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年寄は若者を応援する人に

今日のおすすめの一冊は、本田宗一郎氏の『やりたいことをやれ』(PHP)です。その中から「年寄りのほうが世間知らず」という題でブログを書きました。

本書の中に「年寄は若者を応援する人に」という心に響く一文がありました。

現代はテンポの速い時代である。 次々と新しいものが生まれ、考え方も 価値観も刻々と変わりつつある。 そんな時代に、いつまでも過去の経験にとらわれていては、若い人たちの反発を買うのは当たり前だろう。 

たとえていうと、水の中の魚を見て、水の中にばかりいて、歩いたり飛んだりできないなんて魚もずいぶん不自由だろうなあと思ってみたところで、魚にしてみれば、表に飛び出すということは即、死を意味するのであって無理な話である。 

今の若い人たちとオトナとは、ある意味で棲む世界が違うのだ。 古びた過去の観念で今の若い人たちはどうだ、こうだといってみても、若者にしてみれば、はなはだ迷惑なことだろう。

私は同じ年代のジジイのうちでは、かなり遊んだほうかと思う。芸者遊びにしてもなんにしてもとことんやってきた。その私が、某日、新宿へ出かけていったが、結論からいうと、私は何をして遊べばよいのか分らなかった。

第一、どんな遊びがあるのかすら見当がつかなかった。ところが、見わたしてみると、若い人たちはあふれる遊びに振り回されるでもなく、全体を把握認識したうえで、自分が金を投ずべき何かをしっかり選択している。

年寄りがいつまでも経営の第一線にしがみついているのは、こうして歌舞伎町をわけも分らずうろうろしている私と同じだと思った。うかうかしてたら、身ぐるみはがされかねない。

世界に類をみない革命、明治維新を成し遂げたのは20代や30代の若者たちだ。しかし、忘れていけないのは、その裏に、彼らを認めたり、応援した年長者や老人たちがいたからだ。

どんな改革でも、実力や権力のある年長者や老人たちが本気になって止めたら、その改革は一歩も進まない。昨今の大企業がバタバタとダメになっていく裏には、こういう現象がある。

だからこそ、年長者や老人は、「若者を応援する人」でなければならない。特に、変化の激しい現代はそれが必要。応援するには、自分も勉強して、その問題の本質をある程度わかっていなければならない。

つまり、新しい情報や、考え方を受け入れる好奇心と柔軟性が必要だ。頑固一徹で、誰の話も聞かず、昔話ばかりしているような老人は害しかない。

年長者や老人はすみやかに、経営や政治の第一線を退き、応援する人になること。いつまでも、ぐずぐず第一線にしがみついていてはいけない。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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