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創業1年CEOのファイナンス奮闘記

いつもお読みいただきありがとうございます。
カタグルマの大嶽です。

今日は保育経営の専門家ではなく、「スタートアップ経営・ルーキー起業家」の立場として書きたいと思います。

CEO業務におけるファイナンス業務の位置付け

この1ヶ月で銀行や証券会社のスタートアップ支援部門の担当者、加えていくつかのベンチャーキャピタルのキャピタリスト数名とお打ち合わせをしました。

決して次のラウンドに向けたファイナンスを本格化しているわけではありませんし、私自身からアプローチはしていないのですが、ありがたいことに相手から興味を持っていただき、情報交換ベースでお会いしています。


ちなみに、起業して1年2ヶ月経過した時点の現在の私の仕事は、主に、

・マーケティング
・採用
・ファイナンス
・事業企画・統括(COO的役割)

がメインで95%以上を占めており、その他一部バックヤード業務(社労士、弁護士、税理士対応、請求書対応など)になります。

よってファイナンスは時期にもよりますが、特に資金調達のタイミングにおいては、私の意識も行動も圧倒的な比重を占めることになります。

社員は私以外に3名いて、ありがたいことに、プロダクト開発やセールス、CS、人事労務などは、それぞれが役割を持って動いてくれています。

まだまだ綺麗なラインを引いて分業しているわけではありませんし、この時点でそのラインを厳格に引く必要もないと考えてますが、ある程度上記に絞って仕事ができる体制を整えたタイミングでもあります。

ファイナンスの知識とVCのイメージ

さて、この私の業務領域にもあるように、創業1年強でCFOのいない企業CEOとしては私自身がファイナンス業務をすることが大前提となります。

前職はコンサルティング会社だったので、財務諸表の読み解きくらいは出来ますが、資本政策、ファイナンスは起業して初めての経験です。

既に昨年、日本政策金融公庫、金融機関からの融資に続き、秋にはシードラウンドでエクイティファイナンスでの資金調達をさせていただきました。

よって、知識と経験がほぼゼロベースという状況からスタートした資本政策に関しては、最低限の知識と経験は得たつもりではおりますが、学べば学ぶほど細かい知識が必要になったり、分からないことが出てきます。

その都度、当社の株主であるガゼルキャピタルの石橋さんに相談するのはもちろん、冒頭記載したような金融機関のスタートアップ部門担当やVCの方々に壁打ちすることで学んだり、確認することで筋肉をつけている状況です。

ちなみに、エクイティファイナンス、特にベンチャー投資はここ数年とても活況で、一部では「バブル」と言われています。

2018年の国内スタートアップ資金調達額が4800億円だったのが、2021年は7800億円で、1.6倍になっています。

国内VCやCVCはもちろん、海外ファンドもアメリカや中国での先行きや飽和状態などもあり、日本国内の投資先としてスタートアップや未上場企業株に注目が集まり、特にレイターステージの二桁億円クラスが増加したことで、全体の資金調達額を牽引する形で右肩上がりに成長しています。

しかし、人によっては今でも、

・ベンチャーキャピタルは胡散臭い
・金やリターンのことしか考えてない
・資金調達は金融機関からの融資しか考えない

という一昔前のイメージを引きずってるようです。

しかし、私のようなルーキー起業家でも、VCの方々とお会いする中で、社会性の高いミッションを持ち、社会のために活動されている方に出会うことが多々あります。

プレイヤーが増加している分、ピンキリということにはなると思うのですが、起業家としてはピンのVCと出会うことが大切で、そのためにも知識や経験が必要になります。

ファイナンスの組み立て方


さて、当社も来年のどこかのタイミングでは次の資金調達ラウンドがやってきます。

それに向けて、まだ本格的に動くタイミングではありませんが、徐々に事業計画や資本政策の精査、ファイナンス活動を始めようと準備を始めている段階ではあります。

そこで考えなければならないのが、

・必要資金額の設定

です。

当然と言えば当然ですが、スタートアップ経営で難しいのが、M&AやIPOというファイナンス上の出口を一旦のゴールとして設定した際に、逆算してそこまでの期間と必要資金額を業界の市況や自社のトラクションを想定し、解像度を上げて設定する必要があるという点です。

具体的に言えば、当社の場合、保育業界の市況をどのように捉え、当社の人事SaaSというプロダクトのニーズ、現在のトラクションから、いつ頃出口設定し、そこからの逆算で、例えば2025年にはどれくらいの結果を出している必要があり、そのために必要な資金はいくらなのか?と考える必要があります。

そこにダイリューション(持株比率の希薄化)やバリュエーション(企業価値)、さらには新株予約権(ストックオプション)などの設定も含めた総合的な計画が必要になるので、スタートアップ経営者の最低限の知識として、このあたりは知っておかなければなりません。

VCピッチでは当然のように、資本政策の方針に関する質問が飛んできますし、そこで答えられないと信用もしてもらえないし、そのような起業家にベットしませんよね。

融資であれば、例えば「当面3年間の運転資金」や「この設備投資のための設備資金」とかなり具体的に提示したり、もっと言えば「取り敢えず金利は低いし、銀行が借りてくれと言うから、今後の付き合いも含めて借りておく」というある種の無計画なファイナンスがあったりします。

しかし、エクイティファイナンスによる資金調達の場合は、経営者のミッションやビジョンの達成のために、そしてファイナンス上の出口のために、時として極めて非現実的なグロース、事業成長を描き、アクセルを踏むための資金調達の青写真を書くこともあります。

特にシードやシリーズAのようなアーリーステージはそうなりがちです。

銀行などのように、事業計画と財務諸表だけで貸し借りを決める訳ではない分、投資元へのピッチ、プレゼンテーションは難しく、かなり緻密な戦略を練る必要があるということです。

よって、決して本格的な次のラウンドに向けた資金調達の時期ではないにせよ、今のうちから定期的にピッチや壁打ちの場は必要だと感じています。

ピッチも一筋縄ではいかない

そして、ピッチや壁打ちに関しても、VCのキャピタリストからは様々な意見や指摘が飛んできます。

課題設定、市場性、ビジネスモデル、トラクション改善の方向性、競争優位性やMOAT、アップサイド、資本政策の方針などなど。

正直、前職の経営コンサルティング会社で16年間、社内の事業計画、顧客の融資向けの事業計画などをたくさん作ってきましたが、求められるレベルが違います。。

無限にピッチをしている百戦錬磨のキャピタリストに興味を持ってもらい、納得させ、資金を出したいと思ってもらえるピッチというのは、奥が深い。。

単に綺麗な資料を作ってもダメ、綺麗なストーリーで興味を引くだけでもダメ、論理的でセオリー通りの資料では興味すらひけない、、シードであればむしろパッション、熱量が大事だったり、、そんなイメージです。

なので、私自身もこれまでに幾度となく資料を更新しています。
事業計画が定期的にアップデートされるので、それも当然のことです。
初めて作成したものとはまるで別物です。。笑

そのためにもたくさんのピッチ資料を見たり、壁打ちすることが大事になります。
人に出会う場面も自ずと増えますし、増やさないといけません。


つらつらと書きましたが、恐らく同じフェーズにいる経営者ならば共感いただけることがあったと思いますので、是非コメント頂けるとありがたいです!


ではまた。

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