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教育を受けるということはどういうことか

僕の音楽教育は22歳でヤマハの教室に行き始めたのが最初だと以前書きましたが、その後L.A.にあるM.I.(Musicians Institute)という音楽学校へ入学しました 

ネットも携帯も無い時代、書類の郵送(Air Mail)で手続きが半年もかかりました 今では考えられないくらい不便でした

教育を受けて自分にどのように影響したかをお話しようと思います


M.I.に行こうと思ったきっかけ

それはズバリ、沼澤尚さんが教えていたからです(笑)

ドラムマガジンでアメリカで活動している日本人ドラマーとして紹介され、沼澤さんが演奏している音源を聴いた時に稲妻が頭に落ちるような衝撃を受け「絶対プロのドラマーになってやる!」と決意しました

そこで経歴を辿っていくとM.I.を卒業し講師としても活動していると聞き、どちらにしても職業ドラマーになるなら音楽教育をキチンと受けないといけないと思っていました 

独学でお金が貰えるようになるのは自分の能力では初めから難しいと思っていたのでどうせ高い学費払うんだったらM.I.に行こう!と思ったわけです

そこから学費を貯めている間にヤマハに行ったんですが、その時に基礎と情報、理解力のなさを痛感させられました

ですので、尚更入学までの準備期間が必要だと思い、安易にすぐ行こうとは思いませんでした 

英語も全く忘れていたので英語の勉強もしないといけないとなるとすぐには無理ですよねw

入学の1年前に旅行を兼ねてM.I.を下見にも行きました そこで決意は更に高まりました

憧れのM.I.に入学して

いざ入学してみるとアメリカ本土の人は全体の2~3割で残りは僕らを含めた外国人でした

スエーデンを筆頭にヨーロッパ勢、ブラジルが中心の南米勢、僕ら日本人が中心のアジア勢となっていました

この頃は日本の専門学校とも提携していて、日本からの留学は多かったです

僕の1日のスケジュールは 

8時~10時 個人練習
10~12時 授業(必修科目)
13~16時 授業(選択科目)
16~18時 個人練習
19~21時 個人練習

が主なタイムテーブルでしたが、選択科目はバラつきがあるので無いときは個人練習、個人連終了後はライブを観に行くことも多かったです 

1日6~8時間の個人練習 土日も1日中練習とまさに音楽漬けな日々 最高の時間でした! 

卒業した人数は全体の7割程です あまりに才能がありすぎて物足りなくなった人、金銭面で半年までの人、挫折して帰った人が3割程いました

今はこのようなことは出来ませんが、この経験があるからこそ今の僕の土台が出来あがったわけです

1年で4回のテスト

1年で4学期あり、1学期が10週間で最後にテスト、2週間お休みで2学期・・というようなスケジュールでした 4学期の頃には5人でシェアしていた個人練習部屋に誰も来なくなり独占状態でした

とにかくテキスト、資料が膨大でこのようなファイルひとつが1学期分、計4冊にもなりました


テストはこの中のごく一部なのですが、量が量なので課題に追われる日々・・1日に6~8時間練習しないと僕の実力では追いつかないわけです

M.I.としてはこれだけの資料、情報を提供するから一生かけて練習してくださいねってことだったんだと思います

この経験が後に自分のスクールで「検定」をやるきっかけとなりました スクールなんだからテストがあって当たり前なんですよね

教育を受ける意味

自分の好きなものが弾けて楽しければ独学でもいいじゃないか、と思う人も多いと思います 

ただ、一般的にどこまでが出来ていて、どこまでが出来てないかを自分で100%判断するのは非常に難しいと思います 

たとえ録音、動画を撮って客観的に観ることをしていても、です

ですので、第三者の声(先生、試験等)は非常に大事なんですね 

あと、プロで活躍しているプレイヤー、バンドも専門学校や音大出身者が多くなりました あのマカ〇ニえ〇ぴつのメンバーも洗足音大出身です

音大や専門学校へ行く利点は「広く浅く」情報を手に入れることが出来る点だと思います 

自分には必要ないと思うようなものも間接的に役に立っていることが意外と多いですし、自分の知らない世界を知るきっかけになります 

自分はロックだけ出来ていればいい、と思っていてもちょっとジャズやラテンっぽいことをやらないといけない場面もよくあります

あと、これは常々思うのですが自分が人にレッスンをする際に全くの独学では限界があると思います

なぜかというと、その人が自分の望む方向へ上達させるには土台となるメゾットが無いとその人を導けないからです

根幹になる部分があってそれをその人に上手く解かりやすいように伝える これには自分自身が教育を受けていないと出来ないと思います

弟子入りならば問題ありませんが、レッスンとは全く別です あくまでもレッスンということを前提に説明しています

独学でレッスンをしていらっしゃる方も多くいますが、そこから上達して、ましてやプロに導いた人が出たという話は僕の知る限りではいません


まとめ

どんな人もやり始めは初心者 上達すると凄く楽しい でもどこかで必ず低迷する時が来ます それが「壁」というものです

初級者から中級になるのにひとつの壁 中級から上級には更なる壁があります 自分がどの程度まで出来るようになるか、望むかは自分次第ですが、壁を越えた世界を見る事が出来るのも自分自身でしか出来ません

ですので、自分が今どのくらいのところにいて何が必要で何をすればよいのかを客観的に判断する、判断出来る環境に身を置くのが大事かと思います 全くの受け身でもダメです 自分で考えないと自分のモノになりません

自分でしっかりと考え、半年後、1年後、3年後、5年後になりたい自分になる為には何が必要か、それが出来るようになった自分をイメージして練習に取り組む事が大事かと思います

知識や基礎テクニックはすぐには実践で役に立てることは出来ませんが、壁にぶつかった時の脱出の手助けになります

是非なりたい自分をイメージして練習してください その時僕がその手助けを出来れば幸いです☺



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