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中国語の短編を読む会(2024年5月3日)

 毎週金曜日の夜に行っている、中国語の短編を読む会(中国語中上級者向け)のレポートです。
 中国語の短編小説を、中国語を学んでいる日本語話者と日本語を学んでいる中国語話者が共に読み、和訳する過程を通じて、言葉を介した理解と交流の魅力をお伝えします。
   今回は、”亲切的恶魔(親切な悪魔)”の7回目です。
  今回の参加者は、Katsさん、Yangさん、Xiaoさん、Yoko。
Fumiさんとりんなさんも聞き専で参加しました。
日本語母語話者:Katsさん、Yoko
中国語母語話者:Yangさん、Xiaoさん、Fumiさん
韓国語母語話者:りんなさん

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这天夜里,青年满怀期待地等候着。一名年轻女子来访,是位绝世美人,看上去很清纯,感觉不坏。
“请多关照。”
女子寒暄着,开始收拾屋子。青年总算能过一个愉快的夜晚了,这是他有生以来第一次。那个恶魔介绍了一个好女人呢!

清纯;清楚(見た目)、ピュア、
   日本語の純情(心の中が純情)は中国語では天真
感觉不坏;性格のことではない。いい女の感じ。悪くない。いい感じ。まあまあ気に入っている。
暄;あいさつ、季節のこと、社交辞令、プライベートの話なしのあいさつ。嘘寒问暖,寒いですか、暖かいですか

その夜、青年は期待を胸に膨らませて待った。
すると一人の若い女性が訪ねてきた。絶世の美女だ。
見た感じ清楚で(ピュアで)、なかなかいいじゃないか。
「よろしくおねがいします」
女性は挨拶を済ませると、家の中を片付け始めた。
青年はようやく、とても楽しい一夜を過ごせた。こんなこと、人生で初めてだった

【👆Kats】

第二天早晨,衣服口袋里又有钱进账了。
“出去旅行怎么样?”青年对女子说道。
“好,我陪你一起去。”
日子过得美滋滋的。旅行回来,青年搬到一个稍好的房子里居住,女人也寸步不离。口袋里每天都会生出钱来。

进账;账は帳簿の意味。帳簿に書く記録が増えたの意からお金が入ってきたの意味になる。
陪;三歩下がって付いていくイメージはある。
美滋滋的;滋味 美食を体験しているような感じ
寸步不离;寸(量)だいたい3cm。少しも離れない様子を表す。日本語だと片時も離れないが自然。

翌日の朝、衣服のポケットにまたお金が入っていた。
「旅行に行かない?」と青年は女の人に言った。
「はい、お供させて頂きます」
楽しい日々を堪能した。旅行して帰ってきて、青年は少しいいところに引っ越した。女の人は片時も離れなかった。ポケットの中にも毎日お金が生まれていた。

【Yang👆】

如此过了一个月,那女人出去后没有再回来,青年并没有感到遗憾。这是约好的,会有另一个女人来轮换。
她出现了。
“请多多关照。”
年纪比前一个稍大些,明显有一种顾家的感觉,也很好。看来每个月都能体验新的感情生活。


遗憾;残念と思う。恋人と別れて恋人を思い出してやはりいいところもある、という文脈でも使う。
新的感情生活;新しい恋、新婚さんのような生活

こんな感じで1ケ月が過ぎて、その女性は家を出たっきり帰ってこなくなったが、青年はちっとも未練はなかった。これは契約なんだ、また別の女性が代わりにやって来る筈だ。
その彼女が現れた。
「よろしくお願いします」
齢は前の人より多少くっていたが、明かに家庭的な感じの女性でこれもなかなかいい。どうやら毎月新婚生活(新鮮なラブラブ生活)が味わえるぜ。

【Kats👆】

然而,一天早晨,青年心不在焉地看着电视,是新闻评论节目。荧幕上出现一个妻子无故失踪、抱着孩子不知所措的丈夫,说妻子突然出走,原因不明。电视里还播出了她的照片。

心不在焉(yan1)地;焉は古文で使われる。子将焉往?哪里の意味。心がどこにもない。焉は意味がなく語気で使う用法もある。余有何幸焉!
荧幕;昔のブラウン管のテレビ画面

でも、ある朝、青年はうわの空でテレビを見ていると、ニュース解説番組をやっていた。(ブラウン管)画面に妻が理由もなく行方不明になって、子供を抱えて途方に暮れている夫の姿が映っていた。彼は妻が突然家出をした、原因は分からないと言った。テレビに妻の写真も映された。
【xiao👆】

“喂,这照片上的人不是你吗?”青年指着画面说道。女人和照片上的人长得一模一样。
她点点头:“好像是的。”
“你怎么到这里来了?”
“不知为何,总觉得非来这里不可。”

喂;呼びかけている。おい。
一模一样。(yi1(4)mu2yi1yang4)
长得;育つという意味から派生したが、人の見た目を表すときに使う
点点头;軽く頷く
指;動詞、指す
不知为何; 文字通りの意味は理由が分からない。なんとなく
总;いつもそう思っている。

「おい。この写真に写っているの、お前じゃない?」青年は画面を指しながら言った。目の前の女性と写真の人はそっくりだった。
彼女は頷いた。「そうみたい」
「どうしてここに来たの?」
「なんとなく来なきゃいけないって気がしたの」
   (わからない、でもなんとなく~~~)

【Yoko👆】


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