見出し画像

THE MODEL型組織を5年実践して〜SmartDriveの"THE MODEL"とは

このタイトルをつけるには少し勇気が必要だったのですが、弊社スマートドライブは9月が年度末となっており、来期に向けて新たに組織体制を考えるとともにこれまでの振り返りをしていたところ、約5年前から取り組みをしてきて、ようやく"SmartDriveのTHE MODEL"といえる組織に近づいてきたと感じたので、整理を兼ねて皆様にもお伝えできればと思っています。
ちなみに(というか、これが本題ですがw弊社ではTHE MODELオープンポジションという募集をしております。

THE MODEL オープンポジションの募集要項

このポジションは役割を固定せず事業フェーズに応じて、マーケティング・インサイドセールス・プリセールス・ダイレクトセールス・パートナーセールス・カスタマーセールス・カスタマーサクセス・カスタマーケアというポジションから、適性やそのタイミングでの事業課題の大きい領域を担当していただくことになります。
※と、記載しておりますが要はそのタイミングで事業に必要なことを全部やる!というわかりやすいものですw

THE MODELとは

THE MODELに関しては、すでに多くの方が手に取ったことがあると思いますし、私からの説明で伝わらない部分があっても困りますので「THE MODEL?」という方はこちらの書籍をご確認ください。

THE MODEL書籍

スマートドライブの現在の組織体制

現在のスマートドライブのレベニュー組織(THE MODEL組織)は下記のようになっています。
大きな枠組みではMarketing、InsideSales、Sales、CustomerSuccessと分かれており、その中で役割が決まっています。

~2023.09までの組織体制(10月以降は若干変更)

Marketing:
 ーInbound:Web(ホワイトペーパー、問合せ)セミナーなどでのリード獲得
 ーEvent:展示会や共催セミナーなどでのリード獲得
 ーABM:注力ターゲット企業に対するアプローチ(1企業3部門のコンタクト獲得や、経営層にトスアップして情報交換や勉強会実施のパターンもあり)
 ーInbound / Outbound:パートナー企業リードの獲得
 ーMarketing Operations:マーケティングツールの運用や自社イベント運営

InsideSales:
 ーSMB:100名未満の企業様を対象に100件/人/月ペースでSQL獲得
 ーMM-ENT:100名以上の企業様を対象に30件/人/月ペースでSQLを獲得

Sales:
 ーSMB:100名未満の企業様を対象に「売上&社数の拡大」を牽引
 ーMM-ENT:100名以上の企業様を対象に「売上&TCVの拡大」を牽引
  ※TCV:Total Contract Value(総契約額)
 ーPreSales:提案を受ける準備ができていない状態のお客様に対して課題を正しく把握をすることと、最適なソリューションのご紹介や、法改正などの情報収集中のお客様の支援をしていくことで"本格検討"が始まった際に必ずスマートドライブにお声がけいただける関係構築を牽引

Partner Success
パートナー企業様と一緒にレベニュー組織を推進していく。パートナー企業様ごとに取り組み内容は異なり、卸販売の企業様に対するコンテンツ提供や営業同席のほか、常駐して組織作りを支援するケース、販売パートナー様のカスタマーサクセス支援なども実施

Customer Success:
 ーOnboarding:契約初期のお客様がプロダクトを使いこなせるようになるまでを支援
 ーConsulting:お客様の活用促進とデータに基づいた新しい発見の提供
 ーSales:既存のお客様に対する営業活動
 ーCare:お客様がプロダクト活用していく中で困らないように先手を打った支援(活用勉強会やヘルプページ構築、集合研修など)を実施

Business Operations
レベニュー組織における様々なプロセス改善や、Salesforceを始めとするシステムアドミン、仕入れ先やデバイスの在庫管理など多岐にわたる社内支援

まだ100名に満たない組織ですが、このように細かく役割を定義していくことによって、
・各役割の中での動きが型化されていく(≒専門性)
・型化されることでジョブローテーションしやすくなる(≒流動性)
・在籍期間で複数の役割を担う若しくは他役割の動きが見えることによって自部門だけに閉じない思考が可能になる(≒汎用性)

ということが可能になると考えています。

組織体制の変遷

現在の組織は前の章でお伝えしたので、ここではこれまでどのような課題を解決するために組織体制をどう変更してきたかを記載していきます。

2019年
・InsideSalesの本格稼働:
過去に接点のあった名刺情報や外部のテレアポ会社(?)が獲得してきたリード情報が一定以上あったこと、マーケティングに注力をしていく中でホワイトペーパーの拡充やセミナー開催数を増やしリード情報が増えていくことが明白であったために本格稼働。

・Sales ops(現在のBusiness Ops)の創設:
Salesforce導入〜セットアップ完了した段階でSales Opsを1名体制でスタート。当初は商談管理をメインで行なっていたが契約、デバイス出荷管理、請求など含めてSFに一元化していくことを目指し、現在ではPartner Portalも含めて活用。(SalesCloud コンサルの資格も取得)

・Customer Successの創設:
マーケティング・インサイドセールス・セールスと強化をしていく過程で、カスタマーサポート(問い合わせ対応)のメンバーはいたのですが、このタイミングで活用促進やユーザー企業様との接点強化となる安全運転イベントをクローズで開催し、現在では1,000社以上の企業様に参加いただけるイベントとなる。

2020年
・Salesチームの提案力強化:
圧倒的に強いSalesチームを作るべく、この頃から「提案書作成」「デモ」「Mutual Close Plan」などソリューションセールスに必要な型と言われるものを実践してきたことで、現在の提案力のあるSalesチームにつながる。

・Data Analyticsチームを創設:
SmartDrive Fleet導入企業様に対してデータ活用を促進していくために分析ダッシュボードの強化とMobility Dataを活用したいと考えている企業様向けのMobility Data Platformの提供を開始。

・東海支社/大阪支社の設立:
地方展開を加速するために地方に拠点をもち地方企業様との接点を強化していく。東海は静岡県を中心に愛知県・岐阜県をカバー。
※現在はコロナの関係もあり本社からオンライン&都度出張でご支援。

2021年
・パートナー企業様への常駐支援:
パートナー企業様の中でデジタルマーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスチームを作るために常駐で組織構築の支援や、モビリティ製品の展開を全面支援。ここでの取り組みが実を結び、現在も最大のパートナー企業様として協業を強化。

・初の新卒採用:
2019年からインターンとして活躍してくれていた方が正社員として正式に入社。インターン時はスーパーインサイドセールスとしてSQLを量産し、現在はデータアナリストとして活躍。

2022年
・Sales Enablementの本格稼働:
営業メンバーの拡大や競合サービスが増えてきたこと、提案書の内容が個人ごとで差が出始めたタイミングだったので、2020年から外部アドバイザーの方にお願いしていたEnablementを社内でも担当を置き運用を開始。
社外アドバイザー:営業の本質・普遍的な営業手法
社内:プロダクト知識や提案内容・競合情報などSmartDrive独自内容
※現在はメンバーのレベルがかなり高くなってきたため別業務にシフト。

・Customer Successを細かく分解:
ユーザー企業様が拡大していくにつれ、規模感や業界・お客様の課題が複数に分かれてきたことや、担当変更による再オンボードが発生することが増えてきたため、ユーザー企業様がMaturity Curve上を行ったり来たりすることや活用促進⇄停滞のループが発生するため、
「Onboarding」「Consulting」「Sales」「Care」という4役割に分割して、お客様の支援体制を強化していき柔軟な支援ができるように変更。

2023年
・PreSalesを創設:
MM-ENT企業のSQLが増加したことによって、商談期間が長くなる&1件の商談に対しての提案時間が増加してきました。1人あたり保有商談数を最適なもので維持しておかなければ、営業活動でお客様に対して「やり切った」といえるまでアプローチを重ねることはできません。
また、アルコールチェック法改正の動きに起因した「情報収集顧客の増加」があり、情報収集顧客に対してしっかりと「スマートドライブの存在を認知してもらう」ために説明と課題の顕在化をしつつ、検討が始まるタイミングやこちらから適切なアクションを行うためにヒアリングを強化してデータベースをリッチにする必要があったため、
「MM-ENTの商談-受注率の向上」「Recycle顧客の再燃強化」
を目的に活動。

・ABMチームを創設:
これまで進めていたアウトバンドアプローチをさらに強化するために、ターゲット企業の選定から見直して取り組みを新たに進めています。具体的にはSQL獲得 < 接触面積の増大を主要な成果としており、ターゲット企業の「経営層」「DX部門」「総務部門」それぞれと接点を持てるようにすることや、プロダクト直結ではない車両の課題についても相談してもらえる関係値を作りにいくことを目的に活動。

評価指標の変遷

営業の評価指標(=レベニューチームとして追いかけるKGI)も変更してきました。
指標に関しては、それぞれの部門で追いかけている数値はあるもののレベニューチーム全体が追うべき数値を意識して動いている(=会社として追うべきKGIを意識できている)状態というのが健全な状態だと考えています。

スマートドライブでは、これまでに
ACV(Annual Contract Value)
TCV(Total Contract Value)
TRR(Total Recurring Revenue)

と評価指標を事業の状況に合わせて変更しています。
例)デバイス50台を3年契約で獲得した場合
※費用はイメージしやすいように仮の数字を入れています。
①デバイス費用:50,000円×50台=2,500,000円
②年額費用:5,000円/月×50台×12ヶ月=3,000,000円
③導入コンサル費用:500,000円
→合計:6,000,000円
 →ACV:①+②+③=6,000,000円
 →TCV:①+②×3年+③=12,000,000円
 →TRR:②×3年=9,000,000円

2019年:ACV(Annual Contract Value)
元々は「台数」をKGIとしてセットしていました。この頃は売り方を模索している時代で、どうすると売れるかの勝ち筋も見えていなかったので、収益よりも規模を大きくすることを考えており台数がセットされていたのですが、2019年頃から営業メンバーも揃ってきたこともあり「収益を意識した指標」にするためにACVに変更しました。

2020年:TCV(Total Contract Value)
ACVを指標として進めていった中で「ハードウェアもセットで提供していること」「提案書を書く&デモを実施する」ということ、「チャレンジャーセールスモデルを実践していたこと」などいくつかの要素が重なって、初回の契約期間が12ヶ月ではなくて36ヶ月や60ヶ月など比較的長くなってきました。ここが伸びているタイミングで評価指標をA(Annual)からT(Total)に切り替えていき、契約年数を伸ばすことに勢いをつけるようにしました。
下記は2022.12の成長可能性に関する事項からの抜粋になりますが、ここでの平均契約期間は≒初回契約期間になっています。初回契約締結されると平均で39ヶ月後に1回目の更新が行われるということです。

2022.12_事業計画及び成長可能性 に関する事項

2021年:TRR(Total Recurring Revenue)
TCV指標で進めていましたが、このタイミングでは分析チームが強かったこともあり個別分析提案をして収益を増やすということをおこなっていました。ただ、社内の分析アウトプットを見ると汎用性の高いダッシュボードや、ある程度の型化が進んでいる分析内容もイニシャル費用をかけて構築するということが起きており、個別分析提案→汎用提案に切り替えるためにTRRに変更しました。
スマートドライブの収益の特徴としてデバイス(イニシャル費用)+サービス利用(ランニング費用)+データ分析(イニシャル費用)の構造になっているのですが、TRRにすることでデバイスや個別分析のようなイニシャル費用は営業評価に入らなくなり、「いかにシンプルに」提案を拡大していけるかという営業提案の型化を進めていきました。

2022年:TCV(Total Contract Value)
TRRにすることで提案の型化も進み、パッケージ分析の内容がかなりリッチになってきました。このタイミングで再度TCVに戻したというのがハードウェア(デバイス)×ソフトウェア領域で事業展開をしている面白さなのですが、弊社には提供できるデバイスが数種類あります。それぞれのデバイスによって画像が取れるor取れない、AI対応orAI非対応などの違いがあり、デバイス金額によって提案数にバラつきがありました。このバラつきを少なくしていくことや、仕入れ原価の影響もありデバイス金額も営業の評価に含まれるようにTCVに戻しました。

2023年:TCV(Total Contract Value)
今も継続して営業評価をTCVにしていますが、状況に応じて変更する可能性はこれまで同様十分にあります。

キャリアの変遷

組織体制の変遷でも触れたように、スマートドライブでは多くの部門や役割をその時々の事業の状況に合わせて変化させています。
この変化の数だけ多様なキャリアパスを作ることができるようになります。
経営人材に近づくために重要な要素と考えているのが「バランス感覚」で、バランス感覚は複数の部門を経験してそれぞれの方向から同じ景色を見ていきながら、その景色の違いに気が付くことで醸成されていきます。
また、複数の景色から顧客を見る経験を通して、多様性や複数部門での利害の違いが腹落ちし、部門間の壁や利害関係の不一致からくる摩擦というのは無くなっていくと考えており、「全社最適」の考えを言葉だけではなく浸透させるためにキャリアの流動性は必須と考えています。

下記はキャリアパスの一例となりますが、
①IS → パートナー企業様へ出向 → CS →事業企画 →Partner Sales責任者
②IS → CS →Partner Sales
③Sales → Parter Sales →Sales Manager
④IS → IS責任者 →CS Manager
⑤IS →IS Manager →Marketing(ABM)

と多くのメンバーが部門を跨いだキャリアパスを形成しています。

①〜⑤の方のキャリアパス

※ISを経験した後でCSを経験してもらうキャリアパスはスマートドライブでは多く、上記の他にも今年に入って3人のメンバーがISからCSへキャリアパスを広げています。
顧客への接点を増やすアプローチやオペレーションを固めるというISで得たスキルをCSで活かすことがすぐにできますし、CSを経験することでIS時代にヒアリングしていた課題がどのようにプロダクトを通して解決するのか肌で感じることができるという観点で非常に良い異動の型だと考えています。
※まだ現時点ではいないのですが、①ISでヒアリング力・課題を顕在化させるためのスキルをつけ②CSでプロダクトの活用方法や成功へのロードマップ・多くの顧客事例を身につけ③Salesで無双状態(課題も顕在化させられるし、プロダクトの活用にも詳しい&Salesとしての基礎としてのチャレンジャーモデルの実践とCustomer Forcasモデル)を作ることができるかもしれないなと思っていて、個人的に楽しみにしていることの一つでもあります。
▼Customer Forcasモデル

スマートドライブにとってのTHE MODELって一体なに?

ここでようやくタイトルにも記載したスマートドライブにおけるTHE MODELとは?ということについてお伝えしていきます。
ここまでの章でお伝えしたように、スマートドライブでは組織体制・評価指標・キャリアと多くの「変化」をしながらなんとか成長することができています。
これだけ色々変化させるということは、当然ですが働いている人の仕事内容もそれだけ変わります。
本来であればもう少し今の部門で専門性を磨きたかった・・・A部門に異動したと思ったら半年ほどで次はB部門での業務に変わる・・・せっかくプレイヤーとして数字が出てきたと思ったのにC部門への異動になる・・・という組織体制の変更に伴う多くのストレッチ、これまでと異なる評価指標に変わることで売り方を考え直さなくてはいけなくなるストレッチ、自分の動き方が見えてきたと思ったら新しくキャッチアップし直さなくてはいけないストレッチ、とメンバーの方々に対して非常に多くのストレッチをしてもらいながら、少しでも事業を前に進めるべく変えた方が良いと思われる部分は大胆に変えてきています。
こういった"変化"の話をメンバーにすると最初は「え!?」という反応ですが、理由を説明するとすぐに「わかりました、まずはやってみます!」と前向きな返事をもらえます。(僕がそう感じているだけだったら皆さん本当にすみませんmm というか、ありがとうございます!!!)
そして、この前向きな返事こそが「スマートドライブのTHE MODEL」の根源だと思っています。

だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、今回のnoteでお伝えしたかったスマートドライブのTHE MODELとは、この5年間で
・レベニューチーム全員が事業における重要な課題を理解し、
・事業成長のために必要な変化に対して前向きに捉え、
・その変化にチャレンジし、新しいキャッチアップや試行錯誤を続ける

ことによる、
"どんな事業環境の変化や困難が起きても、その時々に最適な組織体制・評価指標を組みにいくことができる変化に強いチーム(モデル)"
となります。

スマートドライブのTHE MODELが実現できている理由

最後に、このスマートドライブのTHE MODELが実現できている理由を5つ記載しておくと、
・自部門の数字だけを考えることなく常に全体最適を考えてくれる
 ミドルマネージャーの存在
・会社の成長を第一に考えて一緒に動いてくれるメンバーの存在
・組織×評価×数字×プロセスと複合的に考えられる優秀なCOOの存在
・異動があっても業務を(そこまで)滞りなく進めることのできる業務の型化
 ※デジタルツールの活用含めてそれぞれの部門でデータ蓄積がされている
・それぞれの部門でどの数値が変化したか確認して影響を評価することの
 できるKPIフレーム

が少なくともスマートドライブにはあって、どれか1つが重要という訳ではなくて全部が相互に絡み合うことによって実現できていると感じています。

最後に

スマートドライブでは、THE MODELオープンポジションでの募集をしております。
この記事を読んでいただいてご興味をお持ちいただけた方は、まずはカジュアルにでも結構ですので是非ともお話しましょう!よろしくお願いします。

まずはカジュアルに!という謳い文句で、良い人からのご応募があれば全力で口説きにいって、
(全然カジュアルじゃないじゃん)みたいなやつがたまにありますが、まさにそれですw


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?