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既存メディアとネットメディア

今日のおすすめの一冊は、瀧本哲史氏の「戦略がすべて」(新潮新書)です。ブログに書ききれなかった素敵な言葉をピックアップしてみました。

より高い報酬を望むのであれば、取るべきはみずからが「資本=儲ける仕組み」の形成に関わり、リスク・リターンをシェアすることで、大きな分け前を得られるようにする方法である。これは、自分が起業するか、あるいはベンチャー企業の初期に「儲ける仕組み」を創るのに参画してストックオプションのようなリスク・リターンシェア型の報酬をもらうというのもあるだろう。

海外では俳優や脚本家が出資に絡むことが珍しくない。この権利を主張できるのは、「ヒットに欠かせない」という存在に限られるが、それによって最初に支払われるギャラとは別に、映画の興行収入の一部を得ることができるのだ。このようなリスク・リターンシェア型のスタンスをとることで俳優や脚本家は大きな利益を得るのである。

かつて広告は簡単なビジネスだった。みんなが読むメディアであるというだけで広告出稿の理由になったし、販売チャンネルの寡占も相まって、新聞・雑誌に広告を打つことの効率性が高かったのだ。しかし、このような状況は、ネットメディアの隆盛によって大きく崩れつつある。とりわけ、ヤフーやグーグルといった「コンテンツを束ねることを事業としている企業」や、フェイスブックやニコニコ動画に代表される「一般ユーザーが作るコンテンツをメディアにしている企業」のほうがル隆盛を誇っている。

一方で、既存のメディア業界、とりわけ出版業界は、読者の注文に合わせてコンテンツを作るなどということはない。また、他の産業で行われるような、試作品でテストしてから最終製品にするということも難しい。つまり、コンテンツ制作者が自らの考えやセンス、勘にもとづいて、良いと思ったものをたくさん作り、売れたものを売り伸ばすという「多産多死型」のアプローチである。ここ二十年ぐらいで書籍の売上は落ちていても出版点数自体はむしろ増えている。

集客面では、ネットメディアの隆盛によって、書店はかつての集客力を失っている。にもかかわらず、出版業界は既存の販売チャンネルに今もほとんど依存していて、集客も書店任せにしている。結果、ネットの集客メカニズムに比べると見劣りする。顧客情報もほとんど持っていないので、一度買った顧客に対する継続顧客化のための努力はあまりできない。


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https://ameblo.jp/hiroo117/entry-12602757997.html


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