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日本語は難しいけどおもしろい

今朝駅までの道のりで、唐突に「おもんぱかる」とう言葉がぱっと浮かんで消えた。

いつも通りの電車に乗り、いつも通り携帯をチェックしていると、すぐ前に立っている女性がやたらふらついていることに気がついた。
最初は掴まるところがなく不安定なのかと思っていたが、どうやら具合が悪そうだ。ちらりと覗き込んだ顔も白く辛そうだ。そのうち座り込んでしまった。

こんな時どうしようかとぐるぐる考える。
乗車率100%以上の車内はもちろん座席は全て埋まっている。周りは自分以外男性ばかり。これはやはり私が声をかけるべきか。いやでも余計なお世話かもしれない、声をかけるべきではないか。「だれか席を譲ってくださーい」と大声を出す勇気もない。
そんな風に逡巡し、次の駅が迫ってきたタイミングで彼女の背中に手を伸ばした。
「大丈夫ですか?次の駅で一度降りますか?」
すると
「大丈夫です。このまま乗って行きたいです。」
そう答えが返ってきた。

その後しばらく座り込んでいた彼女だが、私と同じ駅で降りていった。

かなり体調が悪かったのだと思う。仕事なのか学校なのか行き先や目的は分からないけど、行かなければならない使命感を感じた。
その気持ちはよくわかる。日本人の多くは雪だろうが台風だろうが体調悪かろうがとりあえず行こうとする。自分だけの判断で休むことはなかなかしないし出来ない。
もう少し社会全体がいい加減になればいいのになぁ。

そんなことを考えながら出社し、ふとまた頭に浮かんできた「おもんぱかる」。

あぁ、私「おもんぱかった」ではないか!!

「慮る」とは周囲のことをよく考え、行動をしたらどうなるかと想像をして深く考えること。

似た言葉で「思い遣る」「忖度」という言葉がある。
「思い遣る」は相手の身の上を知った上で、相手の気持ちを考えて配慮すること。
「忖度」は相手の状況を考えて気持ちを推しはかり、相手が心に留めている本音を察すること。

「忖度」は昨年の流行語に入るくらいたくさん耳にし、知名度もぐぐぐっと高くなった。それでもきちんと意味が分かるかと言われると分からない人も多いと思う。更に日本独特の文化なので外国人への説明が難しい。言語はその国の文化や背景をも含んでいるから奥が深い。

日本語はおもしろい。言葉の使い方・選び方でいかようにもなる。「ひらがな」「カタカナ」「漢字」を使い分けることで文章の印象も変わってくる。もっともっと言葉使いが上手くなりたい!素敵な文章を紡ぎたい!

日本語は難しいけどおもしろい。

#日記 #エッセイ #日常 #日本語

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