて生きる」という題でブログを書きました。

本書の中に「諸君、狂いたまえ」という心に響く文章がありました。

【たとえ「常識外れ」と言われても】

自分はすでに常識外れだ。一つの道にまっしぐらに進むことしか頭にない。それを、孔子や孟子の道徳的な教えを引いて責められても、言うべき言葉は見つからない。 

《如何如何(いかんいかん)、僕已(ぼくすで)に狂人、孔孟流儀(もうこうりゅうぎ)の忠孝仁義(ちゅうこうじんぎ)を以(もっ)て一々(いちいち)責められては一句(いっく)も之(こ)れなし。》
(安政六年三月十六日以後「入江杉蔵宛書簡」) 

【解説】
世に成功者と呼ばれる人のなかには、百人いたら百人が「やめたほうがいい」と言っても、自分の信じる道を突っ走ってきた人が少なくない

世間の常識ではとても 「是(ぜ/yes)」とは思えないところに、その人だけが「是」を見出し、結果的に不可能を可能に変えてしまう。 大きな成功というのは、そのくらい常識はずれの発想と、ゴールに向けてひたすら突き進む情熱がないと、なかなか成しえるものではないのかもしれない。

過剰なほどの情熱が人を動かし、世の中を動かす、ということだ。 こういう人には常識も正論も道徳も通用しない。よく自分の意見に対して正論で返されて、黙るしかなくなるようなことがあるが、気分としてはそれに似たものがある。

松陰はもちろん、孔子や孟子を敬愛しているが、「そんなことを言われても困る」と言い、行動を思い留まることはない。そこが常人とは違うところだろう。 

大谷翔平選手の二刀流も一途な思いに貫かれている。私たちもここぞのときは、「周囲にたとえ『常識外れ』と言われても、自分はやる!」と突き進むことがあっていい。少なくとも、事が動き出すはずだ。信じて突き進むことだ。

◆行徳哲男師はこう語る。 
『坂本龍馬は「自我狂」という字を好んで書いた。 吉田松陰は「諸君、狂いたまえ」と若者たちを鼓舞した。 「狂をなし愚をなすも 我れいずくんぞ憂えん 我は我が志を行なわんのみ」と詠った山県有朋は自らを「狂介」と称した。 狂った人間たちが明治維新という奇跡を起こしたのである』(感奮語録)より

狂とは、今まで通用していた常識や、思い込み、慣習などを一気に飛び越え、そこを突破するための一種の狂気だ。常軌(じょうき)を逸(いっ)した行動をとらなければ、厚い壁や硬い岩盤を、突き抜けることはできない

古今の大成功者のみならず、昨今のアメリカのITの成功者たちに、一様に共通しているものがある。それが、狂気という気ちがいじみたパッションだ。

「諸君、狂いたまえ」という言葉を胸に刻みたい。

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