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予祝のすすめ

今日のおすすめの一冊は、斎藤茂太氏の『モタさんのクヨクヨ考えるすぎる人の“心がラク”になるヒント』(PHP)です。その中から「インターンシップ」という題でブログを書きました。

本書の中に「いまある現実を楽しむ」という素敵な文章があったのでシェアします。

たった一度しかない人生である。しかめっ面して生きるより、心軽やかに生きたほうがいいに決まっている。それはわかっていても、人生も長くなってくると、楽しいことや嬉しいことばかりではないのが憂き世の現実というものだ。つらい現実があっても、何とか、軽やかに生きていく方法はないものだろうか。
そう考えたときに、暗い気分を吹き飛ばし、人生を楽しく生きるために欠かせないものの一つに、「新鮮な感動」というものがある。幼い頃を思い出してみてほしい。幼児に取っては、見るもの、聞くもの、手に触れるもののほとんどが未知のものである。これから生きていくためにも、あらゆることを吸収していかなければならない。だから、毎日が新鮮な感動に満ち溢れていたはずだ。
ところが、年をとって、いろいろなことを吸収していくうちにだんだん感動というものが薄れていく。世間の垢にまみれて、感動する心が鈍くなってしまうのだ。楽しいことばかりではないのが現実である。いまある現状を変えることもそんなに簡単なことではない。だとしたら、いまある現実を十分に楽しむことが肝要である。
いまある目の前の現実が、楽しい、素晴らしいものになるのなら、毎日を楽しく過ごすことができるはずである。そんなに簡単にいくものかという人には、私の実践している一つの簡単な方法を伝授しよう。
私は自他共に認める酒好きである。毎日飲んも飽きない。その秘訣は、グラスに口をつけるとき、必ず「うまい!」と叫ぶことだ。これは別に意識してやっていたわけではないのだが、どうやら「うまい!」と叫ぶことで、自分自身に新鮮な感動を呼び戻そうとしているらしいことにあると気づいた。
このように「うまい!」と叫ぶことが、実は、自らに新鮮な気持を呼び戻すための自己暗示になっているのだ。

これは、お酒を飲むときだけではありません。日本古来より伝わる、予祝(よしゅく)の法則なんですね。

ひすいこたろうさんは「予祝」についてこう語っています。

この世界の最大の罪は「不機嫌」でいることです。 不機嫌はうつるからです。 ではどうすれば「上機嫌」(いい気分)でいられるか。 それは「前祝い」をしちゃうこと。 いいことなんか何ひとつなくても、先にお祝いしてしまえばいい。 じつは、この「前祝い」は、日本人が古来からやってきた願いの叶え方でもあるのです。
たとえば、お花見や盆踊りは、古来日本人の願いを叶えるための知恵でした。 春に満開に咲く桜を秋のお米の実りに見立てて、先に喜び、お祝いすることで秋の豊作を引き寄せようというのが、お花見の由来です。 盆踊りも、豊作を喜ぶ「前祝いダンス」。 前祝いすることを「予祝(よしゅく)」と言いますが、予祝こそ上機嫌をつくり、願いを叶える最高の方法なのです。
あの俳優の武田鉄矢さんが鳴かず飛ばずだったときに、この「予祝」をしたことでブレイクしたというお話があります。 ある日、鉄矢さんのお母さんが、寝ていたお父さんを起こして「今から祝杯をあげよう」と突然言い出した! 鉄矢さんは「めでたかことは、なーんにもなかばい」と伝えると、お母さんは「とにかく先に祝おう」と。
鉄矢さんはポカーン(笑)。 すると、お母さんは言いました。 「おまえには貧乏神が取り憑(つ)いている。 でも乾杯すれば、その貧乏神は『ここまで苦しめているのに、まだおめでとうとか言ってるよ』と拍子抜けして離れていく。 だから親子三人で一芝居打とう」と。 こうして親子三人で予祝をしたら、鉄矢さんのもとに、『幸福の黄色いハンカチ』の映画出演のオファーがきたのです。 鉄矢さんはこれが「予祝」だったのだと、あとで知ります。 喜べば、喜びがやって来るんです。 (3秒でハッピーになる 超名言100/ディカヴァー

予祝、大事ですね。

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