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ぼくがママをえらんだ理由

生まれる順番

前回の経験をふまえ、ぼくは「子どもを捨てない」人を選ぶことにした。
(※くわしくは「ぼくが地球をえらんだ理由」参照。)

とりあえず、空から探索。
あ、みつけた。この人よさそう。
30過ぎの明るい人。

声をかけようと思ったら、すでに何人か並んで話してる。
(え~、争奪戦じゃん。この人、人気あるんだ)
ぼくも混じって、ジャンケンと話し合いで 生まれる順番をきめた。
けど・・・こんなに生める??
ぼくを入れて、全部で5人。

でも この人、すごい太っ腹で、「いいよ!!」って快くOKしてくれた。
ぼくたちは「やった~!!」って大喜びして、列の一番うしろに大きな看板をたてた。
【 ここまで! 】
だって、これ以上生んだら、この人の体がボロボロになっちゃうからね。

うちが大家族になった理由

ぼくが大人になったある日、おばあちゃんがアルバムを見せてくれた。
小さいママの写真が2枚。それから、おばあちゃんとおじいちゃんの若い写真が1枚。
ママのお父さんは、ママがものごころつく前に 戦争で死んじゃったんだって。小さいころは親戚に預けられ、そのあとは母一人子一人だったらしい。

それを聞いて、ぼくはなんだか胸が熱くなった。
じつは5人目を産んでしばらくして、ママったら6人目を受け入れちゃったんだよ。ぼくは「ママはなんて計画性がないんだろう」って思ってた。

違ったんだ。
ママは、子どもをすごくすごく大切に思ってる。だから、どんなに体が大変でも、貧乏でも、ぼくたちを見捨てなかったんだ。
やっぱり、この人で間違いなかった。ありがとう、ママ。
ぼくに家族をたくさんくれて。

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