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将来起業を志す学生の就活で大切なこと

みなさん、いつもご愛読いただき、ありがとうございます。

保育・療育・教育業界向けのHR支援企業カタグルマ代表の大嶽です。

今回はこれから就職を控える学生や就活をスタートさせる学生向けにヒントを提供出来ればと思ってます。

特に私も学生の時にそうでしたが、将来起業する志を持つ学生さんに読んで欲しいと思います。

DeNA南場会長という起業家

僕の尊敬する経営者の一人に、DeNAの南場智子会長がいます。

現在は経団連の副会長もされており、国内のスタートアップ推進の旗振り役もされています。

9年前に出版された南場さんの著書、「不恰好経営」は等身大でありのままの南場さんが書かれていて、僕自身とても好きな本の一つです。

元々マッキンゼー出身のコンサルタントでパートナーまで出世され、順風満帆だった30代後半、1999年にインターネットビジネスで突然起業されます。

そこからの苦労話やDeNAの成長ストーリーが生々しく描かれています。

次元こそ違えど、僕もコンサルタントを39歳までやって、IT領域で起業した経緯があるため、大先輩ながら意識したり、共感、憧れを抱いてしまうところがあるのでしょう。

コンサルタントと起業家の違い

現在学生の就職希望ランキングを見ると、外資系(一部国内系も)コンサルティングファームが上位を独占しています。

しかし、南場さんはこのようなキャリアを踏まえ、コンサルタントと起業家の違いについて、このように書かれています。

私は10年以上マッキンゼーに在籍して下働きからパートナー(共同経営者)までコンサルタントとしては幅広く経験し、事業リーダーに経営アドバイスをしていたが、いざ自分が事業リーダーになった途端、新しく身につけなければならないこと、そして「unlearning(学習消去)」しなければならないことがとても多く、本当に苦労した。
もし将来起業することを知っていたら、コンサルティング会社ではなく、事業会社で修業したかった、というのが私の偽らざる本音である。 
ところが巷では、将来事業リーダーになりたいので、まずコンサルタントとして勉強する、という考え方が幅を利かせているらしい。
コンサルタントは言う人、手伝う人であり、事業リーダーはやる人だから、立場も求められる資質も極端に異なることは理解に難くないにもかかわらず、誤解がはびこっていることは嘆かわしい。
不恰好経営より

マッキンゼーのパートナーまでキャリアを積まれた上でのこの言葉にはとても説得力があります。

「するべきです」と「します」は大きな違い

南場さんも書かれている通り、経営者をやるからには、例えば何をするにしてもまずは調査分析するスタンスのようなコンサルタントとして根付いている「学習消去」が必要になるのです。

当然全く異なるので、不必要な考えは消去し、アップデートを繰り返さなくてはなりません。

また、加えて著書には、

「実際に事業をやる立場と同じ気持ちで提案しています、と言うコンサルタントがいたら、それは無知であり、おごりであり、さらには、優秀なコンサルタントは、間違った提案をしても死なない立場にいるからこそ価値のあるアドバイスができることを認識している」
不恰好経営より

と書かれており、さらに本質を突く示唆として、

「するべきです」と「します」がこんなに違うとは、、
不恰好経営より

との言葉は、共感しかありません。

コンサルタントのような「提案者」の意思決定と「経営者」の意思決定では景色も種類も全く異なることを私も最近理解し始めたところですが、それは決してコンサルタントという仕事を否定しているわけではなく、むしろその特異な存在意義も強く感じ始めています。

南場さんの著書では、

経営コンサルタントは経営者に助言するプロフェッショナルであり、高度な研鑽が必要な、とても奥深い職業だ。コンサルタントになるなら、その道の一流のプロとなるよう、努力し、とことん極めてほしい。
不恰好経営より

と書かれていますし、私自身も第三者の意見が必要だと思う場面はたくさんあります。
(私の場合は特にファイナンスとSaasビジネスについては投資家のガゼルキャピタルさんに分からないことは全て相談できる環境にあるので、本当にありがたい!)

ただ、起業家とコンサルタントは異なるということです。

南場流人材育成術

さて、話は逸れますが、DeNAはグローバルでゲーム事業や横浜ベイスターズ経営などのスポーツ事業、ライブストリーミング事業などを展開されており、2022年3月期で売上高1300億強、現在の時価総額2400億円強というインターネット関連分野においては大手企業の一つですが、それ以上に興味深いのが、南場さんの人財育成論とも通ずる、

「ざくろ経営」
「DeNAギャラクシー」

と言われる、所謂「社内起業家の輩出マインドと環境」です。

現在のDeNAのイメージはリクルートのような「人財輩出企業」として、ビジネス界ではもはや定着しています。

そして、その中枢にあるのが2019年からスタートしているCVCのデライトベンチャーズの存在です。

(ちなみに、このデライトベンチャーズには前職時代の元チームメンバーも在籍しており、活躍しているそうです。)

南場さんはメディアでは、決してCVCという位置付けでもなく、むしろ独立したVCの位置付けだと語られていますが、この機能により、DeNA社員のインキュベーション、起業支援、エクイティファイナンスを行い、本体のDeNAとの連携やシナジーも様々な形で発生させているのだと思います。

以前、日経新聞の取材で、

「南場流人材育成術」

という記事がありましたが、そこには、

①年齢不問でどんどん打席に立たせる
②あえて失敗する確率50%の仕事を「むちゃぶり」する
③優秀な人ほどあえて挑戦魂に火をつけて起業を促す

と書かれてました。とても素晴らしい環境だと思います。

将来起業を志すならば起業を身近に感じる環境に身を置こう

別のメディアで南場さんは、将来起業したいと思っている若い人は、コンサルティングファームよりも、

①実際に起業する
②起業チームに参画する
③本気の打席で事業開発を多数経験する

ことの方が良い経験になると話しておりました。

これについても心から共感します。

私は幸運なことに、前職で新人の頃から事業領域の開発、新事業開発、新組織開発などに長年携わってきて、まさに③にずっと身を置いてきたので結果的に16年間も勤めましたが、それが無ければずっと前に会社を辞め、起業するもしくはスタートアップに転職していたと思います。

改めて、南場さんの教えを踏まえると、

・起業を志す学生は、出来るだけ起業に近い環境で、当事者として事業開発に携わり、可能な限り打席に立ち、出来るだけ失敗経験を踏むこと

が重要なのだと思います。

そういう意味では学生ベンチャーや学生スタートアップ経験は本当に貴重な機会だなと思いますし、今自分が学生ならば、絶対にやっています。

仮に将来起業する気持ちがなくなったとしても、これらの経験はどんな場面でも活きることでしょう。


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ではまた。

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