聖夜に聖者の大行進!(2020/12/26)
NFL第16週のサーズデイナイト。
クリスマスの夜に行われたセインツVSバイキングスのゲーム。
セインツは先週、「スーパーボウル前哨戦」と目されたチーフスとの試合に僅差で敗れ、地区優勝は今週に持ち越しとなっていました。
迎えたこの試合、エースQBドリュー・ブリーズの万全でない体調問題などあれこれ問題は抱えつつも、粘るミネソタ・バイキングスを力技で押し込み52-33というスコアで勝利。
見事、NFC南部地区を4年連続で制覇しました!
ところで試合展開はというと、これが最初から両チームの攻撃が目立つ、かなりアグレッシブなゲームとなりました。
RBアルビン・カマーラを中心にランプレーでぐいぐいとゲインを稼ぐセインツと、QBカーク・カズンズが上手くセインツ・ディフェンスの穴を突きランとパスをバランスよく織り交ぜて攻めるバイキングス。
セインツがタッチダウンを決めれば、すぐにバイキングスも決め返すという流れで試合は進みます。
しかし細かくプレー内容を見てみるとセインツの方がやはり力が上。
それが徐々に差となって表われ、ある程度でゲインを止められタッチダウンが取れなくても、FGで追加点を挙げるセインツに対し、バイキングスはパントで攻撃権を放棄してしまうという結果になってきます。
前半終わった時点で、24-14でセインツのリード。
ちなみにこの試合もセインツのスターターQBは、先週のチーフス戦から復帰したエースのドリュー・ブリーズ。
パスの精度はさすがに高いながら、ボールの勢いにやや欠ける面が感じられるのは、やはり体調不良のせいでしょうか?
この試合も肝心な場面でブリーズらしくないミスから2度ほどターンオーバーを喫してしまい、それがバイキングスの粘りを誘発してしまう原因にもなっていました。
それでも常にセインツがリードを保ち続けたのは、ブリーズ以外にもラインを含め攻撃の選手たちの能力が高く、予想外の状況になってもしっかりアジャストしていけたせいでしょうね。
時にWR、時にRB、時にブロッカー役もこなす上に、極めつけはブリーズの控えQBでもあるというNFLでも他に類を見ない超ユーティリティ・プレイヤーのテイサム・ヒル。
3つの異なるチームでスーパーボウル出場の実績を持つ百戦錬磨のWRエマニュエル・サンダース。
体格を生かしたパワフルなランで確実にゲインを稼ぐRBラタビアス・マレー。
困った時に的確なポジション取りと巧みなレシーブでチームを救うベテランTEのジャレッド・クック。
そしてこの試合で「アンストッパブル」なランを試合全般にわたって披露し誰よりも輝いていたエースRBのアルビン・カマーラ。
NFLでもトップレシーバーであるエースWRマイケル・トーマスを故障で欠いていても、さらにはエースQBのブリーズが万全でなくてもセインツの得点力がこれほど高いのは、総合的なタレント力の高さに起因するところでしょうね。
(※蛇足ながら攻撃のタレント力という話になるとどうしてもチーフスと比較したくなりますが、私の印象ではチーフスの方がスピードと爆発力では上、しかし安定感とパワーではセインツの方が上。「華麗なるチーフス」と「力強いセインツ」っていう印象です)
さて試合は後半に入り、さらにセインツに流れが傾き、最初はわずかだった差が時間経過とともに大差になってしまいました。
セインツ・ディフェンスもやられっぱなしじゃ面目が立たないとばかりにバイキングスのQBカズンズへのプレッシャーをどんどん増し、セカンダリー陣も危険なパスを何度もカット。
第4クオーターにふたたび攻撃の勢いを増したセインツが50点越えのスコアを記録し、最後は余裕をもってのニーダウンでタイム・アップ。
ニューオーリンズ・セインツ 52-33 ミネソタ・バイキングス
ちなみにこの試合でドリュー・ブリーズは、NFL史上初、通算のパッシング・ヤードが80,000ヤードを超えるという大記録を達成しました。
ブリーズに続く2位はトム・ブレイディで約78,500ヤード。
こちらも今シーズンは無理でも、来シーズン以降80,000ヤードを達成する可能性があります。
また3位と4位はすでに引退している伝説のQB、ペイトン・マニングとブレット・ファーヴ。
5位は今年からコルツに加入しその快進撃を支えているベテランのフィリップ・リバース。
ただしリバースはまだ63,000ヤードほどなので、いかにブリーズとブレイディの2人が傑出しているかがわかりますね!
それと最後にこの試合の記録として触れておかなければならないのは、セインツの7本のタッチダウンのうちの6本がカマーラのラッシングによるものだったということ!!
1試合に1人の選手が6本のラッシング・タッチダウンを決めるというのは1929年にアーニー・ネイバースという選手が記録して以来、NFL史上2人目の大記録。
1929年といえばまだ旧NFLの時代。
NFLが現在のような形になった1970年以降では初めてという、空前絶後の大記録でした!!
いや~凄いものを見たなあ。
ところでこの試合に勝利し通算成績を11勝4敗としたセインツは、すでに決めているプレーオフ進出に加え、地区1位を決めました。
すると次なる目標はプレーオフの第1シード獲得ということになります。
今のところNFCのプレーオフ第1シードは11勝3敗のグリーンベイ・パッカーズ。
そして今週、そのパッカーズはタイタンズとの対戦。
タイタンズもAFC南部地区でコルツとの激しい地区優勝争いをしていて負けられない状況なので、パッカーズ戦はかなりの気合いで来るでしょう。
そこでもしパッカーズが負けたらセインツと11勝4敗で並び、NFCのプレーオフ第1シード争いは最終戦に持ち込まれるというワクワクの展開が待っています。
今シーズンはワイルドカードの枠が3つとなり、プレーオフで1回戦を免除されるのは第1シードのみ。
その意味では第1シードになるか第2シードになるかは大きな違い。
日曜日のパッカーズVSタイタンズにも要注目ですね!!
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