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Customer Success Managerには目の前のお客様の成功をもとに未来のお客様の成功を作るバランスを保ってお客様と一緒に成功してほしい(カスタマーサクセス関連)

今回は2-3年くらい前からトレンドにのってきたCustomer Success Manager(=CSM)について記載していきます。
CSMは現在2名(+内定者1名)に2020年3月までに+2名の増員を考えています。Wantedlyはこちらです!


CSMって色々言われてるけど結局なにする仕事?

Customer Success Managerの仕事と「Customer Success」という思想の境界線を明確にしておかないと、それってxxの仕事じゃないの?となってしまうことも多いかと思いますので、まずはじめに僕が考えているCSMの仕事を定義したいと思います。
・目の前のお客様の成功を共に達成するプロジェクトマネージャー(この場合はお客様の成功を達成すべくお客様+社内の関係各所と調整を行い前に進めていく)
・未来のお客様の成功を共に描いていくプロジェクトマネージャー(この場合は未来のお客様の成功が達成しやすくなるようなプロダクト、オペレーションを社内の関係各所と調整を行い前に進めていく)
ということです。
前提として、この"プロジェクト"に加わるメンバーにはマーケティングもセールスもエンジニアもあらゆる部門が関わり全員でカスタマーサクセスを実現するんだという会社としての統一の意思が必要です。
そして、この「お客様の成功プロジェクト」のプロジェクトリーダーとして機能するのがCSMという役割になると考えています。

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CSMを細分化した役割

では、お客様の成功プロジェクトのマネージャーとしてCSMにはどのような役割があるかというと少なくとも
[対お客様での視点]
・オンボード:まずは製品/サービスの基礎的な動作を完璧にしていただく
・活用促進:どんどんと自社サービス/機能の利用幅と利用深度を高めていく
・CSM-AE:既存のお客様に対する営業活動
・コンサルティングサービス:営業の提案よりも更に深く現状把握をさせていただいたうえで製品/サービスだけでは解決できない部分まで踏み込んで課題の整理と解決をおこなう
・サポートデスク:製品サービスの不明点をクリアにするためのFAQや電話、メール、チャットなどでの対応
・トレーニング:1対Nでお客様に対して集合型の研修や自社の思想を理解してもらうための講習
・カスタマーマーケティング:既存のお客様のタメになる、より深さのある事例やTipsの共有などを展開
・コミュニティ:お客様同士で意見交換や自社内の課題解決方法を共有できる場を作ることでのファンベース創出
・データ分析:サービスの利用状況を可視化して、活用が進んでいないお客様や不安がありそうなお客様を抽出
上記のように複数の役割が並行で動くことになるので"何に基づいて活動していくのか"という方針が必要になります。方針はシンプルに「それぞれのお客様の成功の定義」に明確にし、そこに向かうのみ。です笑 ちなみに全体のイメージはこのような図になります。

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[対社内での視点]
・プロダクトフィードバック:プロダクトについての改善要望や絶賛機能などポジティブな情報もネガティブな情報も社内の人間に共有する
・ユースケースフィードバック:導入後のお客様がxxの使い方をしているというのは知っているようで知らないケースも多いと思うし、想像とは違う使い方をしていて成果を出している企業様もたくさんいると思います。それをCSMがxx社ではxxの使い方をしていてxxの成果が出ています。と社内共有することでプロダクトの可能性も営業のターゲットも大きく広がります。
・お客様ー社員の距離を縮める:お客様と社員の交流の場を開き、お客様同士だけではなくお客様と社員の距離を近づけて声がダイレクトに届く関係値にしておくことで、お客様という言葉の解像度があがっていきます。

色々とありますが役割の分だけ部門や人が必要という訳ではなく、最小の人数で最も生産性高く実現できる方法を考えながら進めていくことが重要かなと思っています。

目の前のお客様の成功を作るためには?

目の前のお客様の成功を作るイメージは皆様の頭の中にもすでに回答があるかと思います。
「とにかく頑張る、遮二無二頑張る、お客様の笑顔を夢見てひたする突き進む」これを徹底するのみかなと笑
これはめちゃくちゃ重要で「当事者が腹をくくらないと絶対に成功はしない」と覚悟をもって自分を含む関係者の熱量を上げ続けて目の前のことを遮二無二頑張る。という言葉で書くとめちゃくちゃシンプルなことがめちゃくちゃ難しくてめちゃくちゃ重要だと考えています。
それ以外に、どのようなことに気をつけるとお客様を成功に導ける確率が上がるかというと基本に忠実にPMBOKの10の知識エリアのうちの
・スコープマネジメント:プロジェクトの範囲(成功の定義と達成基準)
・スケジュールマネジメント:いつまでに何を達成するのか
・コストマネジメント:プロジェクトを継続させられるようにコスト管理を徹底する。SaaSの場合だと何年分のライセンス費用まで見込むのか、追加の要望を解決するためにはクロスセルでxxサービスも導入しないといけないなど整理が必要
・品質マネジメント:どの粒度での成果物を期待しているか、プロジェクトの中でxxの状態になっていることが品質をクリアしているという基準
・リソースマネジメント:成功のために必要な人的リソースが足りているのか、一部門だけでは解決できないことはどの部門に依頼するか明確か
・コミュニケーションマネジメント:ステークホルダーを含むプロジェクト進捗の共有や、円滑なコミュニケーションをするためのインフラを検討
・リスクマネジメント:万が一プロジェクトが失敗するとしたら?の要因
・ステークホルダーマネジメント:現場の担当者の方が動きやすいように、プロジェクトを進めやすいように社内の関係者とパワーマップを策定して伝えるべき情報を伝えるべき人に伝えて"会社の取り組み"に昇華させる
・プロキュアメントマネジメント:ベンダー選定やサービスの発注〜納品までの流れの管理(CSMという観点でいうと完了しているケースも多い)
を徹底するというので一定レベル以上でのお客様の成功プロジェクトの成功率は上がってくると思います。

話はそれますが過去の知見を学ぶことは重要だと思っています

PMBOKも古い知見ではありますが、最新トレンドを追うよりも過去からの知見や考え方を一旦読み込んでみて使える部分や必要なことを読み解いて活用するというスタンスは現状打破をするには必要なことだと思っているので、意識的に古い情報を拾ってきたりしています。
例えば、KPI管理というのは今はどこの企業様でも取り組まれているかと思いますがKPIを正しく把握するのであればキャプラン&ノートンのバランストスコアカードを読んでみる。
SPINを学ぶ前にバーバラミントの考える力・書く力や、ロジカルプレゼンテーションを読んでみる。
など、原理原則とまでは言わないまでも今よりも色々な言葉ができる前に書かれた本を読むことで、自分の中で「わかったと思いこんでいること」が丁寧に書かれているので理解を深めることができると思います。
流行り言葉のSales EnablementやABM、Customer Successなどの言葉が出てくる前のほうが一言で指し示す言葉がないがゆえ、詳しく書かれていることが多いです。

未来のお客様の成功を作るためには?

話は戻りまして、目の前ではなくて未来のお客様の成功を作るためにはどうしたらいいか。
個別性と汎用性という切り口で考えたいと思います。
個別性はまさに目の前にいるお客様1社1社に入り込んで活用を促進して成功に導くということなのですが、この「個別の成功」を未来のお客様の成功に繋げなければ自転車操業的に毎日毎日新しく増えるお客様の対応に追われてしまうことになります。
それはそれで幸せなことかもしれませんが、間違いなく「自社の成長<お客様数の増加」なので個別の成功をひたすら頑張ってもお客様のほうがどんどん先にいってしまい最終的にはお客様を成功に導くことはできません。
初期の段階では個別性を重視して全てに対応していくことでノウハウもたまるのですが、その個別のノウハウを汎用的なノウハウに変えていかなければなりません。
汎用性を出すためには個別の成功から特徴量を抽出して"型化"していくことになると思います。
目の前のお客様の成功要因・失敗要因から特徴量を抽出して、どのフェーズの何を改善すると結果が変わるか、より大きな成功に繋がるかを考える。
また、この時に忘れてはいけないこととしてはCSMが単独で解決できることは目の前のお客様が火事になっている時に助けにいくことや、力技で持ち直すことはできても未来のお客様の成功を作るためには自分だけでは達成できないということです。
目の前のお客様に注意が向いていると、「私がなんとかしないと」となりがちですが、それだけではなく「xxのお客様でxxの事象があって、これはxxのタイミングでのxxが問題だと思ったのでxxの部門にxxのお願いをすることで防げるかもしれない」という感覚を持つことが未来のお客様の成功を作るためには重要だと考えています。
そして、上記のxxに該当する部分がまさに特徴量に近いもので、これを同じフォーマットでお客様の立ち上げ〜活用・ロイヤル化までのフェーズで整理をしていくことで一歩ずつお客様の成功に共に歩んでいくことができるんだと信じています。

成功のヒントは目の前のお客様と向き合うことでしか見えてこないので机の上で理論を振りかざすなら1秒でも早くお客様に会いにいって生きた成功へのヒントを掴んできた方が良い

常に個別性と汎用性を思考プロセスの中でいったりきたりしながら、目の前のお客様から成功の特徴量を抽出して、未来のお客様の成功を作る。
というプロセスをバランスよくどちらか一方に偏っていないかを意識しながらチームを作ることができると本当に強いCSチームになると確信しています。

今回は記事のうえのほうにリンクを貼ったので、こちらでは割愛します。笑

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