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下足番を命じられたら

今日のおすすめの一冊は齋藤孝氏の『心を動かす偉人の言葉』(セブン&アイ出版)です。その中から「礼儀正しく接する」という題でブログを書きました。

本書の中に小林一三の「下足番を命じられたら」という心に響く言葉が紹介されていました。

《下足番を命じられたら、 日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にはしておかぬ》(小林一三・いちぞう) 

小林一三は、阪急グループ(現阪急阪神東宝グループ)を創業した 実業家。沿線を開発して高級住宅街をつくり、ターミナルビルを日本 ではじめて開発するなど、鉄道事業にとどまらず斬新なアイデアで 人々のライフスタイルをつくりあげた人物です。 

そんな彼の仕事に対する基本的な姿勢が、この言葉に表されています。どんな人も最初から大きな仕事はできません。与えられた仕事をどのようにこなすかで差が生まれるのです。 

たとえば、資料の整理やコピーなどを頼まれたとき。ただふつうにコピーして渡すだけでは、その人の置かれた状況はなにも変わりません。使う相手のことを想像して作業すれば、もっと使いやすいように 整理して渡したり、より効率的な整理の仕方を見つけたりすることもできるでしょう。 

つまり、仕事自体は同じでも、取り組む人によってまったく異なる結果になるということ。そんな人には、「あの人は気が利く」「ほかの仕事もできそうだ」と評価が集まります。 そのようにして、自ずとより重要な仕事が与えられていくのです。

豊臣秀吉は農民からたたきあげ、天下を取った日本の立志伝中の人物だ。その秀吉に、ある人が「出世」のコツを尋ねたという。すると秀吉はこう答えた。

ワシは、太閤になろうなどとは思ったことがない。草履取りのときは草履取りを一心に努めたら、足軽に取り立てられた。ありがたいことだと一生懸命仕えたら、侍になった。侍の仕事に夢中になっていると、いつしか侍大将になっていたのだ。ついに姫路一城を拝領するにいたった。

ワシは、一職をうれば一職、一官を拝すれば一官、その職官に没頭して今日にいたったのだ。ほかに出世の秘訣は、なにもない。

小林一三の「下足番を命じられたら…」の話とまったく同じだ。今この瞬間に、いかに真剣に打ち込むか、一所懸命になるか、ということ。

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