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【カンテラ10の約束#6】子どもたち1人ひとりに寄り添います

子どもたちは、どんな学習をすれば、より効果的に成長していくでしょう?

答えは、一人ひとりの「スイートスポット」で学習し続けることです。

「スイートスポット」での学習とは

子どもたちが、今できることや知っていることと、これから学ぶことの間には必ず隔たりがあります。今の能力よりも少し上の目標を設定して学習する。つまり、ちょっと苦しい、難しいと感じる学習をし続けることが、最も効果的な学習になります。「最も有効な結果を残せる点」のことを「スイートスポット」といいます。
これは、学習だけでなく、スポーツや音楽などでも同様です。

設定した目標が高すぎて、課題が難しすぎると、すぐに嫌になってしまいます。
逆に簡単すぎてもいけません。簡単にできることをくり返していると、単純作業することに慣れ、思考することが億劫になります。また、簡単に習得したことは、忘れやすく応用しにくいというデメリットもあります。
背伸びして、努力するとぎりぎり解ける課題に挑み続けることが最も効果的です。

スイートスポットを見つける秘訣があります

一つは、「観察」です。何人もの子どもたちを見ていると、少しずつ見えてきます。
「この子のスイートスポットはここではないか? なぜなら・・・」
と。観察と判断をくり返すトレーニングを日々していると、見えやすくなります。高すぎたり低すぎたりすることもあります。その度に、修正しているうちに知見がたまって、精度が上がっていきます。

もう一つは、そのためのツールがあるということ。子どもたちの表面的な学力だけでなく内面も見えやすいように、教材やテストを作っています。だから、トレーニングされた人には、スイートスポットが判断しやすくなります。

通常のテストは、学力・・・つまり、点数によって、何ができて何ができないのか、何を知っていて何を知らないのかがわかるにとどまります。しかし、正解を出す過程、ミスをする過程をみることで、学力だけでなく、能力や性格も見極めてスイートスポットを探っていきます。

日々の学習では、さらにその日の調子も加味してスイートスポットを微調整します。元気なときと落ち込んでいるときでは、学習のパフォーマンスも変わるからです。

アダプティブラーニングで大事なこと

その子の学力に合った学習をすることを「アダプティブラーニング」ともいいます。AI学習教材などがたくさん出てきていて、「アダプティブラーニング」を謳っているものもあります。でも、正直、まだまだです。性格やその日の調子を考慮することは、AIにはまだできません。できたらすごいなとは思っていますし、期待はしています。でも、人の手にはまだまだ勝てないというのが印象です。

機能的に難しい面もありますが、アダプティブラーニングをするのに、最も重要なのは、子どもたちが全力を出すことです。全力を出さないと、背伸びをしないからです。背伸びをしないと、「スイートスポット」に届きません。
また、毎回毎回「苦しい」学習だけだと、気持ちが強くなっていない子には、ただの苦行になって楽しくありません。匙加減がものすごく重要だと、子どもたちと対峙していると感じます。

子どもたちが全力を出して背伸びをするのには、「関係性」が欠かせません。子どもたちと私たちの間に、信頼感と緊張感が同居しているような関係性が築かれていないと、子どもたちは全力を出してくれません。だから、何よりもまずは子どもたちにとって、認めてほしいと思われる存在になりたいと考えています。

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