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融資申し込みきっかけ2/2

人生を情熱的に刺激的に荒々しく、ジェット中島です。

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日本とベトナムを股に掛け、

①建築・内装デザインの請負業務@日本
(顧客:日本、制作:ベトナム)

②内装のプロジェクト管理業務@ベトナム
(内装プロジェクトを顧客の代理人となって手配し、成功させる)

③マッチングサービス@ベトナム
(施主と発注業者を結ぶプラットフォームの開発)

を行い、「仕事に遊び狂える世界の実現」を目指している。
HPも良い感じに仕上がってきたので、もしお時間あったら見てください。
(スマホからの設定はこれから行う。)
https://moncape.com/

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↑のような建築・内装パース請負の仕事をしています。



ところで、前回の続きを書いていこうと思う。
融資申し込みきっかけ1/2
https://note.com/hironakajima/n/naf1d3bd9d655


融資機関について・・・


今回の借り入れは政策金融公庫から行った。
今のコロナで大変な時期には国の補償をという言葉が出ているが、それを行っているのが日本政策金融公庫である。

ちょっと前までは「国金」そして、現在は「公金」と呼ばれている組織だ。


本来お金を借りる時には銀行やサラ金等で借入を行うが、その借入を国が低金利でやってくれている。

日本は起業するのにもお金が掛かり、多くの若者は独立に躊躇してしまう。
その為の新創業融資制度も用意してあり、規定の書類を提出して受理されればお金が借りられる。

担保や保証人を差し出す必要が無いのはこのシステムの非常に良いところで、これだけでグッとハードルが下がる。

もちろん創業だけでなく、長らく事業をやっている方、承継問題で悩んでいる方、様々なプランがHPに行くと用意されているのが分かる。

そして、今回私が申し込んだのは下記のプランだった。

中小企業経営力強化資金

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当初は創業融資も考えていたが、最終的にはこちらを利用することになった。
申し込みに必要な書類は下記の通りだった。

借入申込書
企業概要書(会社のプロフィール)
創業計画書
事業計画書
履歴事項全部証明書
最近2年の決算証明書→創業時は不要
最近の試算表→創業時は不要
設備資金の見積書


私の場合は「借入申込書」の裏面をよく見ると「中小企業経営力強化資金」に申し込むにしても創業計画書は必要とのことで、資料をダウンロードしそれも伏せて提出することとなった。

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事業の形態によって有利な制度もあるので、興味ある人は下記から自分が使えそうな物を選んで申し込んでください。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index.html

申し込みの資料は下記からすべてダウンロード出来る。
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
→ここには記入例もあるので初めての人でも戸惑わずに進められる。

ざっくりとなってしまったが、政策金融公庫とはビジネスでお金の融通をして欲しい人に対して国が無担保で借してくれる金融機関。次章にて実際に横山さんとのやりとりが始まるが、この時はどんなシステムかもしっかりと理解していなかった。

余談だが、金融機関とは下記の意味があることを最近知った。

金融:お金の融通を利かせる事
機関:プロ=専門家集団の事。

学が無い私はこんな事さえ知らなかった。


最初の行動


前々からこの融資制度には興味があり、実際こちらを使ったYKGの横山さんの話しはリアルに大変さと恩恵を感じられた。

お金が不足している事が分かった私は、すぐに公式に相談をさせてもらいに行った。

ということで、横山さん、カモーン!!!
(プロレスラー蝶野が他のレスラーを紹介する時の事を思い浮かべてください。)

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元々は、某有名IT企業で営業として働き、ルクセンブルグ等でも勤務を果たした後に、畑の違う士業を志して、ゼロから学び会計士になったという異色の経歴の持ち主。

そして、日本では世界大手の監査法人で働いた後に、日本で独立→ベトナム進出を果たしていて、その際に政策金融公庫からも融資をしてもらったとの事だった。

目の前にこんな素晴らしいお手本の先生がいるんだったら、尋ねてみようとの事で足を運んだのだった。


そして、初回の打ち合わせではその差に圧倒されっぱなしだった。

横山さん
「融資制度は手続きとしてはシンプルなんですよ。申し込みに新たに作成する資料は創業計画書だけなんです。これHPみてもらうと分かるんですけど、A3の紙一枚だけなんです。」

そして、その言葉に途中があるのを匂わせて、続けた

横山さん
「ただーし、この紙だけ出しても通らないんです。この書類の上に小さく
この書類に代えて、お客さまご自身が作成された計画書をご提出いただいても結構です。』と記載されているんですが、これを出さないと落ちます!これが一番大事な部分なんです。」

創業拡大


↑が実際の資料だが、確かに小さく書いてある。
そしてこの自身で作成した計画書が合否を分ける物だとはっきり教えてくれた。

ラーメンマンの闘龍極意書は書いていない部分にこそ価値があるとのことだったが、それを同じ事か!

ラア面万


横山さん
「みんな僕がこの融資を引き出せたのは、会計士をやっていたから収支計画表や資金繰りの作成が得意だと思いがちなんですが、それは違うんです!

緻密な計算に基づいた周到な計画を作れたからなんですよーーーー!

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(出典:ミナミの帝王・18巻56ページより改ざん)

萬田銀次郎ばりの迫力での台詞の後に、テーブルに舞った資料をみて圧倒された。

創業の動機から、ビジネスプラン、顧客開拓方法、5カ年の収支計画表・売上表・人員採用表、SWOT分析等・・・70ページ程の資料が出てきた。



詳細を見せてもらったが、月ごとにPCを何台買うかまでの部分が書かれていた。
この時点でこんなに借り入れは大変な物なのか・・・と感じてしまった。
頭がクラクラしてきた。

そしてのその後は上記資料を作るまでの横山さんの取り組み等を教えてもらった。

作成までに2ヶ月くらいはこもりっきりでやったこと、朝から晩までルノアールで集中していた事、助力してくれた方から無数のダメ出しを受けたこと。

ここに至るまでのストーリーを話してくれた後は笑顔で

横山さん
僕がサポートするので大丈夫ですよ

と緊張の顔を緩ませた後にニッコリ笑ってくれ、融資資料作りプロジェクトが始まった。


実際の計画作成

横山さんからは作成の為のフレームワークをもらって、そこに基本的には自分の言葉と数字で当て込んでいく形になった。形が決まっているだけで、自分の頭の中の情報をすべてアウトプットしていかねばならず、これは予想以上に大変だった。

それからは毎日、どんな事をやりたいのか自分の心の内と向き合う毎日だった。

まずは都会の喧騒から離れ、1泊2日の合宿をすることにした。


海が見えるリゾート地のマンションを民泊で借りて、籠もりっきりになった。

そして、コーワキングを借りた時も朝から晩まで取り組んだ。


これを作るのに一番大事だったのは、自分が新事業を通じて本当にどんな世界を実現するのかを考える事だった。

数字を作るのは出来るけど、自分の志が無いと空っぽになってしまう。
答えの無いゴールに突き進んで行くが、3歩進んで2歩下がるという事を繰り返していた。

そこで大きな心の支えになったのが、「一倉定の経営心得」という本だった。

↓は中身の抜粋



数々の経営者を育て上げてきた、経営コンサルタントの本質が書かれている本で、文庫サイズより少し大きいくらいなのに3600円ほどする本。

これをみて分かる通り、私は計画を作るのに近道だけを行くのは止めてあえて遠回りを選んだ。これが今後数年間の自分のみマイルストーンになっていくことを考えると、下手な計画を作るよりも本質を理解した上でやるのが良いと思ったから。

そして、横山さんとの相談から2週間経った頃、最初の面談が始まった。

面談からのダメ出し

1975年に4月30日ベトナム戦争が集結して、北ベトナムの勝利に終わった。北ベトナムの征服の印として南ベトナムの首都であったサイゴン市は、翌5月1日にホーチミン市に改名をさせられた。
戦争が終わった後は北部の人間が南ベトナム来て、政治の上層部を全て占め、財産もそのほとんどが没収させられた。北部の人間からするとこの名前は屈辱でしか無い。
今でもホーチミン市の事をサイゴン市と南部の人に呼ばれる事が多いのは、自分達の地域に愛着と誇りを持っているからだろう。

私もサイゴンという名前の方が呼びやすいから、こっちの方が好き。

そして、1回目の面談を迎えた時に尋ねた横山さんの事務所もサイゴンパールという、昔の名前が入った建物内であった。

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サイゴンパールの写真↑


顧客に資料を提出するのと同じくらい、この面談に本気で励んでいた。

1時間前には資料を全部終え、出力しようとするが借りていたコワーキングの複合機に問題があり、結局この日は打ち合わせ25分前に出力すべてが終わり、てんやわんやで面談に向かった。

真っ白で無機質な感じさえ漂う会議室に入った時には少し恐縮をしてしまった。まだやりきれている感じがしなかったから。ただとにかく、少しでも進めていかないと何も変わらない。

そして、実際の面談では私の予想通りにダメ出しが多々与えられた。

・数字の見積もりが甘い事
・公庫からすると情報が少なすぎること→計画に2パターンくらい作って、様々な面から検討する必要が有ること
・創業動機等の資料が長すぎる事→一度全部書き終えた後に要約すること。
・ビジネスの再現性について深く考えること。
・お金を借りた後に、返済出来る計画を作ること。
・SWOT分析等をして、他社との優位性を考える事。
・営業先のチャンネルを増やすこと

ざっと思いつく限りでも↑↑くらいあり、数え切れないくらいの指摘を受けた。自分の見込みが甘いとは思っていたが、予想以上に甘かった。それからは2回、3回、4回と打ち合わせを重ね、3月9日に日本に帰る直前まで続けられた。

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↑は帰国直前に撮ったサイゴンの写真。
夕日がキレイだった。


日本に帰ってからは法人立ち上げと平行して、融資の相談を行っていたがここでも本当に多々助けてもらった。

横山さんが日本で融資を受けた経験から、日本でも公庫の情報に詳しい人と知り合いになった事を聞いた。日本に居なくても横山さんが情報に精通しているのは、しっかりとパイプを作っているからで、こことも連携を取りながら、申込みまでを進めていくことが出来た。

もちろん自分で出来る事は自分でやるほうが経験を積み重ねられるので、公庫の相談は自分で行ってきた。


しかしながら、公庫の融資制度は多々ありどれに申し込むのが一番得策なのかは意見を聞きながら選んでいった。そして、最終的な提出の際は認定支援機関であるMejiro Accounting Firmからのお墨付きをもらって提出することが出来た。

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まとめ

まだ売上実績が乏しい私の会社にとっては420万円がいっぱいいっぱいいだったが、横山さんのおかげでゼロでは終わるのではなく、融資が受けられた。

初期の相談時には何か得体の知れない物に申し込む感覚があり、やがてそれの実態が分かり、手の内に引き寄せていくとが出来た。

経営者としての人生は始まったばかりで、本当はこういう生臭い物よりも壮大な夢を語りたい。しかしながら、今はまだよちよち歩きをして自分を助けてもらえる制度を活用していかないと真っ直ぐにも歩いて行けない。

頼れる物には頼りながら、夢に向けて歩みを進めていく。

その一歩として公庫を使うのは、最善の選択肢だと思っている。
守りを固めた後は攻めに転じれる。

最初は受け身ばっかりやる全日本プロレスのように、基礎を整える事は出来た。
次は新日本プロレスのように仕掛けをして、攻めに転じていく。
多くの創業間もない経営者は自分を救ってくれる制度を活用して欲しい、そんな思いから長い文章を書いたが、参考にはなっただろうか?

もし融資の事で質問があったらDMください。
同じような境遇の仲間と語り合う事を楽しみにしています。

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