2021年度以降の保育業界の動向

みなさん、こんにちは。

船井総研の大嶽です!

さて、先日時事通信からこのような記事が出されました。

保育受け皿、新たに12万人分 21~24年度、待機児童解消で―「新子育てプラン」
https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/amp/article%3fk=2020092600341&g=soc

(14万人という記事もあるので、発表があるまでは不確かですが、、)

これまで進めてきた子育て安心プランの概要はここでは省きますが、2020年度末の待機児童解消が極めて難しくなったことも踏まえ、新たなプラン、アジェンダを来年度以降出すということ。

恐らく次の新プランは、

・2022年には待機児童をゼロにして、2023、24年はそれを継続させるような形にする(もしくは2023年にゼロ)

・待機児童と人口の増減をベースにして、市町村を複数パターンに分類し、それに紐づいた対策をする

という特徴を持つのではと思ってます。

仮に、前倒しで2022年度末までに待機児童をゼロにするプランになれば、年間6万人の受け皿を作るイメージ、2023年までであれば年間4万人ペースになります。

これが多いのか、少ないのかということですが、2018年が年間11.2万人、2019年が7.9万人ペースですから、これまでよりは随分と少ないのが分かると思います。

ちなみに、2019年は企業主導型保育がほぼゼロでしたから、本来見込んでいた2万人分も含めて10万人を見込んでいたが、結果そうなったということです。

さらに、今年度は年間11.2万人になる予定です。

つまり、施設整備にかかる予算は、半分程度、場合によってはそれ以下に減ることでしょう。

これまで1年で整備してきた量を2-3年かけて整備するイメージですね。

2021年度の企業主導型保育の新規募集はあるのか!?という不安を感じてる人もいると思いますが、もちろん今の時点では分かりません。

しかし、この雰囲気を見てると、無いか、もしくは、最大1万人程度という、募集枠を半分程度に減らされて実施されるのが現実的かもしれませんね。

さて、仮に来年度の新規整備が6万人だとして、予算もかなり減るとします。

だからこそ、市町村でメリハリをつけなくてはならないのです。

しかし、現場レベルでは待機児童がいなくても人口が増えるために、保育園を作りたい、局地的に開発が進むからそこには保育園が必要だ、というケースは相当数あるはずです。

来年度以降、国は市町村を待機児童と人口の増減によるセグメントをしますが、私としては、どうしても市町村単位では無理があると思ってます。

それは、これまでも何度も議論として上がってきた話なので、国も理解してるとは思いますし、そもそも保留児童が増えてるのは、その考え方の弊害から生じてます。

是非とも、その辺りも考慮した機動的かつ柔軟な対応をしてもらいたいものです。

ただ、そうなると、さらに受け皿が足りなくなるので、結局待機児童が増えそうですが、、

そうなると、そもそも2020-2024で12万人の受け皿というプラン自体が既に崩壊しますね。。

いずれにせよ、来年度以降は市場拡大ペースは半分程度で見ておく必要がありますし、新規整備がない地域が随分増えるでしょう。

大手企業の中期計画を見るとよく分かりますが、既に事業ポートフォリオの分散や新規事業、さらには保育園の新規開設のペースダウン、M&Aによる事業成長を掲げてます。

さすが、業界の動向を捉えているなと感じるとともに、成熟産業の典型的なライフサイクルを歩み始めた印象です。

この先に考えるのは、

▪️上場企業・大企業 年商10億以上

→多角化、M&A、海外展開による拡大戦略

→スピードは緩めながらも施設展開の継続

▪️中堅企業 年商3-10億程度

→地域一番戦略(既存エリアでのトップシェアの維持)→質重視への転換

→多角化による新マーケットへの参入

→地域ブランドの確立

▪️中小企業 年商1-3億程度

→属性一番化戦略

→独自性の強い教育、保育の確立

→商圏内トップシェアの維持

→子育て総合拠点化

→人口増マーケットへの進出(地方の場合)

▪️零細企業 1億未満

→フラグシップの開設(認可保育所)

→既存施設の稼働率の維持

→無理のないキャッシュフロー経営

です。

ではまた。

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