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年をとったら若い友人とのつき合いを大事にした方がいい

今日のおすすめの一冊は、林真理子氏の『成熟スイッチ』(講談社現代新書)です。その中から「本音を言い合える友人との飲食が大事」という題でブログを書きました。

本書の中に「年をとったら若い友人とのつき合いを大事にした方がいい」という心に響く文章がありました。

ある程度、年をとったら若い友人とのつき合いを大事にした方がいいと思います。たとえば歌舞伎のチケットを二枚買って、若い人を誘ったり。チケットに限らず、最近は 編集者も随分若い人が増えたので、食事を誘ったら私が払うことが多くなりました。 こうしてまたどんどんお金が出ていくわけですが、若い世代から教えてもらうことは多いです。

私の場合、今の若い人の情報を知るということは目的にしていません。自分が古臭くなっていないかチェックさせてもらうのです。 

どういうことかというと、たとえば、なかなか縁がないと悩んでいる若い女性から相談されたとします。そこで、「すぐ年とっちゃうから相手もそこそこで早く結婚しないと!」 と言ってしまうのは簡単ですが、自分で「あ、古臭いこと言っちゃうな」と思って考えてから、 グッとこらえる。

そして、どう彼女に伝えればよいかを考えてから、 「一人で生きていけると思ったらそのままでいいけど、一人では難しいと思ったらもっと真剣に方法を考えてみたら?」などと言い方を変えてみる。この思考過程は私にとって無駄ではないのです。 

仲よくさせてもらっている社会学者の古市憲寿(のりとし)さんからもいろいろなことを学びます。 古市さんがすごく嫌っている人物がいるのですが、なぜその人が嫌いか古市さんが私に教えてくれるのも、「そうか、そういうことをしちゃいけないんだ」とすごく参考になる。

古臭い考えを押し付けてくるとか、独善的なことを言うとか。若い人を通じて「人のふり見て我がふり直せ」をやらせてもらっているのです。 

もう一つ、私がモットーとしているのは、「年をとったら二次会はパス」ということ。 一次会はともかく、二次会に若い人たちがたくさん残っていたら、年長者がそこにいて、よいことなど一つもありません。

若い人たちは若い人だけで楽しみたいのです。自分が残ったら皆が喜ぶだろうとか、自分が話す内容が若い人のためになるとか、そういうのはぜんぶ大きなカン違い。望むらくは「支払いの足しにしてね」とか言いながら、サッとお金を渡して消えていく。それが理想です。 

とはいえ若い人といると、ついつい調子に乗ってしまうのも事実。うっかり一緒になってファッション談義などをしてしまうと、オバさんが自分を若い人と同列に考えるのはまずいでしょう、という状況に陥ります。

若い人と話しながら相手の顔の肌つやを見ていると、つい自分まで若い気になってしまうことに注意しなければなりません。自分で自分の顔は見えませんから.........。

ある程度の年齢になってくると、自分と同じような世代の人と会うことが多くなる。それは、同世代とは話は合うが、若い人とは話が合わなくなるからだ。つまり、自分がアップデートしていないということ。

何も芸能界のゴシップ情報や最近のタレントに詳しくなれ、ということではない。最新の情報に敏感になるということだ。それは、AIやITに限らず、教育、学び、働き方、起業、まちづくり等々、多岐にわたる。

そして、同時に、経験を多く積んでいる年長者としては古典や宗教、芸術、経済、歴史、心理学などの教養(リベラルアーツ)に詳しいことも必要だ。

年をとっても、常に自分をアップデートし、若い友人とつき合いができる人でありたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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