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日誌2020/7/16 フィッシュ&チップスの段

外国の食べ物というのは印象に残るものだ
良くも悪くも故郷味とは一味違っていて、それだけで記憶するのは難しくない。

印象に残るのは何も気合の入った料理ばかりではない。ご当地ファーストフードもそうだ。

フィッシュアンドチップスはその最たるものだろう。急に外国で食べた時のことを思い出した。

イギリス&アイルランドの代表料理

 決して手の込んだ料理というわけではない。

 白身魚のフライとジャガイモのタルタルソース、味付けに塩とレモン、そしてタルタルソース



 わざわざ外国に行って頼む料理か?という思う人もいるかもしれない。実際同じ値段で比較すると中華料理やインド料理の多彩さ、料理としての深さでは負けている。しかし、やはり本場で食べると一味違う、というのが私の感想だ。

 白身魚のフライといっても決して小さいものではない。丸々としたボリュームのある魚が一匹、丸ごとサクサクのころもに包まれている。塩、レモン、各ソース、それぞれの味で楽しむには十分な量である。

 魚を楽しみつつ適度にフレンチフライにも手を出す。マクドナルドのような細いフライではなく、もっと太くてふっくらとしているのがいい。

 アイルランドに旅行した時、ダブリンでもっともおすすめというフィッシュアンドチップスの専門店Beshoffに行ってきた。最初の写真はそこで食べたものだ。ベーシックなタラのフライを頼んだが予想の1.5倍くらい大きかったので驚いたのをよく覚えている。

もしダブリンに行かれる方は、ぜひこの「Beshoff」に行かれることをお勧めする。12~3ユーロでおなか一杯のフィッシュ&チップスを堪能できるだろう。

産業と共にあるファーストフード

 実は起源はイギリスではないらしい。

 もともとは魚の形にジャガイモをあげる、という料理が大陸にあり、17世紀にイギリスの港町に広がったそうだ。漁獲量の多かったイギリスでは「せっかくだから魚もフライにして一緒に食べよう」という具合に流行になったという。

 あくまで港町のローカルフードだったフィッシュ&チップス。それが国民食になった理由は産業革命だった。

 機械動力の劇的な改良によって

 ・漁獲量の増加
 ・鉄道と冷蔵技術による輸送時間の大幅短縮
 ・大量に増えた労働者の高カロリー食需要

フィッシュアンドチップスはまさに時代の寵児となって全国に広がり、その後も衰退することなく今に至るというわけだ。

 イギリスが世界大戦に勝てたのはこの料理のおかげ、なんて冗談もあるほど隆盛を極めたフィッシュアンドチップス。

 タラの乱獲問題などでやり玉に挙げられたこともあるが、それでも現地の人々のソウルフードであり続けている。

 もし現地で食べる機会があったなら、「所詮フライでしょ?」などと思わずぜひチャレンジしてほしい。百聞は一見に如かずというが、百聞は一食に如かずでもあるはずだ。

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