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何故家から遠くても通いたい保育園を実現できるのか?

みなさん、こんにちは。
カタグルマの大嶽です。

まずは直近の講演情報です。

▪️3月7日 コドモンカレッジ
保育者のキャリア形成を考える 魅力的な職場づくり②
〜働きがいのある組織と人材育成~


▪️3/14、19 カタグルマセミナー
新人職員の受け入れと育成のポイント

■セミナーの概要
●日時:3月14日(木)13時~14時(録画配信)
    3月19日(火)13時~14時(録画配信)
●参加費:無料
●ツール:ZOOMウェビナー
●内容:    
 ・新人職員が直面するリアリティショック
 ・心理的安全性を向上させるワーク
 ・期待値のすりあわせと伝え方の2つのレベル
 ・4つの行動の壁とその対策
●申込〆切:各日前日18:00

その他、3/4には兵庫県保育協会にて、職員育成、園マネジメントをテーマに講演会があります。

今回は福祉総研安岡先生のご講演後に70分間お時間をいただくことになってます。
(安岡先生、よろしくお願いします^_^)

会員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。


さて、本題です。

先日、社会福祉法人山ゆり会様に弊社カタグルマメンバーとともに見学訪問させていただきました。

山ゆり会の松山先生とは以前より親しくさせていただいており、今回はご厚意もあって、リニューアルしたばかりのまつやま保育園含め、全園の見学をさせていただきました。

松山先生、本当にありがとうございました!!

ありがたい歓迎です。。ウェルカムボード
リニューアルしたばかりの園の前で
リニューアル園のエントランス
リニューアル園のランチルーム
リニューアル園の子育て支援スペース

山ゆり会は、「遠くても通いたい保育園」をコンセプトに掲げておられ、龍ケ崎市、守谷市で保育園を5園運営されています。

特に龍ケ崎市の園では同じ地区の小学校が来年度廃校になるなど、とても厳しいエリアなので、この地域からの園児が決して多いわけではありません。

しかし、園には園児はたくさんいます。

その理由はまさに、他の市町村などの遠くからでもまつやまの園に通いたいと思い、通ってくださる保護者と子どもたちが多くおられるからです。

経営理論では、

「商圏とブランドの相関」

というものがあります。

つまり、ブランド力が高ければ高いほど、商圏範囲は拡大するということです。

例えば、ニセコのスキー場は今やグローバルブランドになりつつありますが、海外からでも日本のニセコに来てスキーをしたいという外国人観光客は後を絶ちません。

東京ディズニーランドが北は北海道から、南は沖縄からでも来場客がたくさんいることは周知の事実です。

遠くからでも通いたい、サービスを受けたい、購入したいと思う人が多いというのはまさにブランドが築かれているということなのです。

そして、保育施設においてブランドとはどのように築かれるのか?

これまで様々な園を見させていただき、私は、

「地域に無くてはならない園」

というコンセプトで、少子化時代における持続的安定・成長を実現する園の姿こそ、ブランドが築かれている姿だと定義してます。

その定義は以下の5つです。

1.自園らしさ、長所、個性が明確である

2.保護者の中に保育理念への共感者が多数いる

3.職員が自園を誇り、組織へのロイヤリティが高い

4.地域に必要な保育・教育機能を連携・多機能化している

5.上質な広報・発信する力を有している

この定義と整理は、昨年出版されました玉川大学の大豆生田先生の著書、

「園のリーダーのためのリスペクト型マネジメント」

でも取り上げていただいております。

その上で、山ゆり会の園がどんな取り組みをしているのかをまとめたので、その一部を抜粋してお伝えしたいと思います。

1.自園らしさ、長所、個性が明確である
・こどもを真ん中に「根っこを育てる」というコンセプトのもと、自然を活かした環境や縦割り保育、子ども主体の遊び、活動、どろんこ遊び、田植えや栽培などの食育、子ども自身の配膳や子どもの意思による食事の仕方(食べる場所や子ども同士のつながり)、雑巾がけによる自身が過ごす場所を大切する心の育ちなど、コンセプトと活動に一貫性があり、それが自園らしさとして表現され、醸成している

・それぞれの地域内でこれまでの地域貢献、価値提供の歴史の積み重ねによる地域、行政からの信頼が厚い


2.保護者の中に保育理念への共感者が多数いる
・卒園児や在園児の保護者が職員として働いているケースが多いことからも、共感者が多いことがうかがえる

・さらに保育参加などを通して理念やそれに基づいた保育を実践・体感する機会があることで、より理解が深まっている

・それ以外にも日々の送迎時のコミュニケーションを通して、保護者との信頼関係構築に力を入れているのが伺えて、保護者のロイヤリティ向上にも繋がっている


3.職員が自園を誇り、組織へのロイヤリティが高い
・各種施策(※内容は非公開にします。)によって、1.5〜1.7倍の職員配置を実現。
→保育への集中、ノンコンタクトタイムの確保、職員同士の対話やドキュメンテーション等にも繋がっていると想像。

・その他、労務環境やICT等の整備も重なり、職場の衛生要因や安定した労働環境が高まっていることで、落ち着いた保育がなされている。まつやま保育園の休憩室へのこだわりも素晴らしい。

・さらに、園長先生方においては、その振る舞いや安定感、松山先生との信頼関係が構築されており、マネジメントや人財育成においても円滑に行われている印象。

・松山先生の職員への接し方もお立場を踏まえ、程よい距離感を保ちつつ、良い関係が出来上がっていることが想像できる

・これらの要因やさらには理念やコンセプトへの共感も踏まえ、現場職員の法人に対する帰属意識が高まっていることが想定される


4.地域に必要な保育・教育機能を連携・多機能化している
・各種子育て支援等(※内容は非公開にします)を通じて地域の子ども達や保護者との関係性を構築する機能の充実が特徴的。

・結果として園児募集等にも貢献している。まつやま保育園のカフェ・レストランは業界的にも先進的な取り組みで、地域の保護者にとって新たなコミュニティの場になるだろう。


5.上質な広報・発信する力を有している
・パンフレットやWebサイト、SNS、絵本、動画、キッズリー等様々なツールを活用して法人や園の取り組みや価値観、保育観を発信することで確実に伝わっており、きっと今回気づかなかったところでも、地域に対しても様々な形で広報を強化し、周知、興味喚起をしていることと想定される。

・地域を巻き込んだ行事を通じて、地域にも法人や園の取り組みや価値観、保育観が発信されている。地域への周知や認知が結果的に対象となる保護者へも伝播し、「まつやまブランド」として龍ヶ崎市、守谷市それぞれに浸透している

以上となります。

遠くても通いたい園というのは、地域から必要とされ、無くてはならない園づくりを邁進してきた結果実現されているというのがよく理解できました。

先日マネーフォワードグループの辻社長とディスカッションする機会があったのですが、その際も、

「大嶽さん、やっぱり現場を見ないとダメですよ。机にいても何も生まれないので。」

とアドバイスをいただきました。

現場を見てこそ得られる一次情報こそ、生成AI時代における最上質な情報なのだと思います。

ではまた。

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