NFL第14週。大本命が強さを発揮!(2021/12/16)
NFL第14週。
今週は接戦が多かったですね!!
ということで、まず取り上げたいのは、私が前回注目の試合としても挙げておいたバッカニアーズVSビルズ。
最近のNFLは若くて優秀なQBがたくさん活躍していますが、その中において一番のベテランでありながら、まさに全QBの上に君臨している感のある、生きる伝説「GOAT」ことバッカニアーズのQBトム・ブレイディ。
そのブレイディを擁するバッカニアーズは、さすがにスーパーボウルチャンピオンというべき強さをこの試合でも見せてくれました。
とにかく攻撃も守備も強いという印象です。
一本芯が通っている感じで、格闘技でいうとまさにヘビー級の貫禄。
軽業はなくとも対峙する相手をどんどん力と技で圧倒していく様が小憎らしくすら思えます。
ブレイディが中心なのはもちろんですが、ブレイディだけが目立っているわけではなく、オフェンス陣だけ見てもWRクリス・ゴッドウィン、WRマイク・エバンス、TEロブ・グロンコウスキー、RBレナード・フォーネットなど各ポジションに屈強の戦士たちを揃え、まさにチーム全体が重厚っていう印象です。
この試合はそのバッカニアーズが試合開始から優勢で、前半終わった時点でスコアは24-3。
後半に入っても流れに大きな変化はなく、現在のNFLで間違いなくトップチームであるはずのバッファロー・ビルズが圧倒されたままで終わるかとも思われました。
ところが第3クオーター残り7分。
それまでのうっ憤を晴らすかのように、エースQBジョシュ・アレンが、自ら20ヤードほどを駆け抜けてタッチダウンを決めたのをきっかけに、ビルズが凄まじい追い上げを見せます。
これで24-10。
トム・ブレイディに対抗する才能豊かな若手QBの代表格でもあるジョシュ・アレン。
そのアレンがここから難易度の高いパスを次々に決め、バッカニアーズを追い詰めます。
もちろんバッカニアーズも無抵抗ではありません。
FGで3点を加えるなど逃げ切りを図りますが、ビルズの勢いは衰えず、ついに試合終了まで残り25秒というところで27-27の同点に追いついてしまいました。
いや~ヒーローのカムバックを思わせるようなジョシュ・アレンの活躍。
第3クオーターまでビルズの攻撃陣を潰しまくっていたバッカニアーズ・ディフェンスを凌駕するパワーアップを見せた覚醒ぶりは見事の一言でした。
しかしそれでも逆転されずにオーバータイムに持ち込んだバッカニアーズのしたたかさが結果的に勝敗を分けた感じです。
最後はブレイディからパスを受けたブレシャド・ペリマンが53ヤードをド派手に走り切りゲームセット。
33-27でバッカニアーズが勝利しました。
イメージでいうとビルズは「若くて真面目で才能とやる気に溢れた若者」でしたがバッカニアーズは「爽やかさはないけれど、ここ一番ではとてつもない集中力で全部を持っていく凄みあるベテラン」ってところでしょうか。
何だかんだいっても、やはり強いです。
バッカニアーズはこれで10勝目。
NFC南地区にはこれといった対抗馬は見当たらず、優勝はもう決まりですね。
こういう試合を観ると、HCエリアンズ&QBブレイディのくせ者大ベテランコンビが率いるディフェンディング・チャンピオンは、まだこの先、いくつも関門はあるでしょうが、最後には当然の顔をしてスーパーボウルにたどり着いている気がしますね。
一方のビルズは、今週試合の無かったペイトリオッツに対しゲーム差を詰めることができず地区優勝はかなり難しくなりました。
次週、もしペイトリオッツがコルツに不覚を取るようなことがあれば、その次の週の直接対決に望みを繋ぐこともできますが、可能性はかなり低い気がします。
とはいえワイルドカードは十分に狙える位置なので、ビルズとしてはむしろプレーオフに向かって気持ちを高めていく方がいいかもしれません。
さて他に今週目立っていた接戦ということでは、ブラウンズが前回の借りを返し24-22と、2点差でレイブンズを下した試合もかなり熱かったです。
しかしこれはレイブンズのQBラマー・ジャクソンが第2クオーターに負傷退場をした影響も大きかった気がしますね。
そのままラマー・ジャクソンが残っていれば勝敗は逆だったでしょう。
ブラウンズはどちらかというとディフェンスが頑張ったせいで勝てましたが、QBベイカー・メイフィールド率いるオフェンスはいまひとつの印象でした。まあそれだけレイブンズのディフェンスが良かったとも言えますが…。
とはいえ、ブラウンズは、これでAFC北地区で2位に浮上し、1位のレイブンズとも1勝差ということになったので地区優勝に手が届く位置に上がって来ました。
状況は悪くないとはいえ、このままトップを逆転するとなるとブラウンズとしてはもう2段階ほど調子を上げたいところではあります。
まだ100%出し切っていないメイフィールドの爆発に期待したいところですね。
さらに他の試合を見てみると、26-23で49ersが勝った49ersVSベンガルズや、30-23でラムズが勝ったカージナルスVSラムズもワクワクするような接戦でした。
それぞれ負けた方はジョー・バロウ(2年目)とカイラー・マレー(3年目)という才能豊かな若手QBをエースとしたチームで、この試合も2人は「WOW!!」と思わず言いたくなる溌剌としたスーパープレーを見せてくれていました。
でも相手のジミー・ガロポロ(49ers/8年目)、マシュー・スタッフォード(ラムズ/13年目)の、若手に負けず鮮やかなパスを決めまくるベテランの意地にやられてしまいましたね。
ベンガルズ、カージナルスのファンには残念な結果でしょうが、内容的には2試合ともワクワクするビッグプレーが多くて面白く、見ごたえがありました。
ベンガルズは負けてAFC北地区3位に転落ですが、実質2位のブラウンズとは勝率では並んでいますし、1位レイブンズとは1勝差。この地区の優勝決定はまだまだ先でしょう。
またカージナルスはNFC西地区で10勝3敗で1位を維持していますが、ラムズが9勝4敗で追いかけて来ています。
こちらの地区も決着は最後までもつれ込みそうです。
さてさて、それ以外に私が(個人的なひいきもあって)注目していた試合はチーフスVSレイダースでしたが、こちらは開始当初から攻守にわたって「これぞチーフス!」というようなプレーが炸裂する、チーフスの圧勝でした。
しばしばジャイアント・キリングをぶちかますレイダースだったので、開始前は「この試合もひょっとしてチーフスがやられるのではないか?」とも思いましたが、蓋を開けてみると悲惨なぐらい一方的な試合になってしまいました。
ここ最近のチーフスは攻撃力の回復はもちろんながら、ディフェンス面の充実が著しいですね。
クリス・ジョーンズやタイラン・マシューに代表されるようなディフェンスチームのスターたちが躍動していて、この試合もレイダースのQBデレック・カーはとても苦労していました。
とにかく試合の一番最初のプレー、オープニングドライブのレイダースの攻撃からすでに明暗が分かれていました。
キッキング直後のファースト・プレー。
QBデレック・カーからボールを受けたRBジョシュ・ジェイコブスは殺到するチーフスのディフェンスの選手たちにあっという間に取り囲まれ、ボールを弾かれ、ファンブルをし、そのファンブルしたボールを拾われ、拾ったチーフスのCBマイク・ヒューズはそのままエンドゾーンに駆け込み、タッチダウンを決めてしまいます。
チーフスはエースのパトリック・マホームズの登場を待たずして7対0と、わずかワンプレーでリードしてしまいました。
その後もチーフスの攻勢は続き、前半だけでも35対3という、レイダースファンにとっては今シーズン最低の悪夢を見ているような試合となってしまいました。
結果は48-9。
アローヘッド・スタジアムはまさにお祭り騒ぎ。
QBパトリック・マホームズ、TEトラビス・ケルシー、WRタイリーク・ヒル、RBエドワード・ヒレアー、DTクリス・ジョーンズ、Sタイラン・マシュー。
もうレッドカーペットばりのスターの競演となりました。
名将アンディ・リード率いるカンザスシティ・チーフス。
ようやくスター軍団が本来のオーラを放ち始めました。
シーズン終盤に来て「ついに大本命復活!」ってところですね。
ただしチーフスが1位をキープするAFC西地区は、2位チャージャーズが「ロサンゼルスの希望」たるQBジャスティン・ハーバートを中心にRBオースチン・エイケラー、DEジョーイ・ボサなど、素晴らしいプレーを攻守にわたって繰り広げているため、まだまだチーフスが安泰とは言い切れません。
そのチャージャーズは今週、ジャイアンツを相手に37-21で勝利。
この試合もジャスティン・ハーバートは本当に胸のすく美しくかつダイナミックなパスを連発していました。
特に第3クオーターのほぼ60ヤードを軽く投げ切ったタッチダウンパスは圧巻でした!
実況アナウンサーが「What throw!!!」と叫ぶほどの見事さ。
「スペクタクルなパッシング・ゲームを観たかったらチャージャーズの試合を見ろ」と言いたいぐらいで、こういうプレーを見せられると新たにチャージャーズのファンになってしまう方も多いのではないでしょうか。
そして次週、第15週にはこのチャージャーズが王者チーフスと直接対決します!!!
チャージャーズが勝てば9勝5敗でチーフスに並ぶことができます。
王者チーフスは活きの良過ぎるチャレンジャーを返り討ちにすることができるでしょうか?
これはもう大・大・大注目ですね。
あと次週のその他の注目カードといえばコルツVSペイトリオッツ、レイブンズVSパッカーズ、スティーラーズVSタイタンズといったところでしょうか。
コルツとスティーラーズはそれぞれ地区1位のチームと対戦しますが、ここで負けたら地区優勝は絶望という崖っぷちの戦い。
レイブンズVSパッカーズはどちらも地区1位同士の対決ですが、レイブンズはラマー・ジャクソンの負傷具合が気になります。
もしパッカーズ戦に出られたらアーロン・ロジャースとの、今週のブレイディVSアレンばりのQB世代間闘争が楽しみですけどね。
とはいえやはり最大注目はサーズデーナイトのチャージャーズVSチーフス。
さあワクワクして待ちましょう!
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