見出し画像

スラッシュリーディングを自動化するアプリを作った

スラッシュリーディングとは英語の勉強法の一つで、主に読解力やそのスピードを向上させるために効果的と言われています。やり方は、英文の特定の場所にスラッシュを入れて適度なかたまりに分割して、それを文頭から順に読んでいきます。

たとえば、以下の文を考えてみます。

Alice was beginning to get very tired of sitting by her sister on the bank,

これは「不思議の国のアリス」のチャプター1の一節です。パブリックドメインであり、誰でも自由に読むことができます。意味は「アリスは姉のそばで土手に座っていることに飽き飽きしはじめていた」くらいでしょうか。

この文章にスラッシュリーディングを適用してみましょう。

Alice was beginning / to get very tired of / sitting / by her sister / on the bank,

このように英文をいくつかのまとまりに分けます、そしてそのまとまり毎に英文を読んでいくのです。単語一つ一つを追っていくより読解しやすくなります。

今回このスラッシュリーディングを自動化するアプリを開発しましたので、その紹介をさせてください。英文読解力を伸ばしたい方にぜひ使ってもらいたいと思っています。

アプリ紹介

AnnoReaderという英文法の学習アプリです。テキストを入力すると、自動でスラッシュリーディングの結果を表示してくれます。


スラッシュリーディング表示

iOS、Android両方のデバイスで使えますので、ぜひダウンロードして使ってみてください。


このアプリが解決すること

スラッシュリーディングで悩ましいのが「どの位置にスラッシュを入れるのが最適なのか」です。英文にスラッシュを入れてまとまりに分ける作業ですが、これにはある程度の英語力と経験が必要なのです。

たとえば以下の英文を見てみましょう。

She sells seashells by the seashore, The shells she sells are seashells, I'm sure. 

一つ目のフレーズ「She sells seashells by the seashore,」は、なんとなくbyの前にスラッシュを入れれば良さそうですね。これは簡単です。byと言う単語は前置詞で出現頻度が高く、前置詞はフレーズの区切りになることを多くの人が知っているからです。

二つ目のフレーズ「The shells she sells are seashells」は、私がやるならsheの前とその次のsellsの後にスラッシュです。

The shells / she sells / are seashells

これは分かる人は一瞬ですが、そうでない人には相当難しいです(she sellsという節がその前のThe shellsを修飾しています)。

このようにスラッシュを入れるにはそもそも英文の構造を見極める力が必要で、それらは読解力を伸ばしたいという初級者〜中級者には難しい作業なのです。

アプリを使うとこういった面倒な作業を全て飛ばして、英文読解に集中できます。

「まとまり」とは

ここは余談です。

これまで「まとまり」と表現しましたが、英文法的には句(Clause)や節(Phrase)と呼びます。

・句 主語、動詞を含んだ単語のまとまり
・節 主語、動詞を含まない単語のまとまり

くらいの認識で良いと思います。例えば"Alice was beginning"は主語動詞を含むので、on the bankは含まないのでです。

かんたんスラッシュリーディングアプリはこの句や節を「まとまり」の境界として判断しています。

おわりに

「かんたんスラッシュリーディング」はその名の通り英語学習にスラッシュリーディングを取り入れている方におすすめできるアプリです。ぜひ使ってみてください。

もしこのアプリが皆様の英語学習に少しでも貢献できたのなら、開発者としてこれほどうれしいことはありません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?